令和3年度（2021年度）の下水道事業会計の決算

令和3年度（2021年度）は、処理区域内人口19,333人、年間有収水量162万2,622立方メートル、主な建設改良事業として雨水整備事業費9,061万8千円、汚水整備事業費1億8,322万円を業務の予定量として事業を行ってまいりましたが、その実績は、処理区域内人口は前年度と比較して61人（0.3％）減の18,982人、年間有収水量は前年度と比較して4万3,582立方メートル（2.7％）減の158万9,379立方メートル、雨水整備事業費の決算額は4,625万9千円（税込み）、汚水整備事業費の決算額は1億1,214万6千円（税込み）となりました。
また、年間汚水処理水量は前年度と比較して7万1,750立方メートル（3.6％）減の193万4,458立方メートル、有収率は前年度と比較して0.8ポイント増の82.2％、水洗化人口は前年度と比較して272人（1.5％）増の17,857人、水洗化率は前年度と比較して1.8ポイント増の94.1％となりました。

• 令和3年度（2021年度）の決算書[PDFファイル／4.57MB]

収益的収入・支出の状況

下水道使用料や雨水処理負担金など、地方公営企業の経営に伴い生じる収益的収入の令和3年度決算額は税込みで9億177万8千円となり、そのうち下水道使用料は2億4,504万5千円（全体の27.2％）、一般会計補助金は2億8,605万9千円（全体の31.7％）、長期前受金戻入は3億163万3千円（全体の33.4％）となりました。
一方、下水道施設の維持管理費や汚水処理費、固定資産の減価償却費や前年度以前に借り入れた企業債の利子など、地方公営企業の経営に伴い生じる収益的支出の令和3年度決算額は税込みで7億2,123万6千円となり、そのうち職員給与費は5,076万6千円（全体の7.0％）、減価償却費は4億4,003万4千円（全体の61.0％）、支払利息は4,891万8千円（全体の6.8％）となりました。
※職員給与費には、児童手当を含んでいます。

収益的収入

区分	令和3年度	令和2年度	増減額	増減率
第1款 下水道事業収益	901,778千円	834,610千円	67,168千円	8.0%
第1項 営業収益	246,932千円	252,454千円	△5,522千円	△2.2%
第2項 営業外収益	624,720千円	579,480千円	45,240千円	7.8%
第3項 特別利益	30,126千円	2,676千円	27,450千円	1,025.8%

収益的支出

区分	令和3年度	令和2年度	増減額	増減率
第1款 下水道事業費用	721,236千円	722,634千円	△1,398千円	△0.2%
第1項 営業費用	644,966千円	645,523千円	△557千円	△0.1%
第2項 営業外費用	63,424千円	65,978千円	△2,554千円	△3.9%
第3項 特別損失	12,845千円	11,133千円	1,712千円	15.4%
第4項 予備費	0千円	0千円	0千円	－

[令和3年度の収益的収入・支出の決算状況]

 

減価償却費（げんかしょうきゃくひ）と長期前受金戻入（ちょうきまえうけきんれいにゅう）

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下水道管きょなど長期間にわたって使用する固定資産を取得した場合、その取得に要した費用は、固定資産を取得したときに一括して計上するのではなく、その固定資産を使用する期間にわたって分割して計上していきます。この分割した費用を減価償却費（げんかしょうきゃくひ）といいます。
同じように、下水道管きょなど長期間にわたって使用する固定資産を補助金などを受け入れて取得した場合、補助金などの受入れによる収益は、補助金などを受け入れたときに一括して計上するのではなく、その補助金などを財源として取得した固定資産を使用する期間にわたって分割して計上していきます。この分割した収益を長期前受金戻入（ちょうきまえうけきんれいにゅう）といいます。

一見すると面倒な会計処理を行っているようにも見えますが、このように期間損益計算を行うことで、一事業年度中の収益の発生とその収益を得るために要した費用とを対応して認識し、その期間の経営成績を的確に把握することができるようになります。

下水道使用料の状況

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令和3年度（2021年度）の年間汚水処理水量は193万4,458立方メートル（25ｍプール（縦25ｍ×幅12ｍ×深さ1.2ｍとして換算）で約5,370杯分）で、前年度と比較して7万1,750立方メートル減少しました。また、下水道使用料の算定対象となる年間有収水量は158万9,379立方メートルで、前年度と比較すると4万3,582立方メートル減少しましたが、年間有収水量を年間汚水処理水量で割り返した有収率は、前年度と比較して0.8ポイント増の82.2％になりました。
一方、下水道使用料の収入額は2億2,276万8千円（税抜き）（税込みは2億4,504万5千円）となり、前年度の2億2,758万6千円（税抜き）から481万8千円減少しました。

[過去10年間の汚水処理水量、有収水量、使用料の推移]

1. 令和元年度（2019年度）以前の下水道使用料は税込み、令和2年度（2020年度）以降の下水道使用料は税抜きです。

使用料単価と経費回収率

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汚水処理に要する経費は、原則として下水道を使用される方にご負担いただく下水道使用料で賄います。その下水道使用料の総額を年間有収水量で割り返したものを使用料単価、汚水処理費の総額を年間汚水処理水量で割り返したものを汚水処理原価、使用料単価を汚水処理原価で割り返したものを経費回収率といいますが、令和3年度（2021年度）におけるこれらの値は次のようになりました。

使用料単価、汚水処理原価及び経費回収率

	令和3年度	令和2年度	増減
使用料単価	140.16円／立方メートル	139.37円／立方メートル	0.79円／立方メートル
汚水処理原価	156.74円／立方メートル	160.54円／立方メートル	△3.80円／立方メートル
経費回収率	89.4％	86.8％	2.6ポイント

また、過去10年間の使用料単価、汚水処理原価、経費回収率の推移は、次のとおりです。

1. 令和元年度（2019年度）以前の使用料単価、汚水処理原価は税込み、令和2年度（2020年度）以降の使用料単価、汚水処理原価は税抜きです。

資本的収入・支出の状況

下水道施設の建設改良費や前年度以前に借り入れた企業債の元金償還金に充てるための企業債や国庫補助金などの資本的収入の令和3年度決算額は税込みで1億9,010万8千円となり、そのうち企業債は8,170万円（全体の43.0％）、一般会計補助金は3,920万円（全体の20.6％）となりました。
一方、下水道施設の建設改良費や前年度以前に借り入れた企業債の元金償還金などの資本的支出の令和3年度決算額は税込みで4億6,881万円となり、そのうち雨水処理施設の建設改良費は4,625万9千円（全体の9.9％）、汚水処理施設の建設改良費は1億1,214万6千円（全体の23.9％）となりました。

資本的収入

区分	令和3年度	令和2年度	増減額	増減率
第1款 資本的収入	190,108千円	212,474千円	△22,366千円	△10.5%
第1項 企業債	81,700千円	108,700千円	△27,000千円	△24.8%
第2項 他会計補助金	39,200千円	32,785千円	6,415千円	19.6%
第3項 補助金	52,200千円	47,500千円	4,700千円	9.9%
第4項 負担金	17,008千円	23,489千円	△6,481千円	△27.6%

資本的支出

区分	令和3年度	令和2年度	増減額	増減率
第1款 資本的支出	468,810千円	469,826千円	△1,016千円	△0.2%
第1項 建設改良費	170,744千円	170,796千円	△52千円	△0.0%
第2項 企業債償還金	298,066千円	299,030千円	△964千円	△0.3%

[令和3年度の資本的収入・支出の決算状況]

資本的収入の不足額は当年度利益剰余金などで補てんしました

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資本的収入の1億9,010万8千円から資本的支出の4億6,881万円を差し引くと2億7,870万2千円の資金不足が生じますが、この資金不足は次のように補てんしました。

資本的支出の補てん財源等

補てん財源等	金額
当年度分消費税及び地方消費税資本的収支調整額	6,158千円
当年度分損益勘定留保資金	96,810千円
繰越利益剰余金処分額	47,953千円
当年度利益剰余金処分額	96,981千円
補てん財源合計	247,902千円
令和3年度同意企業債による令和4年度措置額	30,800千円
補てん財源等合計	278,702千円

令和3年度（2021年度）に実施した主な建設改良工事など

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• 汚水枝線整備工事
  汚水管きょを0.8キロメートル布設し、その結果、汚水管きょの総延長は109.5キロメートルとなりました。これは、八街駅から東海道本線の戸塚駅（横浜市戸塚区）まで横須賀・総武快速線で移動したときの距離に相当します。また、処理区域面積（公共下水道（汚水）に接続可能な区域の面積）は、前年度から1ヘクタール増加して454ヘクタールになりましたが、その一方で、人口減少が続いている影響により、処理区域内人口（公共下水道（汚水）に接続可能な区域内の人口）は前年度から61人減少し、18,982人となりました。
  ※1ヘクタール=100ｍ×100ｍ＝10,000平方メートルです。

• 大池調整池整備工事
  文違地先に設置した大池調整池の整備工事を行い、大池排水区の浸水被害の防止を図りました。なお、大池調整池の整備工事は、令和4年度（2022年度）の完了を目指しています。

[晴天時の大池調整池（左）と令和3年台風第10号接近時の大池調整池の様子]

• マンホールポンプ交換工事
  みどり台地先に設置したマンホールポンプ2基のうち故障した1基を、新品に交換しました。

• マンホール蓋交換工事
  老朽化したマンホールの蓋72枚を新品に交換し、下水道施設の長寿命化を図りました。

• 管路調査業務
  下水道管きょにカメラを入れて、下水道管きょの破損や劣化の状況を3.0キロメートルにわたって調査しました。この調査の結果を受けて、下水道管きょの更新や補修を行っていきます。

[管路調査の作業の様子]

有形固定資産減価償却率と管渠老朽化率

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令和3年度（2021年度）末における下水道管きょなどの償却資産の減価償却の状況を示す有形固定資産減価償却率は、前年度末と比較して3.2ポイント増の6.6%となりました。また、法定耐用年数を経過した下水道管きょの延長の割合を示す管渠老朽化率は、前年度と変わらず0.0%でした。
これらの値は、いずれも高いほど、下水道管きょなどの施設の老朽化が進んでいることになります。

[過去10年間の有形固定資産減価償却率、管渠老朽化率の推移]

1. 有形固定減価償却率、管渠老朽化率は、下水道事業に地方公営企業法の財務規定等を適用した令和2年度以降について算出しています。

令和3年度（2021年度）の損益計算書

令和3年度（2021年度）の損益計算書は次のようになり、総収益の8億7,873万9千円から総費用の7億435万6千円を差し引いた1億7,438万3千円が当年度純利益になります。なお、損益の計算は、消費税を除いた税抜きの金額で行います。

令和3年度（2021年度）の損益計算書（税抜き）

営業収益	224,655千円
営業費用	631,535千円
営業利益（損失）		△406,880千円
営業外収益	623,958千円
営業外費用	59,976千円
経常利益（損失）		157,102千円
特別利益	30,126千円
特別損失	12,845千円
当年度純利益（純損失）		174,383千円

1. 損益計算書の詳細は、こちらをご覧ください。

令和3年度（2021年度）の貸借対照表

令和3年度（2021年度）末の貸借対照表は次のようになり、令和2年度（2020年度）末と比較すると、資産合計は1億3,499万6千円減の125億7,300万2千円に、負債合計は3億1,473万1千円減の118億4,766万7千円に、資本合計は1億7,973万5千円増の7億2,533万5千円になりました。

令和3年度（2021年度）末の貸借対照表

固定資産	12,416,401千円	負債合計	11,847,667千円
	（△177,974千円）		（△314,731千円）
流動資産	156,601千円	（うち企業債）	3,695,167千円
	（＋42,978千円）		（△200,666千円）
（うち現金・預金）	99,385千円	資本合計	725,335千円
	（＋45,677千円）		（＋179,735千円）
資産合計	12,573,002千円	（うち利益剰余金）	280,059千円
	（△134,996千円）		（＋174,383千円）

1. （　）内は、令和2年度（2020年度）末からの増減額です。
2. 貸借対照表の詳細は、こちらをご覧ください。

令和3年度（2021年度）のキャッシュ・フロー計算書

令和3年度（2021年度）のキャッシュ・フロー計算書は次のようになり、令和2年度（2020年度）末と比較すると、資金残高は4,567万7千円増加しました。

令和3年度（2021年度）のキャッシュ・フロー計算書

業務活動によるキャッシュ・フロー	305,201千円
投資活動によるキャッシュ・フロー	△58,858千円
財務活動によるキャッシュ・フロー	△200,666千円
資金増加額または減少額	45,677千円
資金期首残高	53,708千円
資金期末残高	99,385千円

1. キャッシュ・フロー計算書の詳細は、こちらをご覧ください。

企業債の現在高

令和3年度（2021年度）は、下水道施設の建設改良費や過去に借り入れた地方債の償還金の財源として企業債を9,740万円（令和2年度（2020年度）の建設改良費に充てるための1,570万円の借入れを含みます。）借り入れた一方、過去に借り入れた企業債を2億9,806万6千円償還した結果、当年度末における企業債現在高は前年度末から2億66万6千円減少し、36億9,516万7千円になりました。

[過去10年間の企業債現在高の推移]

未処分利益剰余金の処分

令和3年度（2021年度）の損益計算の結果生じた未処分利益剰余金2億2,233万6千円は、議会の議決を経て次のように処分し、将来の資本的支出の財源不足に備えます。

令和3年度（2021年度）末の未処分利益剰余金の処分の状況

当年度末残高	222,336千円
議会の議決による処分額／減債積立金への積立て	△144,934千円
条例による処分額	0千円
処分後残高	77,402千円

なお、この未処分利益剰余金の処分案は、令和4年9月市議会定例会に提案します。