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昨年、一旦は、落ち着いたと思われた新型コロナウイルス感染症ですが、新たな変異株であるオミクロン株の出現により、年明けから感染者が急拡大し、その影響は全国に及び、感染者数が急激に増加しております。
令和4年2月10日、政府は、13都県に適用しているまん延防止等重点措置を2月13日から3月6日までの3週間延長すると発表いたしました。
本市におきましても、「県における基本的な考え方」に基づき、市民の皆様には、これまで休業要請など社会経済活動の自粛や感染リスクが高い場所への外出・移動の自粛、マスクの着用や手洗いの実施、21時以降、飲食店の利用自粛など感染防止対策にご協力をいただいておりますこと心より感謝申し上げます。今後も予断を許さない状況に変わりはございませんので、引き続き感染拡大の防止対策に更なるご協力をお願い申し上げます。
また、新型コロナワクチンの追加接種につきましては、感染拡大防止及び重症化予防の観点から、現在、医療従事者の方、高齢者施設の入居者及び従事している方の追加接種を進めており、2月6日から高齢者の方への先行接種を開始したところでございます。
今後も3回目のワクチン接種を着実に進めていくため、八街市医師会、歯科医師会の皆様のご協力をいただきながら、これまでの経験を活かしてスピード感を持って円滑なワクチン接種に取り組んでまいります。
併せて、無料PCR検査につきましては、現在、市内3箇所の薬局等で感染リスクが高い環境にある等のため感染不安を感じる無症状の方に対して実施しております。PCR検査は、日常生活や経済社会活動における感染リスクを引き下げるための有効な手段となりますので、感染の不安を抱える市民の皆様に積極的にご利用いただきたいと思います。
長期化する新型コロナウイルス感染症の影響により、国内の地域経済、産業は、深刻な打撃を受けております。市長として、市民の皆様が安全・安心に暮らせるようにすることが使命と考えておりますので、今後も国、県と連携して、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策と地域経済活動の両立に全力を尽くしてまいります。
最後に令和4年1月19日本市の農場で発生した「高病原性鳥インフルエンザ」につきましては、千葉県による殺処分及び消毒作業などの防疫措置が、1月24日に完了し、本日2月15日0時に県による移動制限が解除いたしましたことをご報告いたします。
本市では、市の最上位計画である「八街市総合計画2015」をまちづくりの指針として定め、様々な施策を総合的・計画的に取り組んでおります。2020年を初年度とする後期基本計画に基づき、昨年は、児童館の開館、老人福祉センターのリニューアルオープン、八街バイパスの全線開通、八街市結婚新生活支援事業、小中学校の屋内運動場トイレ洋式化整備等を実施いたしました。
また、年間を通じた新型コロナウイルス感染症対策や飲酒運転を起因とした通学路での児童の死傷事故を受け、通学路の安全対策、飲酒運転の根絶への取り組みを進めてまいりました。
令和4年度は、新型コロナウイルス感染症対策、通学路の安全対策、子育て支援の充実を重点的に進めるとともに、防災拠点となる庁舎をはじめ、公立保育園、幼稚園の照明器具をLED化するSDGsの推進、将来の街づくりに資する佐倉インターチェンジに接続する道路整備や住野交差点の改良など、様々な取り組みを積極的に進めてまいります。
また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、テレワークを導入する企業等が増えており、働き手の移住先や企業の移転先として地方が見直されています。これらの環境の変化を的確に捉え、東京への通勤圏内にあり、成田空港や酒々井プレミアムアウトレットモールへの良好なアクセスに加え、農業を基幹産業とする自然豊かな恵まれた立地条件を活かし、子育て世代をターゲットとした若い世代の移住・定住先として、新たな八街市の魅力を発信し、地方創生を加速化させてまいります。
今後も総合計画に掲げる8つの政策目標をもとに、将来都市像である「ひと・まち・みどりが輝く ヒューマンフィールドやちまた」の実現のため、計画的にまちづくりを推進してまいります。
次に、令和4年度の予算編成にあたっての基本的な考え方を申し上げます。本市の令和2年度における財政調整基金残高は約16億5千万円で、前年度と比較し約6億減、地方債残高は約181億1千万円で、前年度と比較し約7千万円の増となりました。また、経常収支比率については、95.6%で、3年連続で95%を超え、財政構造の硬直化が進んでいます。
令和3年度においても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、市税の減少が見込まれるなど、歳入面において厳しい状況が続く一方で、歳出面においては、感染症拡大防止に資する事業費はもとより、高齢化の進展により社会保障関係費や公共施設の老朽化対策、交通安全対策、デジタル変革への加速、地方創生の推進、防災・減災対策などが拡大しております。
令和4年度予算につきましても、長期化する新型コロナウイルス感染症の影響により、経済の先行きは不透明であり、また、新たな行政需要として、ごみ焼却施設基幹的設備改良事業費や北総中央用水土地改良事業の償還費など、昨年同様の厳しい状況が予想されておりますが、八街市総合計画2015に掲げる将来都市像の実現に向け、各施策を着実に推進するとともに、将来にわたり持続可能な財政運営を行っていくために、これまで以上に慎重な事務事業の見直しを含めた積極的な改善を行い、市民サービスを低下させることなく安定した市政運営を行うことを基本的な考え方として予算編成をいたしました。
それでは、令和4年度の重点施策として進めてまいります主な事業の概要につきまして、ご説明いたします。
令和4年度につきましては、将来都市像を実現するための具体的な施策である基本構想の8つの街づくりの分野毎に様々な事業を計画的に進めてまいります。各事業のなかで特に「新型コロナウイルス感染症対策」、「通学路交通安全対策」、「子育て支援対策」の3つを重点施策と定め取り組んでまいります。
まず1つめに、「新型コロナウイルス感染症対策」でございます。
我が国で新型コロナウイルス感染症の最初の感染者が確認されてから2年が経過いたしましたが、新たな変異株であるオミクロン株の出現により、感染者数が急激に増加しており、未だ予断を許さない状況でございます。
新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、収入が減少し生活に困窮する世帯に対しては、これまで緊急小口資金等の特例貸付を行ってきたところでございますが、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化するなかで、総合支援金の再貸付が終了するなどにより、利用できない世帯等に対し、就労による自立支援を図るため、また、それが困難な場合には円滑に生活保護受給に繋げるために自立支援金の支給を行う費用を計上いたしました。
また、ファミリーサポートセンター、児童クラブ、保育施設、中央公民館、図書館、スポーツプラザ等を利用する子ども達や保護者、職員等への新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐため、消毒液やパーテーション等の感染症対策用品の購入費用や検診時の感染を防ぐための消毒液の購入費用、また、落花生まつりやピーナッツ駅伝などのイベント開催時の感染拡大を防ぐための消毒液等の購入費用などを計上いたしました。
さらに市立保育園や小学校の和式トイレを洋式化とすることにより感染症の拡大防止を図ってまいります。
今後も市民の皆様の命と暮らしを守る各種施策につきましては、継続して実施してまいります。
また、新型コロナワクチン追加接種につきましても、接種日時を指定して接種券の発送を順次進めており、指定期日より先行して接種を希望する方には2月6日から先行接種を開始したところでございます。
3回目のコロナワクチン接種を希望する市民の皆様に対し、速やかに接種ができるよう、今後も関係機関と連携して接種体制の強化に努めてまいります。
2つ目に「通学路交通安全対策」についてでございます。
昨年、本市で発生した大変痛ましい事故を受け、保護者や地域の方のご意見も伺いながら市教育委員会、学校管理職、佐倉警察署、県印旛土木事務所、市関係職員が連携して、「抜け道」や「見通しが良い道」なども対象とした緊急一斉点検を実施した結果、危険箇所としてあげられた150箇所につきましては、昨年より外側線やグリーンベルトの新規設置や引き直し、注意喚起看板の設置など、子どもたちが安全・安心に登下校できるよう安全対策を進めているところでございます。
令和4年度は、昨年に引き続き児童・生徒が安全安心に登下校できるよう、通学路の安全を確保するため、通学路の歩道整備、道路改良工事など道路整備に係る費用を計上したほか、ランドセルカバーなどの交通安全対策用消耗品の購入費用や交通事故防止施設等の整備として交通事故の危険性が高い箇所に注意喚起看板設置、カーブミラーの設置費用などを計上いたしました。
また、速度規制の検討、横断歩道や信号機の設置、道路や踏切の拡幅、交差点改良など警察署やJR、地権者との協議などが必要となるものにつきましても、整備計画を立て、しっかりと進めてまいります。
八街市の未来を担う子ども達の安全安心のため、今後も着実に通学路の安全対策を進めてまいります。
更に朝陽小学校では、事故後の子どもたちへの心理的ケアのためのスクールバスの運行を継続いたします。また、市内小学校で唯一、5年生から自転車通学を行っていた二州小学校につきましてもスクールバスを継続して運行する費用を計上し、安全対策の手段として、その運行の効果や可能性について引き続き検証してまいります。
通学路を含めた市内の道路安全対策を推進するにあたっては、昨年9月に設置した「八街市道路安全対策推進協議会」において、ETC2.0のデータを活用した交通実態分析や交通安全対策の検討など、千葉工業大学創造工学部都市環境工学科の赤羽教授や国土交通省関東地方整備局 千葉国道事務所 小島所長をはじめとするアドバイザーから必要な指導や助言をいただきながら道路の安全対策を着実に進めてまいります。
飲酒運転による事故の根絶に向けた取り組みについては、昨年、9月1日に「八街市飲酒運転根絶宣言」を行い、八街市全体で「飲酒運転をしない・させない・許さない」という飲酒運転根絶の気運の醸成を図り、ドライバーの交通マナーの向上に努めてまいりました。
令和4年度につきましても飲酒運転根絶に係るチラシ、ステッカー、懸垂幕等の作成やアルコールが運転に及ぼす影響や重大事故に直結する危険性などの周知を図り、飲酒運転の根絶を目指します。
飲酒運転は、「故意」であり、自分の意思や周囲の人の協力で防ぐことができるものです。繰り返しとなりますが「飲酒運転をしない・させない・許さない」という強い信念のもと、佐倉警察署や市民の皆様のお力をいただきながら飲酒運転根絶に向けた取り組みを進めます。
そのほか市民の皆様の経済活動を支える交通アクセスの整備は、大変重要な要素の一つと考えており、現在進めております住野交差点改良工事におきましても令和5年度中の完了を目途に整備が進められており、加えて佐倉インターチェンジにアクセスする道路整備につきましても千葉県印旛土木事務所と連携し、関係者のご理解・ご協力をいただきながら着実に進め、市民の皆様の利便性の向上を図ってまいります。
3つ目に「子育て支援策」についてでございます。
昨年4月に本市初の子育て支援の拠点として、児童館「ひまわりの家」が中央公園の隣接に開館するとともに、老人福祉センター「ゆうゆう」がリニューアルオープンいたしました。両施設は、八街市社会福祉協議会を指定管理者と定め、民間による施設の管理運営によって、中央公園を核とした新たな賑わいの場として、子ども達とお年寄りの異世代間交流が行われるなど、これまでにない柔軟な施設の運営が行われております。
令和4年度につきましては、少子化による人口減少に歯止めをかけていくため、安心して子育てができる環境づくりを進めます。
そのひとつとして、子育て家庭の仕事と子育ての両立を支援するため、保育施設等の待機児童解消対策を進めてまいります。昨年4月に私立八街泉こども園が開園したことに伴い、年度当初の待機児童数はゼロとなりました。
しかしながら、家族形態の変化による核家族化の進展や、女性の社会進出が増加する中で、今後も保育を必要とする家庭の増加が見込まれるため、新たに小規模保育事業所1園の施設整備事業費を計上し、保育枠の拡大を図り、子育て家庭の支援を進めます。
また、小学生の子を持つ保護者が安心して就労出来るよう、児童クラブの施設整備費を計上いたしました。これまで学校から離れた場所に設置されておりました八街児童クラブ、八街北児童クラブを実住小学校、八街北小学校八街東小学校内に移設、増設してまいります。更に八街北児童クラブの定員の増を図るなど、児童の放課後の生活の場として、その健全な育成を図るとともに保護者が安心して子育てが出来る環境づくりに努めます。
併せて、国の制度を活用して、私立保育園、私立こども園、放課後児童クラブ等に勤務する職員の処遇改善を図り、保育士不足等の解消に努めます。
コロナ禍において、家庭で過ごす時間が多くなり、児童虐待の増加が懸念されておりますことから、児童虐待の未然防止、再発時の迅速かつ適切な対応により、子ども及び家庭を総合的に支援するため児童相談システムの導入費用を計上いたしました。
また、子どもが心身ともに健全に成長するよう、子どもとその家庭、妊産婦等を対象として、地域の実情の把握、相談対応、調査、継続的支援等を行い、必要なサービスへ繋ぎ、切れ目のない支援を行うため、「子ども家庭総合支援拠点」の整備費用を計上いたしました。
小さなお子さんの弱視の治療は、早期に始めるほど効果が高いと言われておりますが、自身の見え方をうまく伝えられないことがあるため、3歳児健康診査時に視覚異常を早期に発見し適切な治療につなげられるよう、屈折検査器具を購入する費用を計上し、弱視児の早期発見に努めます。
これら3つの重点施策に取り組みつつ、令和4年度は、行政サービスの向上と効果的な行政運営を目指して、市民の皆様にわかりやすく、効率的な組織体制を図るため、組織の見直しを実施します。
まず、庁舎1階の来庁者の多い市民課、課税課、納税課、国保年金課を市民部に改めるとともに来庁者の動線を考慮し、窓口の配置換えを行います。
総合保健福祉センター1階には、社会福祉課、障がい福祉課、高齢者福祉課を「福祉部」に、子育て支援課と健康増進課を「健康子ども部」に改め、課の配置換えを行い窓口のワンストップ化を目指します。
また、システム管理課内に「デジタル推進室」を設置し行政デジタル化を加速させるため、デジタル社会の実現に向けた行政のオンライン化・デジタル化を進め、市民サービスの向上を推進します。
さて、八街市は、平成4年4月に県下30番目の市として誕生し、本年は、4月に市制施行30周年を迎える節目の年となります。
しかしながら、本市を取り巻く環境は、急速な少子高齢化の進展や気候変動による大規模な自然災害に加え、新型コロナウイルス感染症の蔓延など、これまでに経験したことのない多くの課題に直面しております。
このような厳しい状況ではございますが、今後も市長として多くの市民の皆様の声を拝聴し、これまでの重点施策を着実に前進させ、市民の皆様に寄り添った事業を積極的に実施していくことで、住んでよかったと思えるまちづくりをしっかりと進めてまいりますので、改めて市民の皆様並びに議員各位の一層のご理解とご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げまして、令和4年度の市政運営方針といたします。
昨年、中国で発生した新型コロナウイルス感染症は、瞬く間に全世界に拡散し、日本国内にも多くの感染者が発生いたしました。この新型コロナウイルス感染症の大流行により、本市においても多くの感染者が発生するとともに、市民生活や経済活動に大きな影響を及ぼし、市民の皆様には大変なご不便をおかけしているところでございます。
この間、新型コロナウイルスの感染により、お亡くなりになりました方に対して、心からのご冥福をお祈りいたしますとともに、感染された方の早期の回復をお祈り申しあげます。
新型コロナウイルス感染症の全国的な感染の急拡大から、国では年明けに千葉県を含む一都三県に対して緊急事態宣言を発出し、その後、対象地域を拡大して各種対策を実施してまいりました。緊急事態宣言後、感染者は減少傾向にありましたが、未だ感染者数の水準が高く、医療の逼迫状況は続いていたことから、2月7日を期限としていた緊急事態宣言は延長され、現在に至っています。
市民の皆様には「自分の命を守る、大切な人の命を守る」ため、引き続き感染予防対策の徹底についてご協力いただきますようお願い申し上げます。
さて、今年は、私の市長3期目の折り返しの年でございます。10年一昔と申しますが、この間を振り返りますと本当にあっという間の出来事だったと感じています。私は10年前に公正無私な市政運営の実践と、八街市に住んで良かったと思えるまちづくりに全力で取り組むことをお約束しました。この間、私の目指すまちづくり実現のため、市民の皆様、議員の皆様、そして市役所職員など多くの方に支えられ市政運営にあたってまいりました。私は、これまでの皆様のご支援に感謝しつつ、引き続き市民生活を最優先とした市政運営とまちづくりを、しっかりと進めていくことがそのご恩に報いることだと考えています。
初心を忘れることなく、先人が築きあげてきた八街の歴史とその魅力、伝統を継承し、すべての方々にわがまちへの誇りと愛着を深めていただけるよう、私は市長として、これからも現在・未来への責任を果たしてまいります。そして、安全・安心、豊かさ・幸せを実感できるような故郷八街に向け、全力で市政運営に取り組んでまいります。
人口減少・少子高齢化、厳しい財政状況、何よりコロナ時代の新たな日常の中、市長として培った経験を糧に、市民目線を忘れることなく、市民のニーズに応じたきめ細かな施策を講じることで、市民の皆様とともに、この難局に立ち向かってまいります。今後も一人ひとりの市民の声を大切にしたまちづくりを進めてまいりたいと考えておりますので、何卒、これまでと同様、市民の皆様、議員の皆様のご理解・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
本市では、市の最上位計画である「八街市総合計画2015」をまちづくりの指針として定め、様々な施策を総合的・計画的に取り組んでおります。昨年度までの前期基本計画期間に実施いたしました主な事業としては、八街バイパスの一部開通、朝陽小学校前交差点改良、JR榎戸駅橋上駅舎・自由通路供用開始、国道126号沖入口交差点改良、八街駅南口防犯ボックスの設置、災害時における物資供給等に関する協定の締結、市内防犯灯のLED化、ファミリーサポートセンターや親子サロン「ひまわり」の開設、川上小学校や実住小学校、朝陽小学校での児童クラブの開設、小規模保育所開設支援、高齢者外出支援タクシー利用助成事業、空き家リフォーム工事補助事業、小中学校空調設備整備、千葉大学や千葉工業大学との教育等に関する協定の締結、農業体験インターンシップや農業体験ツアーの実施、落花生まつりの開催、トップセールスによる地元産品のPR、協働のまちづくり条例の制定、知っ得・納得やちまた出前講座の実施、市役所でのパスポート申請等の開始、市議会インターネット中継の開始など、市民生活に関連した多くのまちづくりに係る事業をバランスよく実施することができました。一方で、本年度から始まりました後期基本計画策定時における意向調査では、これからのまちづくりに必要な視点として、「安心して暮らせること」「交通の便利なこと」「経済発展などによる活力のあること」に対して、多くの市民の皆様から期待が寄せられたところでございます。
後期基本計画の初年度である本年度には、児童館の建設、老人福祉センターの大規模改修、八街南中学校屋内運動場大規模改修、小中学生に対する一人1台タブレットの整備、高校生等までの医療費助成、妊婦および小学2年生までのインフルエンザワクチン接種に対する助成、八街バイパスの整備など、多くの事業を実施しているところでございますが、今後もまちづくりのテーマと定めた8つの政策目標をもとに、将来都市像である「ひと・まち・みどりが輝く ヒューマンフィールドやちまた」の実現のため、計画的にまちづくりを進めてまいります。
また併せて、この後期基本計画では、人口減少対策など重点的に推進する施策を「第2次八街市まち・ひと・しごと創生総合戦略」として位置づけ、各種施策を推進してまいります。
本市は、東京近郊にありながら他の地方都市と同様、少子高齢化が進行する中で人口減少も進んでいます。このようななか、国の地方創生の動きや、コロナ禍により働き方やライフスタイルが見直され、地方への移住が増加していることを好機として、東京の通勤圏内にあることなど有利な立地条件を活かしつつ、本市の持続的な発展に繋げていかなければなりません。
後期基本計画は、人口減少対策等も含めた本市のまちづくりを総合的に推進するための計画であり、一方で総合戦略は、人口減少、地方創生に焦点化した計画となっています。総合戦略には、若者が働き、交流し、そして子どもを産み育てていくことに、期待と喜びを感じられるまちづくりの推進などを掲げております。
このように、後期基本計画と総合戦略は密接に関連していることから、後期基本計画の重点施策を総合戦略として位置づけることにより、重点的・効果的に取り組もうとするものでございます。
次に、令和3年度の予算編成にあたっての基本的な考え方を申し上げます。 本市の令和元年度における財政調整基金残高は約22億5千万円で、前年度と比較し約3億5千万円の減、地方債残高は約181億8千万円で、前年度と比較し約6億5千万円の増となりました。また、経常収支比率については、95.5%で、2年連続で95%を超え、財政構造の硬直化が一層進んでいます。令和2年度においても、これまでに過去最高となる総額約100億円の補正予算を編成し、コロナ感染症対策など市民生活および中小企業等の支援を行った結果、財政調整基金の取崩額が約10億円となり、今年度の基金残高は、前年度からさらに減少する見込みとなっています。
今後におきましても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、市税の減少が見込まれるなど、歳入面において厳しい状況が続く一方で、歳出面においては、小中学校空調設備整備事業や北総中央用水土地改良事業の償還費、老朽化が進む公共施設の改修費など、新たな行政需要が見込まれるため、さらに厳しい財政運営が予想されます。
総務省は、昨年末の地方財政対策において、令和3年度は新型コロナウイルス感染拡大による税収の減少など厳しい自治体財政に配慮し、地方交付税の出口ベースで前年度を0.9兆円上回る17.4兆円の額を確保いたしました。しかし、地方税の減少に加え、高齢化による社会保障費の伸びや、防災・減災対策の推進などに伴い地方の歳出が拡大する中、本市のような財政基盤の脆弱な地方自治体では、不足する財源を補うため臨時財政対策債などの地方債の発行に頼らざるを得ないことから、地方債残高の増大に伴う後年度負担の増加が憂慮されるところでございます。また、今後におきましても、新型コロナウイルスの影響により経済の先行きは不透明で、税収の回復が遅れれば、本市の財政を取り巻く環境はさらに厳しさを増し、財政運営の硬直化が一層深刻になることが予想されます。
このように令和3年度予算については、これまでに経験したことのない厳しい環境下において、八街市総合計画2015に掲げる将来都市像の実現に向け、各施策を推進していかなければなりません。併せてコロナ禍における「新たな日常」を意識した取り組みとともに、将来にわたり持続可能な財政運営を行っていくために、これまで以上に再考と選択を徹底し、事務事業の見直しを行うことで、市民サービスの維持・充実を図ることを基本的な考え方として予算編成を行いました。
それでは、令和3年度の主要事業の概要につきまして、基本構想の8つの街づくりの分野に沿って説明いたします。
まず始めに、『便利で快適な街』のための主な施策についてでございます。
本市におけるまちづくりでは、ソフト・ハードを含めた様々なメニューで各種施策を進めていく計画でございますが、その中でも市民生活や経済活動を支える交通アクセスの整備は、大変重要な要素の一つと考えております。 また、市民の皆様からも道路整備は非常に強い要望があるところでもございますので、まちづくりのうえで優先度・重要度の高い事業として位置づけてきたところでございます。
本市は北総台地の中央に位置し、東西南北に幹線道路が通っており、県内幹線道路網の結節点として重要な場所に位置しています。しかし、残念ながら主要幹線道路の整備は進んでおらず、市内各所で慢性的な渋滞が発生しています。このような中において、本市市街地の渋滞緩和のため計画された八街バイパスは、未整備であった国道409号から大木地先までの約500メートルの区間が、いよいよ本年3月末に供用開始となります。このことによりまして、国道409号や県道千葉・八街・横芝線などを利用していた車両の通行が分散され、市内の渋滞緩和に大きな効果が現れるものと考えておりますし、八街バイパスの沿道沿いに新たな開発が促されるなど、土地利用の可能性が拡がることにより、本市の活性化に繋がるものと期待しているところでございます。
今後は、次の道路整備計画として、本市から西側方面に向かう佐倉インターチェンジにアクセスする道路の整備を進めてまいります。また、住野交差点及び吉倉交差点につきましても、千葉県印旛土木事務所と連携し、関係者のご理解・ご協力をいただきながら、改良事業を推進することによりまして、市内全体のバランスのとれた道路整備に努力してまいりたいと考えております。
一昨年の台風15号など一連の災害時では、本市の基幹産業である農業に甚大な被害を及ぼすとともに、停電が長期かつ広域的に発生し市民生活に大きな影響を及ぼしました。特に本市南部地域は、倒木による多数の電線の破断等により電気の復旧が遅れ、地域住民の皆様に大変なご不便をおかけしたことはご案内のとおりでございます。この災害の教訓をもとに、既に今年度補正予算において一部着手しているところでございますが、新年度予算では、災害時における市道沿いの電線被害の要因となる高木を伐倒するなど、森林の樹木環境を改善し、被害の未然防止を図ることを目的に、市道沿い森林の環境整備事業を拡充して実施することといたします。
八街駅北口の市有地についてでございますが、本年度に実施したサウンディング型市場調査を踏まえ、令和3年度では、市民と行政の協働や民間活力の導入など、市の財政状況も勘案したうえで、多角的な視点から利活用の具体的な検討をしてまいります。
次に2つ目の『安全で安心な街』のための主な施策についてでございます。
近年、台風、地震などの自然災害や火災等の様々な災害が多発しており、特に異常かつ複雑な動きをみせる台風、突発的・局地集中的なゲリラ豪雨など、過去には経験したことのない災害が発生しています。また近い将来、南海トラフ地震や首都直下型地震など、さらに大規模な災害が発生する可能性も高いとされています。地域の安全・安心を守るためには、地域住民の自助・共助の意識とともに、地域防災の中核を担う消防団を中心とした、地域における防災力の充実強化が極めて重要であると考えております。
災害が激甚化・頻発化する中、国では地方自治体が防災・減災・国土強靱化対策に取り組むことができるよう、緊急防災減災事業などの事業の拡充と事業期間の延長を決定したうえで、防災対策の充実を図っています。
本市においても過去に、東日本大震災や令和元年房総半島台風等の災害を経験しました。この教訓を生かし地域防災力の強化を図るため、令和3年度も引き続き自主防災組織の設立を促進するとともに、消防団の充実を図ってまいります。特に地域防災活動の担い手である消防団員の確保とその処遇改善につきましては、過去に幾度も本市議会でも取り上げられているところでございます。今年度は消防団員に対して、火災出動手当を増額したところでございますが、今後も地域防災力を維持・強化していくため、消防団員の確保は大変重要な課題だと認識しております。国では、消防団員の処遇改善に向け、検討会を発足させたとのことでございますので、本市におきましてもこの検討結果を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えております。
次に3つ目の『健康と思いやりにあふれる街』のための主な施策についてでございます。
本年4月、いよいよ本市初の子育て支援の拠点として、児童館が開館を迎えます。また、老人福祉センターにつきましても、施設全体のバリアフリー化など大規模改修を終えた新たな高齢者の憩いの場、集いの施設として再スタートすることとなります。これらの施設のスタートとともに、南部老人憩いの家の管理も含め、3施設に指定管理者制度を導入することとし、指定管理者は、八街市社会福祉協議会に決定しております。市社会福祉協議会には、民間の効率的で柔軟な施設運営とともに、老人福祉センターと児童館が近距離に立地することから、両施設の連携を図った事業の展開など異世代間交流等も期待しているところでございます。
従来、千葉県では重度の強度行動障害のある方への支援については、集団ケアを前提として県立施設で受け入れておりました。しかし、障害の特性などにより個々に応じたきめ細かなケアを行い、個人個人に合った暮らしを確保するという観点から、県内の各地域において必要な支援を受けられるよう、地域の民間施設で分散して受け入れるため、市町村と連携した支援システムを構築することといたしました。このことから、本市におきましても、重度の強度行動障害のある方が、民間の施設等を利用する際に、必要な支援が受けられるよう、新年度予算において支援員の追加配置に対する助成にかかる経費を計上いたしました。
待機児童解消対策でございますが、現在運営している私立明徳やちまたこども園に加え、本年4月1日から私立八街泉幼稚園が私立八街泉こども園に移行されることとなったことから、新年度予算では、認定こども園2園への運営支援経費を計上いたしました。私立八街泉こども園の開設によりまして、0歳児から5歳児まで、48名の児童に対して新たに保育の場を提供することが可能となるものでございます。
新生児聴覚スクリーニング検査についてでございますが、この検査は難聴の有無を発見するために、生後早期に行う聴覚検査でございます。先天性難聴は千人に1人から2人の割合で出現すると言われております。聴覚障害のあることに気づかずにいますと、ことばの発達が遅れたり、コミュニケーションがとりにくいなどの支障が生ずることから、通常の診察に加え、聴覚スクリーニング検査を行い適切な支援をすることによって、赤ちゃんの言語の発達を助けることができます。新生児の聴覚障害の早期発見と子育て世代の経済的な負担を軽減するため、新年度予算に検査費用の助成にかかる経費を計上いたしました。
骨髄移植ドナー等への助成についてでございますが、この制度は既に多くの自治体において導入しているところでございます。患者に適合するドナーが見つかったとしても、実際に移植となると、ドナーは入院や通院に多くの時間を割く必要が生じるため、このことが働きながらドナー登録している人には高いハードルとなって、結果的に骨髄等の提供を断念するケースが多いのが現状でございます。このことから、骨髄等を提供する本人や休暇を与える勤務事業所に対し、経済的な負担の軽減と休暇を取りやすい環境を整備することにより、移植の推進およびドナー登録の増加を図るため、新年度予算にその助成に係る経費を計上いたしました。
新型コロナ感染症にかかる対策でございますが、新年度予算では庁舎の感染症対策として、消毒液やパーテーションの購入にかかる経費を計上いたしました。また、小中学校・幼稚園・保育園等につきましても、国の学校保健特別対策事業費補助金、保育対策総合支援事業費補助金などを活用し、各施設の感染対策用の消耗品等の購入費用を計上いたしました。
市民の皆様の命と健康、暮らしを守る各種対策につきましては、令和2年度では予備費や補正予算により対応したところでございますが、切れ目なく継続して実施する必要があることから、今後も国や県と連携しつつ、必要な対策を実施してまいります。
新型コロナウィルスのワクチン接種がいよいよ間近に迫ってきています。ワクチン接種に係る業務は、各自治体が主体となって実施することとされていることから、本市でもコロナワクチン対策チームを立ち上げ、ワクチンが確保でき次第、速やかに市民の皆様に提供できるよう準備しているところでございます。
次に4つ目の『豊かな自然と共生する街』のための主な施策についてでございます。
平成15年に建設したクリーンセンター焼却炉は、経年により老朽化が進んでいることから、各所の劣化とともに突発的な事故のリスクが高まっています。万一事故が起きますと、場合によっては施設の長期的な使用停止を余儀なくされることもあり、その場合、本市のゴミ処理及び市民生活に大きな影響を及ぼすことにも繋がりかねません。このことから、周辺地区の皆様のご理解のもと、当該施設の長寿命化総合計画に基づき、令和3年度から3カ年をかけて焼却炉の大規模改修を実施することといたしました。改修後の焼却炉は、燃焼効率を高め二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を抑制するなど、周辺に配慮した地球環境に優しい焼却炉とする予定でございます。
「水銀による環境の汚染の防止に関する法律」により、一般照明用の高圧水銀灯については、令和2年末をもって製造等が禁止となりました。このことから、本年度は八街中央公園の照明をLED化したところでございますが、令和3年度につきましても、引き続き環境に配慮した低炭素社会を推進するとともに、省電力化により経費を削減するため、森のいずみ公園、芝のまきば公園ほか、7つの公園及び中央公民館大会議室の照明をLED化するための予算を計上いたしました。また、交進小学校では、環境省の二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金を活用し、浄化槽の全面的な改修を実施いたします。
菅首相は、先の所信表明演説の中で、「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体として実質ゼロにし、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言しました。本市におきましては、今後も環境に配慮した施設の整備とともに、里山の保全や再生、森林や緑地など緑の保全と創出につとめ、温室効果ガスの排出量削減や吸収源対策などに取り組くむことにより、SDGsの推進やカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に向けて努力してまいります。
市営住宅についてでございますが、老朽化が著しい笹引団地の将来的な廃止のための方策として、現居住者に対し、朝陽団地への転居をお願いしているところでございます。令和3年度では、転居の意向を示している5世帯につきまして、受け入れる朝陽団地を修繕するため予算を計上いたしました。
流末排水施設の整備でございますが、令和3年度では一区地先の用地を買収し、大雨時における雨水の貯留施設として、調整池の整備を進めてまいります。今後も引き続き、浸水被害を防止するため、地権者等の協力を得ながら計画的に排水対策を実施してまいります。
次に5つ目の『心の豊かさを感じる街』のための主な施策についてでございます。
市制施行30周年を記念し、八街の開拓の歴史を広く周知するため「(仮)古写真にみる八街の150年」記念誌を発刊いたします。この記念誌は、「八街」が発展していく姿を写真で掲載したもので、50年後、100年後の未来に繋がる、歴史的な記録物として貴重な財産になり得るものと考えております。八街市が今日に至るまで、先人達の営為によって発展してきた「八街」の歴史を目に見える形で残していくことは、大変意義深いことだと考えております。
本年夏に開催が予定されています東京オリンピック・パラリンピックにつきまして、本市出身で出場が内定している空手組手の植草歩選手、パラバドミントンの里見紗李奈選手に対して、市民全体で応援するためにパブリックビューイングの予算を計上いたしました。昨年はコロナ禍によりオリンピック等が止む無く延期となりましたが、今年は無事開催されることを願うとともに、開催されたあかつきには二人がオリンピック・パラリンピックの舞台で大活躍できるよう、市民の皆様と共に精一杯の応援をしてまいりたいと考えております。
次に小出義雄杯八街落花生マラソン大会についてでございます。昨年度は大雨の影響により中止、本年度はコロナ禍の影響により延期となりましたが、来年度こそは必ず開催すべく、令和3年度の当初予算に必要な経費を計上いたしました。実行委員会や市民の皆様、議員の皆様のお力添えをいただき、大会を成功させたいと考えておりますので、皆様のご協力をお願いいたします。
学校給食センターの給食設備機器について、長年使用している第一調理場の揚げ物機及び第2調理場の食器洗浄機が老朽化しているため、新しい機器に交換するための予算を計上いたしました。
子どもの教育・学習環境の整備についてでございます。本年3月から、児童生徒に一人1台のタブレット端末を配備し、様々な教育活動にICT機器を活用した授業がスタートいたします。令和2年度からは、小学校におけるプログラミング教育が必修化されており、子どもの情報活用能力や論理的思考力を育成するうえで、ICT教育の環境整備は非常に重要なものであると考えております。ICT教育の充実により、最新の情報や動画等を活用した調べ学習、大学や企業と連携した遠隔学習など、子どもたちの学力・学習意欲の向上に資する新しい学びの推進が期待されています。
中央グラウンド南側のブロック土留めでございますが、経年と樹木の成長などにより崩壊の危険性があることから、この危険性を解消し歩行者等の安全を確保するため、土留めの改修に向けた実施設計に係る予算を計上いたしました。
次に6つ目の『活気に満ちあふれる街』のための主な施策についてでございます。
山林は、木材生産だけではなく、二酸化炭素の吸収・貯蔵、土砂の流出・崩壊防止、水質浄化などの多面的・公益的な機能を有しており、また、多種多様な動植物の生育の場でもあります。本市におきましても、市内面積の約15.8%が山林であり、山林の持つこれらの機能を効果的に発揮させるためには、適切な管理が必要不可欠でございます。しかし、本県に広く植栽されている山武杉林は、後継者不足により山林の手入れが行き届かないことなどと相まって、スギ非赤枯性溝腐病が蔓延して風折れ等の被害が多発するなど、山林の有する公益的機能が低下しています。また、一昨年の台風15号等では、杉の倒木等を原因とした停電で大きな被害を受けたのは記憶に新しいところでございます。このことから、荒廃を防ぎ山林の再生や被害の未然防止を図るため、非赤枯性溝腐病の被害を受けている山武杉の伐倒、植栽等にかかる経費の一部に対し補助するための予算を計上いたしました。
本市を含めた千葉県北部に広がる優良畑作地帯等に対し、利根川に水源を求めて、農業経営の安定と近代化を図るために計画された北総用水土地改良事業は、事業着工以来30年あまりの期間を経て、今年度をもって国営事業の完了を迎えます。本事業は、揚水機場2箇所、調整水槽19箇所を新設し、パイプラインによって地域に送水を行うもので、令和3年度から施設整備に要した費用の償還が始まることとなったことから、新年度予算に初年度の償還額を計上いたしました。
まちに賑わいをもたらす産業の振興策として、本市の特色を活かし、地域イメージを向上させる地域資源の活用や発掘、地域ブランドの普及促進に努めてまいります。昨年はコロナ禍により開催できなかった落花生まつりにつきまして、改めて内容も充実させて賑わいのあるイベントとして開催できるよう、令和3年度予算に必要な経費を計上いたしました。
また、「八街産落花生」につきましては、7年目となります昨年も、秋篠宮家に献上したところでございます。
本市のもう一つの名産品である生姜を活用した「八街生姜ジンジャーエール」は、先に千葉県庁職員が選んだ「大切な人に贈りたい 千葉県グルメギフト」アンケート調査で、飲料品部門1位を獲得いたしました。「八街生姜ジンジャーエール」は、新たな地域ブランド品として認知度も高まっており、口いっぱいにひろがる生姜のフレッシュさとさわやかで自然な甘みなど、八街産生姜の美味しさを引き出した「大人の清涼飲料水」として好評も得ています。また、昨年11月からはサクマ製菓とのコラボで、缶入りの「八街生姜ジンジャーエールドロップス」の販売も開始いたしました。
今後も様々な活動、機会を通じて、本市農産物をはじめ八街市のPRに努め、まちに賑わいをもたらす産業の振興等に取り組んでまいりたいと考えております。
次に7つ目の『市民とともにつくる街』のための主な施策についてでございます。
行政が中心となって担う公共サービスの内容は、公平・平等の観点から、画一的に行うことを基本とするため、ともすると行政の肥大化とともにムダも多くなりやすい傾向にあります。一方で、住民のニーズが多様化・複雑化するなか、市民満足度を上げるためには、よりきめ細かな対応が必要となるなど、社会の変化に伴って、行政における公共サービスだけでは地域の課題に対応することが難しくなっています。人口減少・少子高齢化の進展とともに厳しい財政状況下において、持続可能なまちづくりを実現させていくには、従来からまちづくりを担ってきた区・町内会や、各種団体、事業者そして市民の皆様など、地域で生活するすべての人々と行政が、今まで以上に連携を深めながら、地域の課題に取り組んでいくことが求められています。「自分たちでできることは自分たちで」を基本に、それぞれが役割分担し、対等な立場で協力しあう「協働のまちづくり」が必要となっています。
協働のまちづくりを推進するためには、市民の皆様の主体的な活動が不可欠でございます。本市では、市民の皆様がまちづくりに関する仕組みや制度あるいは生活に役立つ、知って得する知識について学べるように、職員が各地に出向いて「知っ得・納得やちまた出前講座」を実施しているところでございます。そのほか地域で活躍している人の交流や、地域の課題について情報を共有する場として「地域力向上スクール」を開催し、地域の皆様が主体的に地域づくりについて考える機運を醸成するとともに、地域の中心となってリーダーシップを発揮できる人物や、コーディネート能力のある人材の発掘等に繋げてまいりたいと考えております。
最後に8つ目の『市民サービスの充実した街』のための主な施策についてでございます。
市政の基本方針の中でも申し上げましたとおり、後期基本計画では、重点的に推進する施策を「第2次八街市まち・ひと・しごと創生総合戦略」として位置づけております。進展が懸念される人口減少問題や地域経済衰退の打開など、まち・ひと・しごとの創生と好循環の確立を目指し、各種施策を進めてまいります。
新年度予算では、移住定住促進事業として、市のPRパンフレットを作成いたします。現状の冊子作成から5年が経過し、掲載情報の変更や在庫も残り少なくなってきたことから、新たに5万部を作成し、市のPRに活用いたします。
現在、多くの自治体が人口減少に苦慮しており、我がまちへの移住促進は地域活性化の最大の課題として捉えています。特に若者世代の定住人口の確保が喫緊の課題となっており、近年、各自治体とも移住促進や定住支援、子育て支援等の分野において様々な施策を展開し、併せてまちの魅力発信に努力しています。本市におきましても、移住・定住の候補地として多くの方に選んでいただけるよう、市の魅力発信に努力しているところでございますが、さらに八街市内への移住・定住を促進するため、新婚世帯に対し1世帯あたり30万円を限度として、新居の家賃や引越費用等の支援をすることといたしました。
また、結婚を希望する若者への支援として、異性と出会う機会づくりを目的としたセミナーやイベントを開催する予算を計上いたしました。イベントにつきましては、すでに継続して実施しているところであり、一定の成果も上がっております。社会人になると仕事場以外での男女の出会いは、なかなかないというのが現状でございます。結婚は望んでいるものの、異性と出会う機会がないことから結果的に未婚・晩婚が増加し、地域産業の後継者不足、地域の少子・高齢化、人口減少に繋がっています。このセミナーやイベントを機会に、今後も市内の男女を含め多くのカップルが成立し、結婚に至ることを期待しているところでございます。
コンピュータやネットワークなどの情報通信技術を活用することにより、電子自治体の構築を進め、市民の負担の軽減や利便性の向上、行政事務の簡素化・合理化などを図り、効率的な自治体運営の実現を目指します。
住民票や印鑑証明等の各種証明書の発行などの窓口サービスは、市民にとって最も身近で最も多く利用するサービスでございます。令和3年度では市民サービスの向上と窓口の混雑緩和を図るため、マイナンバーカードを用いて、最寄りのコンビニエンスストア等で各種証明書の発行ができるよう、本年10月の開始に向けて準備を進めてまいります。
以上、令和3年度の主な施策につきまして説明させていただきました。
コロナ禍の影響により、年末年始は帰省の自粛を求められたことから、今年の正月はステイホームのため家族と会えず、寂しい正月を送られた方も多かったものと思います。さらに昨年の4月に引き続き、本年1月8日から、千葉県を含む一都三県に対して緊急事態宣言が発令されたことから、各種イベントも制限され、毎年恒例であった成田山の節分会の豆まきも縮小して開催されました。
節分の日には、古くからの風習で、魔除けとして柊の枝に鰯の頭を刺した柊鰯を戸口に立てて、「鬼は外、福は内」と声を出しながら福豆を撒いて、邪気を祓い、年齢の数だけ豆を食べる習わしがあります。八街市では大豆に代えて落花生を撒くご家庭もありますが、もともと節分の「鬼は外」の鬼とは疫病などのことで、病魔を外に追い払う意味だということでございます。私も今年は豆をまいて、コロナ感染症という鬼を追い出し、八街市に福が来るよう祈願いたしました。
まだ寒い日が続いていますが、館山市や南房総市など花卉栽培が盛んな房州では、すでに露地物の花が咲いていて、春の薫りに満ちています。陽の伸長とともに桃の節句も間近に迫り、冬に籠もっていた虫たちも外に這い出る準備をしているものと思います。本市でも春はそこここに感じることができます。そして春の訪れとともに、もうすぐ令和3年度の新たなまちづくりがスタートすることになります。
令和3年度も引き続き、コロナ対策とともに後期基本計画に基づいたまちづくりのための各種施策を着実に進めていかなければなりません。これからも本市のまちづくりを皆様とともに進めてまいりたいと考えておりますので、ここに改めて市民の皆様並びに議員各位の一層のご理解とご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げまして、令和3年度の市政運営方針といたします。
昨年は台風15号の暴風雨など、かつて経験したことのないような自然の猛威に、大きな被害を受けた年でした。被災された皆様には、改めて心からのお見舞いを申しあげますとともに、今後も引き続き、市民の皆様の生活基盤が一日も早く取り戻せるよう、被災者支援等に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
さて、今年は、私が市長となってから10年目を迎える年でございます。この間を振り返りますと、様々な出来事がありました。私の市政運営に対し、市民の皆様、議員の皆様から時には喜ばれ、時には叱咤激励を受け、また困難に直面したときには、多くの皆様からご支援をいただき、その困難を乗り越えて今に至っております。この間、市長として皆様に支えられて市政運営できましたこと、私は心から感謝しております。
現在、八街市総合計画に基づき令和2年度から5カ年の後期基本計画を策定するための作業を進めており、この間には市制施行から30年の節目を迎えることとなります。しかし、未だ八街市はソフト・ハードの両面において発展の途上にあり、今後も様々な分野において、一層のまちづくりが求められております。また、私が市長に就任してから市民の皆様にお約束したまちづくりについても、一定の成果があがったもの、未だ過程にあるものなど様々ございます。
人口減少・少子高齢化、厳しい財政状況など、本市を取り巻く経済・社会情勢は不確実性を増しており、このような中において、誇りの持てる街、ふるさととして愛着の持てる街の実現を図るには、皆様の協力無しには実現できません。
今後も様々な機会を捉えてご意見を拝聴し、一人ひとりの市民の声を大切にしたまちづくりを進めてまいりたいと考えておりますので、何卒、これまでと同様に、市民の皆様、議員の皆様のご理解・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
本市では、市の最上位計画である「八街市総合計画2015」をもとに八街市のまちづくりに取り組んでおります。まちづくりを進めていくにあたり、先に実施しました市民意識調査では、「道路の体系的整備」「公共交通の充実」「子どもの教育の充実」など、様々なまちづくりに対する期待が寄せられたところでございます。
このような中、本市の悲願でもありました榎戸駅自由通路及び橋上駅舎、国道126号沖入口交差点改良事業が昨年に終了し、また、小中学校の空調設備整備事業も予定どおり今年度中の完了の目途が立ったことなど、市民の皆様の利便性向上や教育環境の充実を図れたことは、大変、喜ばしい出来事でございました。今後におきましても、八街バイパスの全線開通、住野十字路交差点改良事業の推進、児童館の建設など、まずは現在、早期完成を目指して進めている事業、計画決定している事業につきまして、着実に進捗するよう一層の努力をしてまいりたいと考えております。
また、昨年は災害により止む無く中止せざるをえなかった「やちまた落花生まつり」や「小出義雄杯 八街落花生マラソン大会」につきましては、改めて関係者の皆様にご協力を仰ぎ、実施してまいりたいと考えております。特に「小出義雄杯 八街落花生マラソン大会」については、参加を予定していたランナーの皆さん、協賛していただいた皆さんなどから、中止決定についてのご理解と、次回開催を期待するとの多くの暖かいメッセージを頂戴しましたし、なによりマラソン大会を成功させることが、この大会を誰よりも楽しみにし、大会開催にご尽力いただいた亡き小出義雄氏のご恩に報いることだと考えているからでございます。先の実行委員会において、令和2年10月25日の開催が決定されました。改めて実行委員会の皆様、ボランティアの皆様などと共に、この大会が成功裏に終了できるよう、万全の準備を進めてまいりたいと考えております。
本年も昨年と同様、本市を取り巻く状況は依然として厳しい状況にありますが、持続可能な社会の構築、個性を活かしたまちづくりに向けて、「八街市総合計画2015」をもとに、各種施策を推進することによりまして、将来都市像としての『ひと・まち・みどりが輝くヒューマンフィールドやちまた』の実現に向けて取り組んでまいります。
次に、令和2年度の予算編成にあたっての基本的な考え方を申し上げます。 令和2年度の予算編成においては、時代の潮流の変化や多種多様化する市民ニーズに的確に対応した、時代にふさわしいまちづくりを推進するため、その指針となる基本構想と、その具体的施策をまとめた基本計画・実施計画に基づく主要な事務事業に取り組むとともに、特に重点プロジェクトとして位置づけている事業等を優先的に実施し、施策の展開を図る予算編成を行うことといたいました。
そのためには、積極的に各種事業の事業効果について、検討・評価をするとともに、それに基づいて事務事業の見直し、重点化等に不断に努めてゆくことが求められています。
このことから、令和2年度の予算編成にあたっては、厳しい財政状況を認識した上で、限られた財源を有効に活用するため、施策の厳選化と重点化を徹底し、歳入に見合った規模の通年型予算として編成したところでございます。
令和2年度の収支見通しでございますが、まず歳入の主なものとして、税収面では、前年度当初予算と比較して固定資産税が新築家屋の増や償却資産の新設により増額が見込まれるものの、法人市民税の税率の変更に伴う減額や、市たばこ税の販売本数の減少に伴う減額により、市税全体としては若干の減少見込みであること、また、地方交付税については、総務省が発表した地方財政対策の概要において総額が増額となったことから、本市における地方交付税についても増加を見込んでいます。また、国庫支出金については、生活保護費や障害者自立支援給付費及び障害児通所給付費等の扶助費に伴う国庫支出金の増額を見込んでおり、市債では、老人福祉センター整備事業や児童館整備事業、八街南中学校屋内運動場改修事業の実施に伴い、増額となっております。
次に歳出でございますが、前年度当初予算と比較すると、第2庁舎解体事業や図書館整備事業、八街中学校屋内運動場非構造部材耐震改修が終了したことに伴い減額となる一方、新たに老人福祉センター整備事業、私立認定こども園施設整備事業、児童館整備事業、第1庁舎空調設備の更新等に伴う庁舎整備等の大規模事業を予定しています。また、障害者自立支援給付事業費や生活保護費についても、対象者の増等に伴い増額となっております。今後も扶助費などの義務的経費につきましては、増加していくものと思われることから、厳しい財政状況が続くことが予想されます。
特に、昨年の台風15号等の災害対応につきましては、幸い財政調整基金などにより、当面の災害復旧費用や各種支援策の財源は確保できましたが、想定外の莫大な費用負担により、今後の事業計画における財源手当に狂いが生じるなど、財政運営に大きな影響を及ぼしました。こうした点を踏まえまして、今後におきましては、より一層、自主財源の確保や予算の効果的な配分と執行に努め、各種財政指標に留意しつつ、将来にわたり持続可能な財政運営を行ってまいりたいと考えております。
それでは、令和2年度の主要事業の概要につきまして、基本構想の8つの街づくりの分野に沿って説明いたします。
まず始めに、『便利で快適な街』のための主な施策についてでございます。
先にも触れましたが、「道路の体系的整備」「公共交通の充実」につきましては、市民の皆様から非常に高い関心が寄せられています。現在、本市の「八街市地域公共交通網形成計画」は、令和2年度をもって計画期間が終了を迎えることから、この効果検証結果をもとに、本市の地域特性を踏まえた「次期地域公共交通網形成計画」を策定するための予算を計上いたしました。現在、本市で実施しているふれあいバスの今後の在り方のほか、高齢者外出支援タクシーなどの補完的な措置につきましても検討・研究しつつ、利便性の向上と将来にわたり持続可能な公共交通システムについて、本市の実状に沿った適切な計画を策定いたします。
道路整備についてでございますが、八街市の道路事情は、市内各所による慢性的な渋滞の発生などにより、ご不便をおかけしております。これらの改善には市民の要望が非常に強かったものの、残念ながら長年にわたり改善できなかったことから、市内各所の幹線道路整備は、本市にとって大変重要な課題でございました。このような中において、昨年は国道126号沖入口交差点の改良事業が完了し供用開始となったこと、また、国道409号住野交差点の改良に向けても事業に着手し、既に一部の用地買収が終了したことなど、本市南北における主要道路整備に、一定の進展をみた年でもあったと考えております。その他にも、市内中心市街地の混雑を避け、東西に結ぶ八街バイパス事業が順調に進み、残っていた国道409号から大木地先までの約500メートル部分についても、令和2年度の完成に向け着実に進展するなど、八街市の東西南北の幹線道路整備に一定の目途が立ってまいりました。今後は、次の道路整備計画として、本市から西側方面に向かう佐倉インターチェンジにアクセスする道路の整備に注力し、市内全体のバランスのとれた道路整備に努力してまいりたいと考えております。この件につきましては、昨年の知事との意見交換会の席上で、本市の重要課題として、直接知事に要望しているほか、県市長会等を通じても県に対して働きかけているところでございます。来年度予算では、このアクセス道路につきまして、調査経費等の県道神門八街線バイパス整備事業負担金を計上いたします。
これからも市民生活や産業活動を支える道路等につきましては、交通需要や渋滞箇所を把握する中で、計画的な整備を進めてまいります。
次に、本市の都市計画についてでございますが、都市計画マスタープランは、上位計画である八街市総合計画や千葉県の策定した都市計画区域マスタープランと整合を図りつつ、都市の健全な発展のために、道路等の都市施設の整備に関する施策のほか、地域の均衡ある発展と環境との共生、福祉増進のための配慮など、各種の課題に対する施策を含めた都市計画の基本方針を、総合的に定めるものでございます。八街市では昨年、悲願であった榎戸駅整備事業が終了したことにより、市内にある八街駅・榎戸駅の整備が完了いたしました。今後は本市活性化のため、両駅を核とした駅周辺の適切な振興整備が必要不可欠と考えておりますし、佐倉IC、酒々井IC、山田ICなどに接続する市内幹線道路の整備を更に加速させるとともに、幹線道路沿線における計画的な開発・建築の誘導などを通じて、土地の有効活用を促進するなど、市全体のバランスの取れた発展を目指していかなければなりません。また、一方で人口減少・少子高齢化に伴い、効率的な財政運営の下で住民意識の多様化に対応した都市行政の実践が求められています。このことから、本市の将来の都市計画の指針となる「八街市都市計画マスタープラン」を令和2年度から2カ年をかけて策定するための予算を計上いたしました。
次に2つ目の『安全で安心な街』のための主な施策についてでございます。
「災害は忘れた頃にやって来る」、自然災害はその被害を忘れたときに再び起こるもの、そのための事前の備えを怠るなとの戒めの言葉がありますが、昨年の台風15号など一連の災害は、本市において過去に経験したことのない災害であり、本市防災計画の想定を超えるものでございました。現在、被災者の生活再建を最優先に各種施策を進めており、特に被害の大きかった農業に対しては、被災農業施設等復旧支援事業により、農業用施設や機械の再建・修繕等の支援を実施しております。住宅被災者に対する支援として、全壊・大規模半壊家屋を所有する方に対しては、被災者生活再建支援法に基づく支援や、一部損壊と判定された住宅を修繕する場合には、災害救助法の応急修理や住宅修繕緊急支援事業の支援も実施しております。その他、各種施策も含めて、市民の皆様が一日でも早く、従来の生活を取り戻せるよう、今後も速やかに必要な支援をしてまいりたいと考えております。また併せて、今回の災害を教訓に、停電が長期かつ広域的に発生した場合における対応等につきましても、地域防災計画の見直しの中で、早期に取り組んでまいりたいと考えております。
大規模自然災害等に備えるため、事前防災・減災と迅速な復旧・復興に資する施策を、まちづくり施策等も含めた総合的な取組として計画的に実施するため、国土強靱化地域計画を策定いたします。
市役所庁舎につきましては、平成30年度に庁舎の耐震化を実施し、防災拠点としての機能強化を図ったところでございますが、令和2年度では、今後も継続して施設を利用するための長寿命化計画の策定と、併せて、市役所第1庁舎につきまして、防災拠点としての機能強化や、来庁者や職員の健康等に留意した執務環境を整備するため、空調設備を更新するための予算を計上いたしました。また、地域防災活動の担い手である消防団の団員に対して、火災出動手当を増額することにより、待遇の改善を図ることといたします。
次に3つ目の『健康と思いやりにあふれる街』のための主な施策についてでございます。
子育て支援にかかる令和2年度の主な事業でございますが、まず児童館につきましては、今年度にパブリックコメントの結果等を参考に実施設計を行ったところでございます。当初の予定では、今年度中に建設工事等についても着手する予定で計画しておりましたが、国庫補助金を確保するため県の担当課と協議を重ねた結果、建設工事等は令和元年度からの継続費とするよりも、令和2年度の単独事業とし、その財源として国庫補助金を申請したほうが、補助金の交付が確実に受けられるとの結論に至りました。このことから、令和元年度に予算計上した継続費については、これを廃止し、建設工事費等は全額令和2年度当初予算に振り替えて計上することといたしました。なお、これによりまして、来年4月の児童館の開館予定が遅れるものではございませんのでご理解をお願いいたします。
近年、核家族化が進行し、産前・産後の母親が孤立感を抱きやすくなっています。そうした育児不安が高じて、うつの発症や自殺、子どもへの虐待につながる恐れがあることから、産前・産後の母親のメンタルヘルスケアや児童虐待の効果的な予防のためには、妊娠期から子育て期に至るまで、切れ目のない支援が極めて重要なものと考えております。令和2年度から、このような家族等から家事又は育児の支援が受けられない方などを対象に、心身の状態に応じた保健指導や療養に伴う世話、育児指導、相談、その他の援助を行い、産後も安心して子育てができるよう、必要に応じて助産師、保健師などを配置する産後ケア事業を開始いたします。
待機児童解消対策として、私立八街泉幼稚園が令和3年度に認定こども園に移行するための施設整備に対して、経費の一部を補助することにより、子育て支援環境の充実を図ってまいります。この認定こども園の開設によりまして、0歳児から5歳児まで、48名の児童に対して新たに保育の場を提供することが可能となります。
現在、中学生まで実施しております子ども医療費助成制度につきまして、さらに子育て世代の支援の充実を図るため、高校生等までの医療費を助成し、経済的負担を軽減することといたしました。高校生等までの医療費助成制度は、市民の皆様からも要望があり、子育て世代の関心の高い事業でございました。子育て世代が安心して子どもを生み育てる環境整備を図るため、市内在住の高校生等までを対象に、令和2年8月1日以降の診療分から医療費の助成を開始いたします。
老人福祉の向上を図るための施設として、多くの皆様にご利用いただいている老人福祉センターでございますが、築40年以上を経過し、施設全体に老朽化が進み、利用者の皆様にご不便をおかけしております。このことから、施設の大規模改修を実施するため、本年度に実施設計を行ったところであり、令和2年度には、この設計に基づいて大規模改修工事の予算を計上いたしました。完成のあかつきには、施設全体のバリアフリー化が図られるとともに、壁、床、窓、トイレ、お風呂などをリニューアルすることになりますので、高齢者のどなたでも使いやすい施設に生まれ変わるものと考えております。
健康づくりは生涯を通じて行う必要があり、まずは自らが主体的に行うことが基本ではありますが、併せて地域と連携しながら年代ごとの健康課題に適切に対応していくことも重要であると考えております。このことから市では、市民の健康づくりを継続的に支援するため、令和2年度予算において、健康寿命延伸を目的として、65歳以上の方を対象とした介護予防教室の充実を図ってまいります。
また、令和2年度では、障がいをお持ちの方の総合相談窓口として、基幹相談支援センターを設置いたします。
次に4つ目の『豊かな自然と共生する街』のための主な施策についてでございます。
平成15年に建設したクリーンセンター焼却炉は、経年により老朽化が進んでいる一方、当分の間は既存施設を利用していかなければならないことから、排出されるゴミを適正に焼却処理できるよう計画的に補修や修繕をする必要があります。このため令和2年度予算では、循環型社会形成推進交付金を活用し、施設性能を維持しつつ延命化を図るための計画を策定することといたしました。また、人が社会生活を営むうえで、生活に伴って発生する不要物の排出は避けて通れませんが、その発生を最小限に抑制することは可能でございます。今までも市民、事業者との連携・協力により、ゴミの減量化に一定の成果がありましたが、今後も引き続きリサイクルの推進、分別収集の徹底などの取り組みを推進することによりまして、できるだけ資源として適正に利用し、環境への負荷が低減された資源循環型社会の構築に努めてまいります。
平成25年に水銀による環境汚染防止を目指した「水銀に関する水俣条約」が、国連環境計画の外交会議で採択・署名され、これを受けて国内では、平成27年に「水銀による環境の汚染の防止に関する法律」が公布されました。これにより一般照明用の高圧水銀灯については、令和2年末をもって製造等が禁止となりました。八街中央公園は昭和52年に設置されて以来、水銀灯を照明として使用しておりましたが、水銀灯の製造が終了することや、照明灯の長寿命化・省電力化を図るため、22基の照明灯につきまして、全てLED化することといたしました。
次に5つ目の『心の豊かさを感じる街』のための主な施策についてでございます。
まず、子どもの教育・健全育成の充実についてでございますが、教育施設では、安全性に配慮した計画的な改修・整備を推進しているところであり、令和2年度には、老朽化に伴う笹引小学校屋内運動場の床の張り替え、八街南中学校屋内運動場の屋根と床の大規模改修工事を実施して教育施設の改善を図ってまいります。
情報化や国際化など時代に即した教育の推進を図るため、昨年に千葉工業大学と締結いたしました協定に基づいて、令和2年度から導入される小学校のプログラミング教育の実施に併せ、大学と八街市教育委員会との関係の深化を図ってまいります。文部科学省は、先に全国市町村の教育委員会を対象に、教員がプログラミング教育に関する研修を受けたり、模擬授業を行ったりなど最低限必要な準備を行っているかを調査した結果を公表しました。この報道によると、小学校のプログラミング教育必修化における準備は、都道府県により大きなバラツキがあることがわかりました。また、教える立場にある教員も、必修化に伴い不安感を持っているとの報道もありました。本市における小学校プログラミング教育の準備はできておりますが、千葉工業大学との協定に基づくICT教育の連携・協力体制の構築は、4月以降の本市教育行政の円滑な実施の一助になるものと考えております。
次に自ら学ぶ生涯学習・スポーツの推進についてでございます。本市では「生涯学習推進計画」を策定し、いつでも、どこでも、だれでも学ぶことのできる生涯学習社会の形成を目指し、さまざまな学習活動の支援と学習成果を活かすことのできる機会づくりに努めています。また、スポーツ・レクリエーション活動に親しむ機会の拡充を図り、市民の充実感ある生活と健康づくりを促進しているところでございます。令和2年度では、中央公民館の大会議室の屋根の改修、照明灯のLED化、南棟1階トイレの一部について洋式化を図り、利用者の利便性向上を図ってまいります。スポーツプラザメインアリーナ・サブアリーナにつきましても、照明灯をLED化するための実施設計を行うなど、今後も省エネルギー化を図り、環境に配慮した低炭素社会を推進してまいります。
本年夏に開催されます東京オリンピック・パラリンピックにつきまして、本市出身で出場が有力視されている空手組手の植草歩選手、パラバドミントンの里見紗李奈選手に対して、市民全体で応援するためにパブリックビューイングの予算を計上いたしました。市民の皆様と共に二人がオリンピック・パラリンピックの舞台で大活躍できるよう、全員が心を一つにして精一杯の応援をしてまいりたいと考えております。
次に小出義雄杯八街落花生マラソン大会についてでございます。既に触れたとおり、先の実行委員会において、令和2年10月25日に開催することが決定されましたので、令和2年度当初予算においても必要な経費を計上いたしました。市の活性化のための大変重要なイベントと捉えておりますので、議員の皆様におかれましても、大会開催にあたり機運を盛り上げるため、昨年同様ご協力をお願いいたします。
次に6つ目の『活気に満ちあふれる街』のための主な施策についてでございます。
昨年の台風等による災害により、本市の基幹産業である農業は、甚大な被害を被りました。現在、その復旧に向けて農家の皆さんとともに市役所としても努力しているところでございます。被災直後は農業経営の廃止・縮小が懸念されましたが、幸い、国・県からも手厚い支援を頂けることとなり、被災された多くの農家の皆さんも、今は再建に向けて前向きな気持ちで取り組んでいただいております。現在、暴風雨により壊れた農業用ビニールハウス等の撤去は概ね終了しており、新たなビニールハウスの再建に向けて動き出しています。立て替えにあたり、残念ながらハウス栽培の西瓜には影響を免れませんが、本市農業経営における収益の柱の一つであるトマトについては、その作業の開始が6月頃からでございますので、それまでには再建できるよう、農家の皆さんも準備を進めていると聞いております。被災農家等に対する支援策については、本年度の補正予算において、議会のご了承をいただき実施しているところでございますが、令和2年度におきましては、今後の災害に備え、農業ハウスの強靱化を行う農業者に対し、補助金を交付することによりまして、施設の耐久性を強化した、災害に強い施設園芸産地づくりを進めてまいります。
まちに賑わいをもたらす産業の振興策として、本市の特色を活かし、地域イメージを向上させる地域資源の活用や発掘、地域ブランドの普及促進に努めてまいります。地域ブランドとして確立された「八街産落花生」につきましては、昨年、皇嗣となられた秋篠宮家に6年連続で献上させていただきました。秋篠宮様からは、「いつも結構なものをありがとう。昨年の災害に対してお見舞い申しあげます。」とのお言葉を頂戴いたしました。一昨年まで6年連続で安倍総理にも贈呈しておりましたが、昨年は臨時国会や外遊などで総理の日程が取れず、官邸にお伺いできなかったものの、総理もこの件について非常に気にかけていただいているとのことでございますので、今年は改めて日程を組んでお伺いする予定で考えております。本市のもう一つの名産品である生姜を活用し、行政と関係団体の連携により開発・販売された「八街生姜ジンジャーエール」は、新たな地域ブランド品として確立し、コミュニティビジネスの成功事例となっております。このように地元産業を持続的に発展させるには、高品質・高付加価値のブランド化を発掘・推進する必要があります。現在、本市のぶどう農家が自家製のワイン醸造を行うため、酒税法により規制されている製造免許の例外が認められるよう、国家戦略特別区域法に基づく、いわゆる特区申請を行っており、ぶどうの生産者として、製造・販売まで行う6次産業化を目指しています。生産から加工、販売までの産業を融合化し、新たな価値を生み出す「6次産業化」などの創業に向けた取り組みにつきましては、今後につきましても、引き続き各種支援を継続してまいりたいと考えております。
また、昨年は災害の影響で開催できなかった落花生まつりにつきましては、改めて関係者のご支援をいただき、賑わいのあるイベントとして開催できるよう、令和2年度に必要な予算を計上させていただきました。そのほか、民間施設であるドギーズアイランドとも連携し、八街市内への誘客を図るなど、今後も様々な活動、機会を通じて、八街市のPRに努め、本市の活性化に取り組んでまいりたいと考えております。
次に7つ目の『市民とともにつくる街』のための主な施策についてでございます。
人口減少・少子高齢化が進む本市において、持続可能なまちづくりを実現させていくには、市民の皆様と行政による自助・共助・公助による様々な活動とともに、これら活動主体が単独ではなく連携、協力する「協働」の推進が重要でございます。本市では、2017年から新たに市民協働推進課を設置し、「八街市協働のまちづくり条例」の制定、「八街市協働のまちづくり推進計画」の策定など、市民協働型の市政の実現に向け、積極的に取り組んでいるところでございます。
昨年の一連の災害は、まだ記憶に新しいところでございますが、大規模な災害が発生したなか、市議会議員の皆様や、区長をはじめとした区役員、消防団、各種団体、発災直後に駆けつけてくださった多くのボランティアの皆様に様々なご協力をいただきました。災害の中にあっても秩序を失わず、大変なときこそ助け合う精神、他人を思いやり困った人達を助けようという姿勢、今回の災害に対する皆様の行動をみるにつけ、共助の大切さを改めて痛感したところでございますし、市民と行政が共に協力し合い、連携して地域の困難に立ち向かう「協働」の重要性を再認識したところでございます。
令和2年度では、地域コミュニティ活動の拠点整備のため、地区集会所施設の改修及び修繕費に対し、助成するための予算を計上いたしました。市では、誰もが住みやすい安全・安心なまちづくりを実現するために、今後も多くの市民の皆様に積極的に本市のまちづくりに関わっていただきたいと考えておりますし、まちづくりのパートナーとして期待しているところでもございます。
最後に8つ目の『市民サービスの充実した街』のための主な施策についてでございます。
現在、第2庁舎を解体しているところでございますが、第2庁舎解体後の土地の有効利用を検討するにあたり、解体に伴う組織や機能の移動により、市役所敷地内の庁舎に不足する機能はないか、支障は生じていないかなどの現状の庁舎の問題点を洗い出し、問題があった場合は改善するための方法について検討する必要があります。また、将来的な課題として、課の統廃合など組織の見直しや、市民の皆様にとってより利便性の高い窓口サービスを提供するためのレイアウトの見直し、さらに効率的な業務を遂行するために、職員の執務環境についても検討する必要がございます。今後の市役所敷地内の建物の在り方として、第2庁舎解体後の土地の有効利用を考えるための基礎資料の収集を目的に、令和2年度予算において執務環境の調査業務予算を計上いたしました。今後は、この基礎資料を基に、市民の皆様、議員の皆様のご意見を参考に、第2庁舎の跡地利用につきまして、慎重に検討してまいります。
以上、令和2年度の主な施策につきまして説明させていただきました。
次に当初予算とは直接関係するものではございませんが、中国湖北省武漢市を中心に発生しました新型コロナウィルスについてでございます。日本国内でも訪日中国人の感染者が確認されて以降、日に日に感染者が増加し、現在、日本人にも感染者が出るなど感染が拡大しております。先にWHOは、世界的な感染の広がりから、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」との宣言を出しました。八街市内では、観光で訪れる訪日中国人と直接接触する機会は少ないと思われますが、本市に近接する酒々井アウトレットモールには、インバウンドの中国のお客様が多く訪れ、また、八街市民の方も働いていることから、決して人ごとではございません。
現在、国・県において、検疫所、保健所、感染症指定医療機関との連携により、水際で止めるよう感染拡大防止に努めています。本市におきましても、「八街市新型コロナウィルス感染症対策本部」を立ち上げ、相談窓口を設置するとともに、庁内の情報共有等を図り、千葉県とも密に連携しながら、迅速で正確な情報提供に努めてまいります。
市民の皆様におかれましては、風邪や季節性インフルエンザと同様に、咳エチケットや手洗いなど、一人ひとりが通常の感染症対策を実施することがとても重要です。公的機関が発表する最新の情報に留意するとともに、武漢市から帰国・入国された方あるいはこれらの方と接触された方は、事前に医療機関へ申告した後に受診するなど、ご協力をお願いいたします。
体感的にはまだまだ寒い日が続いておりますが、暦の上では立春が過ぎ、春は日に日に近づいています。今年は暖冬のせいか、ふきのとうも例年より早く顔を出しましたし、水栽培のヒヤシンスの芽も青く膨らみ、葉の奥に蕾が隠れていて、すぐそこに春を感じさせます。
先にも申しあげましたとおり、本年は私が市長に就任して10年目を迎える年でございます。この間、多くの皆様のご支援をいただき、市長の職責を果たしてまいりましたが、市長として私が常に心掛けていたことは、組織の上に立つものは、権力の行使に慎重かつ抑制的でなければならないということでございます。市長としての経験を重ねるにつれ、実るほど頭を垂れる稲穂のように、耳に痛い言葉にも感謝の気持ちをもって真摯に耳を傾けること、そして刹那的な感情より大局的な未来を優先し、市政運営にあたるということでございました。
昨年、天皇陛下は即位に際して、「皇位を継承するに当たり、上皇陛下のこれまでの歩みに深く思いを致し、自己の研鑽に励むとともに、常に国民を思い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としての責務を果たすことを誓い、国民の幸せと国の一層の発展、そして世界の平和を切に希望します。」とのお言葉を述べられました。
私も日本国民の一人として、また八街市長として天皇陛下のお言葉を胸に刻み、八街市の発展のために努力してきた先達に敬意と感謝の気持ちを持ちながら、常に市民の皆様に寄り添い、様々なご意見を拝聴しながら、千代に八千代に八街市がすばらしい街と誇れるよう、八街市民の幸せと一層の発展のため、誠心誠意、より良いまちづくりの実現のため努力してまいります。
春の訪れとともに、もうすぐ令和2年度の新たなまちづくりがスタートすることになります。
これからも本市のまちづくりを皆様とともに進めてまいりたいと考えておりますので、ここに改めて市民の皆様並びに議員各位の一層のご理解とご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げまして、令和2年度の市政運営方針といたします。
私は、昨年11月の市長選挙において、皆様のご支援をいただき、無投票で、再度、市長の任に就くこととなりました。3期目のスタートに当たっての今後の市政運営につきましては、昨年12月議会で所信を表明したところでございますので、詳細については省かさせていただきますが、私の2期8年の市政運営の基本理念は、市民の皆様の声を聴き、協働してまちづくりを進めていくということでございました。今後におきましても、この基本的な考えのもとに、引き続き市民の声を大切にしたまちづくりを進めてまいりたいと考えておりますので、市民の皆様、議員の皆様にはご理解・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
本市では、市の最上位計画である「八街市総合計画2015」をもとに八街市の産業の振興、人口減少対策、魅力発信、地域の活性化など、故郷八街のまちづくりに取り組んでおります。現在、八街市総合計画に基づき2020年からの後期基本計画を策定するための作業を進めているところでございまして、これに関連して、昨年実施しましたまちづくりに関する市民意識調査では、これからのまちづくりについて、多くの市民の皆様から様々なご意見を頂戴いたしました。この中では、今後、まちづくりを進める施策として一番要望の多かったものは「道路の体系的整備」で、その他、要望の高かったものとして「公共交通の充実」「子どもの教育の充実」など、様々なまちづくりに対する期待が寄せられたところでございます。
このような中、本市の悲願でもありました榎戸駅自由通路及び橋上駅舎が本年1月21日から供用開始となり、市民の皆様の利便性向上を図れたことは、大変、喜ばしい出来事でございました。今後におきましても、国道126号沖入口交差点改良事業、八街バイパスの全線開通、住野十字路交差点改良事業、小中学校の空調設備整備事業、児童館の建設など、まずは現在、早期完成を目指して進めている事業、また計画決定している事業につきまして、着実に進捗するよう一層の努力をしてまいりたいと考えております。
本年も昨年と同様、本市を取り巻く状況は依然として厳しい状況にありますが、持続可能な社会の構築、個性を活かしたまちづくりに向けて、「八街市総合計画2015」をもとに、着実に各種施策を推進することによりまして、将来都市像としての『ひと・まち・みどりが輝くヒューマンフィールドやちまた』の実現に向けて取り組んでまいります。
次に、平成31年度の予算編成にあたっての基本的な考え方を申し上げます。
平成31年度の予算編成においては、時代の潮流の変化や多種多様化する市民ニーズに的確に対応した、時代にふさわしいまちづくりを推進するため、その指針となる基本計画・実施計画に基づく施策の展開を図る予算編成を行いました。また、八街市第2次行財政改革プランでは、財政指標の改善として、経常収支比率の抑制を掲げていることから、歳入の確保及び経費の削減のため、積極的に各種事業の効果等を検証のうえ、それに基づいた事業の見直し、重点化等に努めていくことといたしました。
平成31年度の収支見通しでございますが、まず歳入の主なものとして、税収面では、前年度当初予算と比較して、たばこ税の減収が見込まれるものの、個人住民税所得割や固定資産税償却資産分の増収が見込まれるため、市税全体としては増収となる見込みであること、また、地方交付税については、総務省が発表した平成31年度地方財政対策で、その総額が増額となったことから、本市における地方交付税についても増加を見込んでいます。一方で、国庫支出金については、榎戸駅整備事業や第1庁舎耐震補強等工事が終了を迎えたこと、また、市債では、榎戸駅整備事業の終了や、地方財政対策において、地方の財源不足が縮小したことに伴い、臨時財政対策債が前年度から抑制されたことなどにより減額となりました。
次に歳出でございますが、前年度当初予算と比較すると、榎戸駅整備事業や川上小学校の空調設備整備事業が終了したことに伴い減額となる一方、新たに第2庁舎解体、八街中学校屋内運動場非構造部材耐震改修、児童館の建設、図書館空調整備等、大規模事業を予定しています。また、扶助費などの義務的経費につきましても、今後も増加していくものと思われることから、厳しい財政状況が続くことが予想されます。
こうした点を踏まえまして、平成31年度の予算は、限られた財源を有効に活用するため、施策の厳選化と重点化を徹底し、歳入に見合った規模の通年型予算として編成をしたところでございます。
今後とも、自主財源の確保や予算の効果的な配分と執行に努め、経常収支比率など各種財政指標に留意しつつ、将来にわたり持続可能な財政運営を行ってまいりたいと考えております。
それでは、平成31年度の主要事業の概要につきまして、基本構想の8つの街づくりの分野に沿って説明いたします。
まず始めに、『便利で快適な街』のための主な施策についてでございます。
先にも触れましたが、榎戸駅につきましては、去る1月17日に竣工式典を実施し、21日から供用開始となりました。本市の悲願でありました榎戸駅の橋上化、東西自由通路の新設等により、榎戸駅の利便性は格段に向上することとなり、市民の皆様にとって大変使いやすい駅になったものと考えております。ここに改めまして、建設にご尽力いただきました榎戸駅周辺地区の皆様をはじめ関係各位に対して、深く感謝の意を表する次第でございます。なお、旧駅舎の撤去、西側駅前広場の整備などが残ってはおりますが、早期完了に向けて、引き続き努力してまいりたいと考えております。
八街バイパスは、全線開通まで残すところ国道409号から大木地先までの約500メートルとなっており、今後千葉県では、2020年度の開通を目標に事業を進めておりまして、既に一部工事に着手しています。また、現在、暫定2車線で供用しております区間につきましても、早期に4車線化が図れるよう努力してまいりたいと考えております。
国道409号住野十字路交差点改良につきまして、千葉県では、2021年度から2023年度までの間に開通できるよう事業を進めていく予定となっております。昨年11月には私も出席して地元説明会を開催しており、地権者等の基本的な合意も得られていることから、早期に事業が進捗するよう、今後も強く働きかけてまいりたいと考えております。
佐倉インターチェンジへのアクセス道路の整備については、平成31年度の予算に、千葉県が行う認可取得のための負担金を計上しました。県道神門八街線は、八街市から佐倉市街地方面へ東西を結ぶ主要幹線として、また、佐倉インターチェンジへ接続するアクセスとして、以前から本市道路整備の主要な課題でもありました。佐倉第3工業団地内の整備が完了している佐倉都市計画道路3・4・20号岩富・海隣寺線を八街方面に延伸し、さらに八街都市計画道路3・4・3号八街・神門線を整備し接続することができれば、県道神門八街線のバイパスとして、渋滞解消、歩行者の安全確保と共に、周辺地域の活性化にも資するものと考えております。県道神門八街線バイパス整備につきましては、佐倉市、八街市の共通する地域課題として認識を共有しておりますので、佐倉市と連携をとりながら引き続き千葉県に要望してまいりたいと考えております。
本市では、市民代表などで構成されている八街市地域公共交通協議会において、地域公共交通網形成計画及び地域公共交通再編実施計画を作成しており、定期的な見直しを実施して、本市にあったより良い公共交通の充実・強化を図っています。平成31年度では、2020年度における形成計画等の見直しに当たり、その基礎資料とするための交通調査の経費を計上いたしました。
これからも市民生活や産業活動を支える道路等につきましては、交通需要や渋滞箇所を把握する中で、計画的な整備を進めてまいります。
次に2つ目の『安全で安心な街』のための主な施策についてでございます。
災害は、いつ発生するかわかりませんし、災害の規模によっては、道路の寸断や救助・救援要請の集中により、行政機関による救助活動等の早期実施が困難となることが想定されます。このような事態が発生したときには、それぞれの地域内で協力して、お互いの命や財産を守る共助の意識が大変重要となります。このことから、市では、自主防災組織の設立について地域に呼びかけているところでございまして、平成31年度には新たに5カ所の設立を見込んでいることから、必要な資機材等の支援をすることといたしました。これからも地域の防災対策には、地域住民の皆様の協力が不可欠でございますので、積極的に自主防災組織の設立・強化に努めてまいります。また、本市の消防防災活動は、常備消防機関と共に非常備消防組織である地域の消防団員に依るところが大変大きいのが実状でございます。一方で、消防団員は深刻な人手不足であることから、平成29年度からは、女性の消防団への加入を推進しているところでございます。平成31年度は、消防団活動の充実とともに人材育成を図るため、女性消防団員を対象とした消防教育訓練の研修費用を計上いたしました。
防災対策として、市役所庁舎の改修等につきましては、平成30年度に庁舎の耐震化を実施し、防災拠点としての機能強化を図ったところでございます。平成31年度につきましては、引き続き、第1庁舎の空調設備更新を行うための実施設計業務を計上したほか、第2庁舎の解体工事を予算計上いたしました。
次に3つ目の『健康と思いやりにあふれる街』のための主な施策についてでございます。
子育て支援にかかる平成31年度の主な事業でございますが、まず児童館につきましては、今年度に土地の測量、基本設計を実施したところでございまして、この基本設計をもとに去る1月4日から2月3日にかけてパブリックコメントを実施いたしました。平成31年度には、パブリックコメントの結果等を参考に実施設計業務を行い、その後、建設工事に着手して、2020年12月に供用開始できるよう準備を進めてまいります。子供たちが地域のなかで自由に遊び、安全に過ごすことのできる居場所とともに、生きる力を創出する交流・体験を通じて、情操を豊かにするための活動拠点となることを期待しているところでございます。
朝陽学区における児童クラブにつきましては、現在、第一から第三までの3児童クラブで合計90名を定員として運営しておりますが、既存施設の老朽化や、小学校から児童クラブまでに距離があり交通事故等の危険があることなど、この解消が課題となっていたところでございます。このことから、平成31年度予算では、朝陽小学校の余裕教室を活用し、定員を90人から100人に増やした新たな児童クラブを整備する予定でございまして、本年12月の開設を目指して準備を進めてまいります。その他、老朽化している交進保育園の屋根を改修するための工事費等を計上したほか、私立小規模保育事業所の新設に対する助成も実施いたします。
高齢者福祉の充実として、まず、老人福祉センターにつきましては、本市地域防災計画において、福祉避難所の指定を予定しており、年度内に指定するため準備を進めております。一方、この施設は、昭和53年に開館し築40年となることから、施設全体が老朽化しております。このことから、高齢者の皆様の集いの場所である老人福祉センターの長寿命化と、福祉避難所としての施設整備とを併せて図るため、大規模改修を実施することといたしました。平成31年度に実施設計、翌年度に改修工事を実施できるよう準備してまいります。なお、南部老人憩いの家につきましても、空調設備を設置・更新して、施設の利用環境を整備いたします。
高齢化の進展に伴い、高齢者サービスの需要はますます高まっている一方、デイサービスやショートステイなどのサービスを提供できる施設は限られているのが現状でございます。支援を必要とする高齢者や家族の要望に応えるため、小規模多機能型居宅介護事業所の建設に対して助成し、サービス体制の充実を図ってまいります。
ねたきり身体障害者(児)入浴サービスについては、現在、希望する方からの申出により、週1回のサービスを提供しているところでございます。しかし、利用者及び家族から利用回数を増加してほしいとの要望が高いことから、週の利用回数を1回から2回に増加することにより、支援の充実を図ってまいります。
健康づくりの支援策として、現在、人間ドック助成の対象者は、本市国民健康保険に1年以上継続加入している者との条件を付していますが、人間ドックは、市民の皆様自らが疾病予防や早期治療に繋げ、健康の保持増進を図ることを目的としていることから、健康意識の高い方に対し切れ目なく助成できるよう、加入要件を撤廃し支援の充実を図ります。また、特定健康診断を受診していない方を対象に、人工知能を利用した受診の勧奨を行うことにより、受診率の向上を図り、疾病の早期発見・早期治療につなげてまいります。
次に4つ目の『豊かな自然と共生する街』のための主な施策についてでございます。
けやきの森公園については、美しい自然を活かした市民の憩いの場とともに、本市防災計画において避難場所として指定されていることから、今年度は、国道409号からの進入路拡幅工事と、防災用井戸の設置工事を実施しているところでございます。平成31年度につきましては、一層の防災機能の充実を図るため、LED園路灯の整備と共に、北側道路の拡幅及び駐車場を整備するための経費を計上いたしました。
市営住宅につきましては、一番新しい長谷団地でも、建設から30年以上が経過しており、建物の老朽化が進んでいます。安全で快適な住まいを長期間にわたって確保するため、予防保全的な観点から修繕や改修の計画を定めた本市公営住宅長寿命化計画に基づき、平成31年度では長谷団地の外壁の塗り替え、九十九路団地の屋上防水工事を実施いたします。なお、併せて九十九路団地につきましては、入浴設備の設置も引き続き継続し、居住環境の改善を図ってまいります。
次に5つ目の『心の豊かさを感じる街』のための主な施策についてでございます。
まず、学校教育施設の整備についてでございますが、新年度予算とは直接関係しないものの、小中学校空調設備の整備については、平成31年度中に全教室に設置することで、既に議会においてもご了承いただいているところでございます。子供たちや父兄の皆様も非常に関心の高い事業でございますので、平成31年度中に、この計画を着実に履行できるよう努力してまいりたいと考えております。併せて、八街中学校の屋内運動場の非構造部材の吊り天井の撤去、その他非構造部材の耐震改修等の工事を実施いたします。
学校教育の充実についてでございますが、本市ではICTの特徴をより活かした学習を可能とするため、パソコン教室の既存デスクトップパソコンを、機能的に優れ軽量で持ち運びも可能なタブレット端末に更新しています。平成29年度に市内小中学校13校のうち7校を更新したところでございますが、平成31年度には、残り6校につきまして、同様にタブレット端末に更新するための経費を計上いたしました。これにより市内全ての小中学校にタブレットが導入されることとなりますので、学習環境の改善とともに、子どもたちの学力向上に繋がることを期待しているところでございます。
本市教育センターでは、幼児・児童・生徒の望ましい成長の支援を目的に、教育の諸課題についての調査研究・教職員の研修等を行っています。平成31年度には、職員を専任で配置して教育センターの機能を強化し、学校教育の充実及び振興を図ってまいります。
近年、急速な少子化の進行、児童虐待に関する問題などが深刻化しています。学校においても、子どもが抱える問題が複雑・多様化し、不登校の増加や少年非行の低年齢化といった現象が起こっています。こうした背景には家庭環境が少なからず影響しており、虐待や育児放棄、経済的な困窮など深刻な問題がその大きな要因であると考えられます。このような困難を抱えた子どもたちへの有効な支援を通して、様々な問題に対処するため、平成31年度からスクールソーシャルワーカーの勤務を、現在の週2回から週3回へ増やし、教育相談に関する支援体制の一層の充実を図ります。
社会・経済環境の変化に伴い、共働きなどで親が日中留守にする家庭世帯等が増えています。本市では、放課後や週末に子供たちの居場所をつくるため、児童クラブの充実を図っているところでございますが、併せて、小学1,2年生を対象に、放課後子ども教室を開設し、子供たちの放課後等の居場所づくりととに、学習やスポーツ・文化芸術活動、地域住民との交流活動など、子どもたちが地域社会の中で、心豊かで健やかに育まれる環境づくりを進めております。平成31年度では、川上小学校と朝陽小学校に放課後子ども教室を開設するため、準備を進めてまいります。
市民マラソンは、最近の市民の健康指向とともに、自治体のPRも兼ねて多くの大会が開催されています。本市におきましても、八街市内での開催に向け、市民有志が大会実行委員会を立ち上げて、その実現に努力をしていただいておりました。昨年末には、私が実行委員会の皆様と共に小出義雄氏宅に出向き協力をお願いしたところ、八街市でのマラソン大会開催に全面的に協力するとともに、小出氏の名前を冠した大会名とすることにつきましても快諾いただいたところでもございます。この大会は市民の側から八街市の活性化等に繋がるイベントとして開催が持ち上がったものであり、八街市のPRも兼ねた大変有難いイベントでございますので、市としても実行委員会、教育委員会と連携して、「小出義雄杯八街落花生マラソン大会」が、盛大に開催されますよう支援・協力してまいりたいと考えております。
図書館につきましては、平成3年の開館以来、時間の経過と共に老朽化が進んでいます。また、図書館は学習等の場として多くの市民の皆様に利用いただいておりますが、現状は、空調の不具合等により、落ち着いて勉強や読書などに集中できる環境にはなく、図書館としての機能が十分果たせているとは言い難い状況にあります。特に昨年夏の猛暑時には、市民の皆様に大変なご不便、ご迷惑をおかけいたしました。このことから、平成31年度では、カーペットの張り替えとともに空調設備を更新することによりまして、図書館内の環境整備を図ってまいります。
次に6つ目の『活気に満ちあふれる街』のための主な施策についてでございます。
地域の賑わいは、農・商・工業のバランスのとれた産業の活性化が必要不可欠でございます。特に本市では農業を基幹産業と位置づけており、落花生、生姜、人参、里芋、西瓜などの農産物はもとより、農産物から派生した商品を加工・販売する工場、商店などにより賑わってきた街でもあることから、農業振興は、本市活性化にとって大変重要な課題であると認識しています。
また、本市は北総台地の中央に位置し、気候も温暖で、野菜の栽培に適した広大な優良農地を有しているため、古くから首都圏に近接する生鮮野菜等の供給基地として発展してまいりました。しかし、現状は、農業後継者の減少や農業従事者の高齢化等により農産物の生産を支えてきた優良農地の荒廃が進んでいます。そこで、耕作放棄地の解消に貢献する担い手で、農地を集積し、経営規模の拡大を図る意欲のある農家に対し、農産物の生産出荷に必要な農業機械等の整備を支援してまいります。また、農家からの多種多様な相談に対して、千葉県農業者総合支援センターと連携を図りながら、農家に対する支援に積極的に取り組んでまいります。
昨年の落花生まつりには、森田千葉県知事をはじめ多くの来賓をお招きして、落花生の新品種Qなっつのお披露目とともに、八街生姜ジンジャーエールやその他の農産物等の試食・販売も併せて実施したところ、大変盛会裏に終了することができました。平成31年度では、昨年の落花生まつりを検証し、反省を踏まえた上で、さらに内容の充実を図って実施するため、必要な予算を計上いたしました。今後も継続して実施することによりまして、八街市の目玉イベントとして定着させてまいりたいと考えております。
民間企業ではありますが、本市小谷流地区に総敷地面積約200万へーホーメートル、都心から気軽にアクセスできる里山で、第2のふる里づくりをテーマにした「小谷流の里プロジェクト」が進められており、その先駆けとして誕生したのが、「小谷流の里 ドギーズアイランド」でございます。国内最大級の天然芝を敷き詰めたドッグランなど、愛犬同伴で遊びくつろぐ憩いの施設として、大変多くの来場者をお迎えし人気を博しております。その他、温浴施設の完成も間近に控え、今後も多彩な花木と美しい緑、豊かな里山の自然の中に、果樹園やバラ園、ビオトープ、さらにグランピングやキッズゾーンなどが計画されており、幅広い世代の人々が憩うリゾートを目指しています。また施設内では本市農産物の直売や、レストランでは八街産野菜等を食材とした食事を提供するなど、様々なご協力をいただいているところでございます。観光資源の少ない本市にとりまして、「小谷流の里プロジェクト」は、今後の本市観光の振興を図る上で、大変重要な施設となるものと考えておりますので、施設と連携を図ることにより、八街市内への誘客や本市農産物等の販売促進に繋げてまいりたいと考えているところでございます。
今後も様々な活動、機会を通じて、八街市のPRに努め、本市の活性化に取り組んでまいりたいと考えております。
次に7つ目の『市民とともにつくる街』のための主な施策についてでございます。
八街市では、市民の皆様をはじめ、区や自治会、事業者、行政など八街市に関わるすべての人々が協力・連携し、住み続けたいと思えるまちづくりに取り組む「協働のまちづくり」を推進しています。人口減少・少子高齢化が進むとともに地域のつながりが薄れるなど、私たちを取り巻く環境は大きく変化しつつあります。このような状況の中で、住み続けたいと思える街にするためには、八街市に関わるすべての人々がふれあい、つながり、支え合ってまちづくりに取り組むことで、それぞれの立場で活躍し、生きがいを感じられる地域社会を築いていく必要があります。
現在、子どもたちが交通事故や犯罪に巻き込まれないよう、地域住民が学校やPTAと協力・連携した児童・生徒の登下校の見守り活動や、子どもたちを地域ぐるみで育てる取り組みとして、学校と地域住民が協力・連携して、各種の学習支援を実施していただいております。
また、市立幼稚園で行われる餅つき大会や交通安全教室に、地域の高齢者等にも参加いただくことで、異世代間の交流による地域ぐるみでの子育てや、ボランティア団体では、歌や体操、おしゃべりの場などを提供することで、地域の高齢者の憩いの場をつくることなども行っていただいています。榎戸駅の竣工とともに、地域の皆様から、駅の美化活動に積極的に協力していくとの言葉も頂戴しています。
平成31年度につきましては、高齢者、子育て世代、障害者、生活困窮者などに対しまして、八街市社会福祉協議会及び地区社会福祉協議会と連携し、協働により地域福祉の向上についても検討してまいります。
市では、誰もが住みやすい安全・安心なまちづくりを実現するために、今後も多くの市民の皆様に積極的に本市のまちづくりに関わっていただきたいと考えておりますし、まちづくりのパートナーとして期待しているところでもございます。
最後に8つ目の『市民サービスの充実した街』のための主な施策についてでございます。
本市では、八街の歴史や文化、産業などの紹介とともに、八街市の目指すべき将来都市像などについて、要点をまとめた「市勢要覧」と、市民生活を送る上で必要な各種手続きなどの行政情報や、医療機関・避難所などの情報を掲載した「くらしの便利帳」を作成し、市民の皆様の暮らしに役立つ情報等を提供しております。歴史や文化、観光スポット、名産品や特産品、各種イベント情報など掲載し、地域の魅力を最大限にアピールすることにより、地域住民に「わが街」の再発見や、故郷として愛着を持っていただくための情報誌として役立てています。現在、市勢要覧、くらしの便利帳ともに在庫が少なくなったこと、また、作成してから一定期間経過し、内容の修正が必要になったことなどから、平成31年度に市勢要覧とくらしの便利帳をまとめた冊子を作成し、市民の皆様に配布する予定でございます。
以上、平成31年度の主な施策につきまして説明させていただきました。
平成31年度予算は、私の市長3期目のまちづくりに向けたスタートとともに、本年5月1日からは元号が変わり、新たな時代の幕開けとなる大変重要な予算編成だと認識しております。
去年今年貫く棒の如きもの (高浜虚子)
本年1月4日の市役所仕事始め式において、私が職員に向けた挨拶の中で紹介した句でございます。昨年まで継続し実施してきた八街市のまちづくりを、平成31年は、全庁一丸となって更に発展させていくため、全職員に対し、改めてこの句を通じて協力を訴えました。虚子は、正岡子規の門人の一人で明治から昭和にかけて活躍した私の敬愛する俳人の一人です。「去年今年」とは、行く年来る年、大晦日の午前零時を境に今年が去年になるように、この世の森羅万象は常に流動変化するものであり、一瞬といえども存在は同一性を保持することができない、不変のものはないということを現した言葉でございます。一方、「貫く棒の如きもの」とは、いかに時が流れても自分が正しいと信じた生き方、考え方は変わらないし、変える必要がないという強い決意を、虚子はこの俳句の中で示しました。
私は8年前に市長として市政運営の舵取りをする立場となってから、市政運営に当たっての基本理念は、終始一貫して、市民の声を大切にし、市民の皆様、議員の皆様と共にまちづくりを進めていくということでございました。今年の5月には改元を迎え、新たな時代が始まることとなりますが、私はこれからも自身の信ずる「貫く棒の如きもの」により、八街市のまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
ここに改めまして、市民の皆様並びに議員各位の一層のご理解とご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げまして、平成31年度の市政運営方針といたします。
私は、平成22年末に市民の皆様から信託をいただき、市政をお預かりして以来、時が経つのは早いもので、2期目の任期も残すところあとわずかとなりました。この間を顧みるとき、特に印象に強く残っているのは、東日本大震災の発生とその対応でございます。市長としてスタートしてすぐに発生した東日本大震災は、人と人とが互いに助け合い絆で結ばれることの尊さ、そして被害を最小限に食い止めるための事前の備えと、自助・共助・公助の防災意識の醸成など、その重要性を改めて痛感させられる出来事でありました。また、市政運営に目を向けますと、特に主要な施策として位置づけました、八街バイパスの整備、榎戸駅整備事業、朝陽小学校の校舎改築、各小中学校の校舎等耐震補強、新規児童クラブの開設、人間ドックの助成、ひとり暮らしの高齢者世帯への訪問制度の確立、中学校3年生までの児童医療費助成、本市特産物のトップセールス、八街駅北口市の開設、買い物弱者の支援及び商店街の振興を図るためのお買い物代行事業、農業体験ツアーの実施、八街落花生まつりの開始など、現在進行している事業を含め、市民の皆様に対して一定のサービスが提供できたのではないかと考えております。
この間、大変厳しい財政状況ではございましたが、様々な困難を乗り越え、今日まで市長としての重責を務めることが出来ましたのも、ひとえに、私のこれまでの市政への取り組みを温かく支え続けてくださいました市民の皆様、議員の皆様、各界各方面の皆様方のご支援・ご協力の賜物と、心より感謝を申しあげる次第でございます。
平成30年度予算は、私の2期目最後の予算編成になります。今後も引き続き、本市の基幹産業である農業を中心とした産業の活性化、人口減少に歯止めをかけるための施策として、安心して子どもを産み育てることが出来るよう子育て世代への支援強化、全国に先駆けて始めた「幼小中高連携教育」による特色ある教育活動の推進など、教育や福祉、産業といった各種施策を充実させながら、しっかり八街市の街づくりに取り組んでまいります。引き続き故郷である八街の発展と、市民の皆様の福祉向上に取り組んでまいりますので、市民の皆さま並びに議員各位におかれましては、更なるご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
さて、我が国の社会経済情勢でございますが、政府は平成30年度における経済成長率見通しを平成29年12月に1.8パーセントと試算し、同年7月の1.4パーセントから上方修正をしました。国内では長く続いたデフレから脱却しつつあり、GDPのプラス成長や企業業績の改善、完全失業率の改善、賃金の上昇などの雇用環境の改善など、経済の好循環が生まれ景気は回復基調にあると言われております。しかし、地方に目を向けると地域間でのバラツキがあり、すべての地方まで景気回復の実感が伝わっているとは言い難い状況にあります。景気回復の効果が地方経済に波及しなければ、経済の好循環が地方において実現せず、人口減少が地域経済の縮小を呼び、さらに地域経済の縮小が人口減少を加速させるという負のスパイラルに陥るリスクが高まることになります。本市におきましても少子高齢化の進展、若者の減少、地域の賑わいの喪失など、人口減少に伴う様々な課題が山積しており、その解消のためにはまさに先を見通した対応が必要不可欠でございます。
政府は、一億総活躍社会を実現するため、長時間労働の改善や非正規と正社員の格差是正などの働き方改革の実現に取り組んでいます。また、将来確実に訪れることとなる超高齢化社会に向けて、人生100年時代を見据え、長い人生をより充実した豊かなものとするために、教育や雇用制度、社会保障などの国の制度がどうあるべきかを「人生100年構想会議」において検討しています。本市におきましても、人口減少に加え高齢化は確実に進展しており、現在の推計では2025年に高齢者の割合が34.4パーセントまで増加し、市民の3分の1が65歳以上の高齢者となることが予測されております。このような中、国の対策や先進事例にも注視しつつ、その対応に乗り遅れないよう、将来のまちづくりの取り組みの実現に向け、一層の努力をしていかなければならないと考えております。
過去に実施しましたまちづくりに関する市民意識調査で、今後のまちづくりの視点として市民の皆様からの要望が高かったのは、「安心して暮らせること」「交通の便利なこと」で、安心・安全、便利な住環境の整備への期待を強く感じたところでございます。このようなことから、優先して進めるべき施策として道路の体系的な整備や公共交通の充実といった道路や交通環境など、インフラの整備充実を図るとともに、併せて、次世代を担う若い世代・子育て世代が住みやすい環境、子供を生み育てやすい環境や、教育環境の整備、産業振興による雇用の確保など市民の皆様が生涯にわたって安全で安心して健やかに暮らすことができる施策をバランスよく推進していくことが重要なものと認識しております。
残念ながら、市民の皆様からの道路整備における切実な要望はあれど、事業着手に至らないケースが多くありましたが、ここにきて多くの懸案事業が動き始めました。具体的に申しあげますと、八街バイパスの全面開通の目途がたち、国道409号朝陽小学校脇交差点改良や住野十字路交差点改良、国道126号沖入口の交差点改良など、多くの事業について進展がみられたところでございして、近い将来、市民の皆様の利便性向上に繋がるものと確信しているところでございます。また、交通対策としては、昨年10月から高齢者への外出支援策として、タクシー乗車料金の助成事業である「高齢者外出支援タクシー利用助成事業」を実施するなど、道路や交通環境の充実を図る施策をこれからも推進してまいります。
本年も昨年と同様、本市を取り巻く状況は依然として厳しい状況にありますが、持続可能な社会の構築、個性を活かしたまちづくりに向けて、市の最上位計画である『八街市総合計画2015』をもとに、着実に各種施策を推進することによりまして、将来都市像として『ひと・まち・みどりが輝くヒューマンフィールドやちまた』の実現に向けて取り組んでまいります。
次に、平成30年度の予算編成にあたっての基本的な考え方を申し上げます。
まず、本市の財政状況と収支見通しでございますが、収入では、平成30年度の市税は、個人住民税所得割や太陽光発電関連の償却資産に係る固定資産税の伸びにより若干増加を見込めるものの、企業進出など新たな税源確保に伴い税収が伸びたものではないため、今後、将来に向けて安定した税収増を期待できるものとは言い難い状況にございます。また、普通交付税におきましては、総務省が発表した平成30年度地方財政対策では、昨年に引き続きトップランナー方式の導入等により地方交付税の総額が削減されるなど、厳しい状況が続くものと思われます。
一方、支出では、平成30年度に完了を迎える榎戸駅整備事業や、新規事業である川上小学校空調設備工事、第1庁舎耐震補強工事、児童館整備事業などのほか、平成31年度以降におきましても第2庁舎の解体とその後の活用策、市内小中学校空調設備整備や北総中央用水土地改良事業負担金の償還など、大規模事業等が予定されています。また、扶助費などの義務的経費につきましても、今後も確実に増加していくものと思われることから、経常収支比率の悪化による財政の硬直化が懸念されるなど、厳しい財政状況が続くことが予想されます。
こうした点を踏まえまして、平成30年度の予算編成においては、時代の潮流の変化や多種多様化する市民ニーズに的確に対応した、時代にふさわしいまちづくりを推進するため、その指針となる基本計画・実施計画に基づく施策の展開を図る予算編成を行いました。
歳入につきましては、その根幹をなす市税収入について、財源確保の面はもちろん、税負担の公平性の観点から課税客体の的確な捕捉などに努め、さらなる収納率の向上に向け、より一層、取り組みを強化してまいります。また、国・県補助金については、積極的に情報収集に努め、新たな補助金の獲得を目指すことはもちろん、その他新たな財源の創出のため、あらゆる創意工夫を行ってまいります。
歳出におきましては、財源が限定されている厳しい財政状況に鑑みると、現在実施している事業を継続しながら、様々な事業を同時に推進していくことは困難であることから、選択と集中の観点を持って、施策や事業の優先化を図りました。具体的には、現基本計画に掲げた主要な事務事業に取り組むとともに、重点プロジェクトとして位置づけている事業等を優先的に実施することとして、必要性、効率性の観点から不断の見直しを行い、歳出削減に努めたところでございます。
このような認識のもと、平成30年度の予算は、施策の厳選化と重点化を徹底した歳入に見合った規模の通年型予算として編成をいたしました。
今後とも、自主財源の確保や予算の効果的な配分と執行に努め、各種財政指標や市債残高などに留意しつつ、計画的な財政運営を行ってまいりたいと考えております。
それでは、平成30年度の主要事業の概要につきまして、基本構想の8つの街づくりの分野に沿って説明いたします。
まず始めに、『便利で快適な街』のための主な施策についてでございます。
榎戸駅整備事業についてでございますが、平成27年度に開始しましたこの事業も、完成予定まで残すところあと1年に迫りました。現在、工事は順調に進捗しており、平成30年度も、駅舎の橋上化、東西自由通路の新設、東西ロータリーの整備など、平成31年3月の完成を目途に工事を進めてまいります。
八街バイパスにつきましては、全線開通まで残すところ国道409号から大木地先までの約500メートルとなっておりましたが、この度、交渉しておりました地権者との協議が整い、用地買収・補償のための契約を結ぶことができました。今後千葉県では、平成32年度の開通を目標に事業を進めていく予定となっております。工事完了のあかつきには、本市中心市街地にある八街十字路を中心とした車両の通行に変化をもたらし、懸案でありました市街地の慢性的な交通渋滞の緩和に、一定の効果があるものと期待しているところでございます。今後も早期に全面開通が実現するよう、千葉県に対して引き続き働きかけてまいりたいと考えております。
国道126号沖入口交差点につきましては、国道から県道岩富山田台線へ右折する車線設置に向けた地権者との協議が順調に進捗しており、事業着手に向けて前進しているところでございます。
国道409号朝陽小学校脇交差点改良及び住野十字路交差点改良についてでございますが、まず朝陽小学校脇交差点につきましては、本年3月の完成に向けて工事は順調に進捗しているところでございます。住野十字路交差点改良につきましては、関係地権者から協力する旨の事業同意を得ているところであり、順調に進めば平成30年度以降に調査・測量、詳細設計、用地買収を経て工事に着手し、平成33年度から平成35年度までの間に開通できるよう事業を進めていく予定となっております。もちろん、地権者の皆様の協力や県予算の確保が前提ではございますが、できるだけ早期に事業完了が迎えられるよう、今後も山本県議とともに、関係者に強く働きかけてまいりたいと考えております。これからも市民生活や産業活動を支える道路につきましては、交通需要や渋滞箇所を把握する中で、計画的な整備を進めてまいります。
次に2つ目の『安全で安心な街』のための主な施策についてでございます。
まず防犯体制の強化策として、市では夜間通行の安全を確保し、犯罪の起きにくいまちづくりのため、各地域に防犯灯の整備を進めているところで、現在、市内に約6千灯の防犯灯を設置しております。防犯灯につきましては、消費電力が少なく、より明るく、また耐用年数も長いLED灯を一部に導入しておりますが、防犯対策とともに省エネルギー化を図り、環境に配慮した低炭素社会を推進するため、平成30年度に全ての防犯灯をLED灯に切り替えることといたしました。なお、併せて今後におきましても、市民の皆様から要望があった必要な箇所につきましては、防犯灯の整備を進め犯罪の起きにくいまちづくりを進めてまいります。
八街駅南口に設置いたしました防犯ボックスにつきましても、八街駅周辺一帯の安全・安心が向上し、特に子供たちや女性が安心して利用できると、市民の皆様から感謝の言葉をいただいており、実際に犯罪の低下などに繋がっているところでございます。平成30年度以降についても引き続き、事業を継続して駅周辺利用者の安全・安心を図ってまいりたいと考えております。
防災対策の充実・強化策として、市役所庁舎の改修等につきましては、平成29年度予算で第1庁舎の耐震改修工事の設計を実施したところでございます。平成30年度予算では、この設計に基づきまして耐震補強工事、防水改修工事、外壁改修工事など庁舎の耐震化を実施し、防災拠点としての機能強化を図ってまいります。
その他、第2庁舎の解体工事実施設計や、情報伝達に要する処理時間の短縮、特別警報等の伝達情報の充実を図るため、新型のJアラート受信機器の更新を予算計上いたしました。
次に3つ目の『健康と思いやりにあふれる街』のための主な施策についてでございます。
子育て支援にかかる平成30年度の主な事業でございますが、本市の長年の懸案でありました児童館が、いよいよ建設に向けて動き出すこととなりました。子どもたちに健全な遊び場を提供し、地域における子どもの余暇活動の拠点として、また、健全育成活動を行う子育て支援の拠点として利用できる施設が実現することとなります。建設予定地は、中央公園、老人福祉センターに近接した自然豊かな環境とともに、高齢者との世代間交流など、子供たちにとって魅力的な活動が出来る場所であると考えております。平成30年度予算では、設計業務、測量業務、地盤調査業務を予算計上し、平成31年度の開設に向けて準備を進めてまいります。また、実住学区における児童クラブにつきましては、現在、第一八街児童クラブ、第二八街児童クラブで合計80名を定員として運営しておりますが、小学校から児童クラブまでに距離があり交通事故等の危険が生じること、また、希望者全員を入所できるには至っていないことから、以前より保護者から場所の変更とともに施設増員の要望があったところでございます。平成30年度予算では、この要望を受けまして、実住小学校の余裕教室を活用し、定員を増やした新たな児童クラブを整備する予定でございまして、本年12月の開設を目指して準備を進めてまいります。
病気や怪我の回復期で、家庭や集団生活での保育が困難な場合に、お子さんを専用施設で一時的にお預かりする「病後児保育事業」や、核家族化の進展等により保護者の病気等、身近に頼る人がなく預けたくとも預ける場所がない家庭を支援するため、一定期間、養育・保護を行う「子育て短期支援事業」も引き続き実施いたします。
待機児童解消対策として、平成30年4月に開園予定の小規模保育事業所に対して、運営費の補助を新たに新年度予算に計上いたしました。小規模保育事業所の開設により、0歳児から2歳児まで、19名の定員増を図る予定でございます。
また、健康づくりの支援策として、肝炎ウィルスの検診対象を拡大いたします。日本においてウイルス肝炎の持続感染者は、B型が110万人から140万人、C型が190万人から230万人存在すると推測されていますが、その3割の人は自分が感染していることに気づいていないと考えられています。肝炎ウイルスに感染していても自覚症状がないため、肝硬変や肝がんに進行している人が少なくありません。最近のウイルス性肝炎の治療は進歩しており、例え肝炎ウイルスに感染していても、早期に医療機関で適切な治療を受ければ、深刻な症状に進行するのを防ぐことができます。このことから、肝炎ウィルスの検診対象年齢を現在の40歳のみから、40歳以降70歳までの5歳刻みに拡大することとし、早期発見・早期治療につなげてまいります。
次に4つ目の『豊かな自然と共生する街』のための主な施策についてでございます。
今年度に購入したけやきの森公園についてでございますが、公園内にある欅の大木は開墾当初に植樹されたもので、八街市の開墾の歴史を残す大変貴重な文化的な財産と言えます。用地の購入に当たり、美しい自然を活かした市民の憩いの場、交流の場、健康づくりの場として、また、避難場所としての機能を併せ持つ公園施設となるよう整備する予定との説明をしたところでございます。平成30年度予算では、公園内にある欅の大木について、現状を把握し安全性を確認するとともに、生育の状態によっては必要最小限の伐採も視野に、樹木医に調査を依頼する予定でございます。併せて避難場所の整備として、防災用井戸の設置及び北側道路を拡幅して災害時に大型の消防車両等が進入できるよう整備する予定でございます。
快適な生活環境づくりをするうえで、良質な浄水の安定供給は必要不可欠なものであり、そのためには、水道事業における経営基盤の強化が必要となります。本市の上水道事業については、敷設後、相当の期間が経過した水道管の更新事業等に多額の経費が見込まれる一方、給水人口の伸び悩みなどにより収益の増加は見込まれませんし、料金改正ができる環境にもありません。このことから、将来にわたる八街市水道事業の健全な財政運営を図るため、八街市水道事業に対する営業対策費補助を増額し、経営基盤の強化を図ってまいります。
資源循環型社会の構築に向けて、廃棄物処理について、市民や事業者、団体などへの意識啓発に努めてまいります。ごみの減量化や資源の有効利用の推進と市民のリサイクル意識の向上を図るため、資源ゴミを適正に収集した団体等に奨励金を交付するリサイクル推進費を引き続き計上し、廃棄物の減量化等の推進など、豊かな自然と共生する環境保全施策を引き続き推進してまいります。
道路排水施設整備といたしまして、市道5区1号線の排水整備に伴う用地購入、市道210号線の道路排水改修工事、市道文違7号線道路排水整備工事などを実施いたします。
次に5つ目の『心の豊かさを感じる街』のための主な施策についてでございます。
学校教育の充実についてでございますが、まず、小中学校空調設備の整備につきましてご説明いたします。平成30年度は川上小学校の空調設備の本体工事を予算計上いたしました。今後の各学校における空調設備の整備計画については、平成31年度に小学校8校の設計、平成32年度に小学校8校の工事及び中学校4校の設計、平成33年度に中学校4校の工事を実施する予定でございます。具体的な各学校の空調設備につきましては、川上小学校の空調設備が稼働した後、その検証結果を設計に反映させまして、各学校にあったよりよい空調設備としてまいりたいと考えております。空調設備の整備は、児童・生徒の健康保持はもとより、学習環境が改善されることにより、学力の底上げにも繋がるものと期待しているところでございます。
スポーツプラザは平成4年の供用開始から既に四半世紀が過ぎ、老朽化に伴いまして施設内の各所で改修等が必要となっております。特に今回改修予定のテニスコートは地盤が弱く人工芝は傷みが激しかったことから、早急な改修が必要でありましたが、この度スポーツ振興くじの助成金を活用できることとなったことから、平成30年度予算に計上して地盤改良・人工芝の張り替えを実施いたします。また、中央公民館のエレベーターにつきましても、老朽化に伴いまして改修することとし、利用者の安全を確保いたします。
なお、中央公民館、郷土資料館は、経年により老朽化が著しいことから、利用者の利便性の向上を図るため、施設の改修や建設に向けた調査業務を計上しました。
先に千葉県教育委員会の内藤教育長にお会いした際、八街市立図書館のジュニア司書等の活動についての発言がございました。八街市で実施しているジュニア司書マイスター制度は、図書館で司書としての知識や技術を学びながら、読書の面白さや素晴らしさを広める読書リーダーになるよう育成するとともに、本を身近なものとして子供たちと繋ぐ大変すばらしい取り組みで、今後、八街市をモデルケースとして県内に広めていきたいとの高い評価をいただいたところでございます。
今後も学校教育、社会教育による様々な活動を通じて、子供たちの豊かな心を育む教育を進めてまいります。
次に6つ目の『活気に満ちあふれた街』のための主な施策についてでございます。
地域の賑わいを取り戻すためには、人口減少対策とともに、農・商・工業のバランスのとれた産業の活性化が必要不可欠でございます。地域資源を活かした産業振興策として実施しております八街市農業体験ツアーにつきましては、八街市のPR効果も大きく好評を得ていることから、引き続き平成30年度においても実施いたします。また、昨年から開催しました「やちまた落花生まつり」につきましては、既にご案内のとおり、市内外から多くの来場者をお迎えし、落花生や新鮮野菜の販売など大変好評を博した八街市の新たなイベントとなりました。平成30年度は昨年の経験を踏まえ、さらに予算を拡充して内容の充実を図ってまいります。
先に県庁を訪ねた折、森田知事から、八街産生姜を利用した「八街生姜ジンジャーエール」につきまして、県産品を活用した製品の成功例として、高い評価をいただいたところであり、今後、県においてもまた知事本人も八街生姜ジンジャーエールを千葉県の名品として積極的にPRしていくとの言葉を頂戴いたしました。八街生姜ジンジャーエールは、産経新聞社等が主催する「ふるさと名品オブ・ザ・イヤー、まちの逸品」部門賞において優良賞を、そして「食のちばの逸品を発掘2018」において金賞を獲得するなど、大変高い評価を受けており、皆様すでにご承知のとおり、販売も大変好調と伺っております。
また、昨年、郵便局のふるさと小包で「八街産 千葉半立落花生」が人気第3位となるなど、大変、多くの申込みをいただき販売したとのことでございます。過去には落花生を生産しても売れず倉庫に山積みし、作付けを辞める農家もおりましたが、現在、八街産落花生は供給が需要に追いつかず、高値で取引されていることを考えると、農業を生業とし、かつて心血を注ぎ農業に従事していた者として感慨深いものがあると同時に隔世の感を覚えます。落花生が八街市の特産品として認知度を深め人気を博しているのは、ひとえに生産者・加工業者や商工会議所などの関係団体と行政が協力してPR活動に努力した賜物であると思いますし、手前味噌になりますが、私が安倍総理などに継続して贈呈するなどの地道な活動もその一端にあるのではないかと考えております。実際、安倍総理に贈呈していることがメディアで取り上げられたことにより、八街産落花生を知って「八街の落花生がそんなに美味しいなら、是非試してみたい」と言葉をかけられたこともございます。また、千葉県が開発した落花生の新品種「千葉P114号」がいよいよ今年、新愛称の命名とともに市場デビューいたします。今後も様々な活動を通じて、八街産農産物を含めた八街市のPRに努め、本市の活性化に取り組んでまいりたいと考えております。
次に7つ目の『市民とともにつくる街』のための主な施策についてでございます。
今日、本市を取り巻く環境は、人口減少、少子・高齢化や厳しい財政状況等大きく変化しており、行政だけで今後のまちづくりを進めていくのは、極めて難しくなっています。一方で、地域の課題解決を行政だけに任せるのではなく、自ら進んで取り組もうとする市民や団体等が増えています。地域課題や多様化する市民ニーズに的確に対応していくには、市民の豊かな想像力、迅速性・柔軟性・専門性などの特性を活かしながら、市民・行政それぞれが役割分担し、新たな市民参画のまちづくりのスタイルを創り出し、対等なパートナーとして協働していく必要があります。このようなことから、本市では一層の市民協働を進めていくため、本年度から市民協働推進課を新設して、市民協働によるまちづくりの様々な取り組みを進めているところでございます。現在、市民の皆様に公園サポーターや公民館サポーターとして、施設の維持管理等にご協力いただいており、この3月には、榎戸駅整備後に駅周辺を地域の拠点として活性化していくため、地域の方々が、自分たちで何が出来るのかを考えていただくために地元説明会を開催する予定となっております。さらに今年度、区長の皆さん自らの発案で、より多くの市民の方にまちづくりに参加いただくための方策や、地域の問題などの情報交換をする場を設け、意見交換会を継続的に行っていると聞いております。今後も区長の皆さんには積極的に本市まちづくりに関わっていただきたいと考えておりますし、まちづくりのパートナーとして期待しているところでもございます。
なお、平成30年度予算では、地域活動の拠点として、文違ニュータウン集会場建て替えに対する助成を行うため予算を計上いたしました。今後も市民協働によるまちづくりの様々な取り組みを積極的に進めてまいります。
最後に8つ目の『市民サービスの充実した街』のための主な施策についてでございます。
平成30年度の新規事業として、インターネット上で八街市議会の議会中継・録画映像を配信するために、映像機器整備事業を計上いたしました。これは、以前から議員の皆様から強い要望があったことでございますが、市議会の活動をより多くの市民に周知し、開かれた議会を実現するために実施するものでございます。
戸籍届出時間外受付業務についてでございますが、戸籍等の届出は、一日違うだけで待婚期間や嫡出非嫡出に影響する場合があるため、休日・夜間にかかわらず、いつでも受領するよう国の通達で定められております。現在、本市でも24時間体制で受領可能となっておりますが、市役所に宿直職員や守衛を置いていない現状から、市民等から届出の連絡があった都度、職員が戸籍等を預かるなど、事故防止や書類管理の面から体制が十分とはいえない状況にあります。平成30年度予算では、市民サービスをより一層充実させるとともに、職員負担の軽減を図るため、夜間等の戸籍等の受付を委託するための予算計上いたしました。また併せて、市民課窓口でのパスポートの発行及び交付事務につきましても、平成31年1月の開始を目途に準備を進めてまいります。
自動電話催告システムについてでございますが、電話による催告は未納者へ納付を促す有効な手段ではあるものの、大量の未納者への架電には多数の人員が必要となり、人的コストがネックとなります。今回予算計上した自動電話催告システムは、登録した未納者リストに従って自動的に電話を発信し、相手が電話に出ると自動音声で催告を行なうことから、低コストで大量の未納者への催告が可能となります。未納者のなかには、入金忘れやたまたま残高が不足したことによる引き落し不能、納付書の紛失など、「ついうっかり」によるものが散見されることから、早期に電話催告することで、比較的容易に支払に応じていただけるものと考えております。税金の納め忘れなどの未納者に対し、早期に納税催告を行い、納税の勧奨と収納率の向上を図るため、自動電話催告システムを導入いたします。市民の皆様が簡単に口座振替に移行できるよう、国保税につきましてペイジー口座振替受付サービスも開始いたします。
以上、平成30年度の主な施策につきまして説明させていただきました。
先にも触れましたとおり平成30年度予算は、私の2期目の任期最後の予算編成になります。私にとって一つの区切りではあるものの、八街市のまちづくりに終わりはございませんし、立ち止まることも許されません。これからも次の世代によりよい八街市を引き継ぐため、八街市総合計画等を基に、未来に向けたまちづくりを進めていかなければなりません。残された市長としての任期はわずかでございますが、今まで市民の皆様にお約束したまちづくりにつきまして、その実現を図るため全身全霊を傾けて努力してまいりたいと考えております。
私は市政運営の責任者として、決断力の重要性は充分認識しておりますが、一方で、多くの皆様の声を謙虚に受け止めること、そして、決断にあたり誠意を尽くして説明することが重要であると考えております。中国の儒家である孟子の言葉に「至誠にして動かざる者は未だ之れ有らざるなり」という言葉があります。この意味は、誠の心を尽くせば感動しない人などいない、誠を尽くせば人は必ず心動かされるということでございます。私は市長として、この言葉を常に自分の心内に留め置いて、自らの戒めや励ましとして、今後も市政に当たってまいりたいと考えております。
以上、市政運営に関する私の所信の一端につきまして、ご説明させていただきました。ここに改めまして、市民の皆様並びに議員各位の一層のご理解とご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げまして、平成30年度の施政運営方針といたします。
本日、3月定例会の開会にあたり、議員の皆様におかれましては、公私ともにご多用のところご出席いただき、誠にありがとうございます。
本定例会に提出させていただきました議案の説明に入ります前に、平成29年度の市政運営に臨む所信の一端を申し述べさせていただくとともに、平成29年度予算編成の基本的な考え方について、ご説明させていただきます。
私は、市長就任以来これまで、私たちの故郷である八街の発展と、市民の皆様の福祉向上などに取り組むとともに、山積された行政課題解決に向け、様々な事業に取り組んでまいりました。
我が国の人口は、今後、急速に減少することが予測されているところであり、本市におきましても少子高齢化の進展、若者の減少、地域の賑わいの喪失など、まさに先を見通した対応が必要不可欠であると考えております。そのためにも全身全霊を傾け、定住促進などに向けた取り組みを推進し、本市が目指す持続可能な社会の構築や、個性を活かしたまちづくりの取り組みの実現に向け、邁進してまいりたいと思っております。
平成29年度は、私が市長に就任し7年目を迎え、さらに八街市が誕生して、25周年を迎える年でもございます。
今後も市民の皆さまから、活力と希望にあふれ、誰もがこの街に生まれてよかった、住んでよかったと実感していただけるようなまちづくりに全力で取り組んでまいる所存であります。
市民の皆さま並びに議員各位におかれましては、更なるご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
さて、長引くデフレからの脱却と経済再生を最重要課題とした政府の取り組みにより、最近の調査では、雇用環境の改善や設備投資の持ち直しの動きがみられるものの、国内経済の回復基調は弱く、この背景には、中国経済の減速やアメリカの保護主義的な通商政策に対する懸念など、世界経済における不安定要因とともに、国内の人口減少・少子高齢化といった複合的な問題に起因する、将来に対する国民の不安が原因と考えられております。
一方、地方においては、近年、東京の一極集中と地方の人口減少を食い止めるため、各自治体が、わがまちの地域の強みを生かしながら効果的な施策を展開し、多くの人々から住んでみたいまちとして選ばれ、成長を続けられるよう努力しております。
八街市の人口は、高度経済成長期以降右肩上がりで増加してきましたが、国勢調査では、平成17年をピークに減少に転じ、現状においても減少傾向で推移しております。加えて高齢化の進展も著しく、現在の高齢化率は26.4%と過去最高を記録し、今後もますます少子高齢化が進んでいくものと思われます。
このため本市では、人口の減少抑制・安定化ならびに持続可能な社会の構築、個性を活かしたまちづくりに向けて、最上位計画であります『八街市総合計画2015』におきまして、人口減少・少子高齢化に対応したまちづくりを主要課題と位置付けております。その対策といたしまして、快適な生活環境の整備、雇用の創出、子育て環境の充実、特色ある教育の推進、地域経済の活性化、わがまちの強みを活かした魅力発信などを重点施策として取り組んでまいります。
私は、かねてから様々な機会を捉えて、地域連携、広域連携の必要性を訴えてまいりました。地域の活性化、地域経済力の強化には、自治体の枠組みを超えた連携が必要不可欠で、そのためには印旛郡市の広域連携や隣接市町との協力が重要であると考えております。昨年、広域連携の一環として、八街市、富里市、酒々井町が連携して酒々井インターチェンジ周辺の活性化を進めるための協議会を立ち上げました。酒々井プレミアム・アウトレットでは、約2千人の雇用が創出され、この中には八街市民の皆様も多く含まれております。今後、酒々井インターチェンジを中心に、さらにその波及効果を高めるために、効果的な交通アクセスの検討など、その活動を進めてまいります。
また、先に開催されました印旛郡市広域市町村圏事務組合の首長会では、管内自治体の行政区域を越えた連携について議論し、多くの可能性がある中で、まずは各市町の魅力を生かし地域を繋ぐ「観光施策」と、災害時に物資だけではなく人や情報も含めた相互支援のための「災害時の基本協定」を検討していくことといたしました。
さらに、ご案内のとおり民間企業ではありますが、本市小谷流地区に「小谷流の里 ドギーズアイランド」がプレオープンし、国内最大級の天然芝を敷き詰めたドッグランなど、愛犬同伴で遊びくつろぐ憩いの施設として、すでに年間来場者数は10万人を超すほどの人気を博しております。観光資源の少ない本市にとりまして、「小谷流の里 ドギーズアイランド」は、今後の本市観光の振興を図る上で、大変重要な施設となるものと考えております。
今後も市の基本計画・実施計画に基づき、着実に各種施策に取り組むとともに、広域連携、民間活力の活用により、将来都市像として『ひと・まち・みどりが輝くヒューマンフィールドやちまた』の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
次に、平成29年度の予算編成にあたっての基本的な考え方を申し上げます。
本市の財政状況は、中長期的には生産年齢人口の減少に伴い、税収や地方交付税の減少が見込まれることに加え、高齢化の進展に伴う社会保障費の増加など、一層厳しい財政運営が予測されます。
このため、今回の当初予算編成では、引き続き非常に厳しい財政状況にあるとの認識のもと、施策の厳選化と重点化を徹底し、歳入に見合った通年型の予算として編成いたしました。
まず、歳入においては、財源の積極的な確保として、税負担の公平性の観点から市税の課税客体の的確な捕捉や債権確保に努め、一層の収納率向上に取り組むこと、また国及び県補助金の確保や市有財産の有効活用に努め、新たな財源の創出・確保に取り組むことといたしました。歳入の主なもののうち、市税では、新築家屋及び太陽光発電関連の固定資産税の増額などを見込み、前年度当初予算と比較して2.4パーセント増の72億557万4千円といたしました。地方交付税については、総務省の地方財政対策において、総枠が減額されていること、また、個別項目ごとの算定等を考慮し、前年度当初予算と比較して4.5パーセント減の36億円といたしました。
次に歳出にあっては、徹底した経費の削減に努める一方で、現在実施している重点プロジェクトを継続しつつ、選択と集中の観点をもって、基本計画・実施計画に基づく施策を推進するとともに、行財政改革推進本部で決定した事項のうち、平成29年度当初予算に反映すべきものについてはこれを反映し、市民サービスの維持向上に留意した予算案といたしました。
なお、平成28年度に実施いたしました職員の地域手当1.5%の削減につきましては、平成29年度予算では減額は行わないことといたしました。
歳出の主なものとして人件費では、42億480万9千円を計上いたしました。扶助費につきましては、障害者自立支援給付事業等の増額により51億6千89万6千円を計上いたしました。また、繰出金につきましては、国民健康保険特別会計をはじめ各会計への繰出金として20億9千284万9千円を計上し、歳入歳出予算の総額を前年度と比較して2.4パーセント増の203億7千万円といたしました。今後とも、自主財源の確保や予算の効果的な配分と執行に努め、各種財政指標や市債残高などに留意しつつ、計画的な財政運営を行ってまいりたいと考えております。
それでは、平成29年度の主要事業の概要につきまして、基本構想の8つの街づくりの分野に沿って説明いたします。
まず始めに、『便利で快適な街』のための主な施策についてでございます。
本市の八街駅につぐ核として、榎戸駅整備事業を昨年度から開始いたしました。駅舎の橋上化、東西自由通路の新設、東西ロータリーの整備など、平成31年3月の完成を目途に工事を進めてまいります。榎戸駅が完成することにより駅利用者や周辺住民の方々など、誰もが利用しやすい施設として整備されることにより、高齢者や障害のある方にも利用しやすいバリアフリー施設として生まれ変わることとなっています。
また、八街バイパスにつきましては、国道409号から八街市中央公民館前付近までが、暫定供用ではあるものの来る3月22日に開通する予定となっており、全線開通まで残すところ国道409号から大木地先までの約500メートルになりました。この残り区間につきましても早期に全面開通が実現するよう、千葉県に対して引き続き働きかけてまいりたいと考えております。
朝陽小学校前の交差点につきましては、平成28年度に改良に必要な用地取得が終了する予定で、平成29年度ではいよいよ道路拡張を伴う交差点改良工事に着手する予定でございます。現在の押しボタン式信号機から時差式信号機に変更することにより、児童の安全確保はもちろん、国道409号の交通量が多く、市道からなかなか国道に合流することができずに、車両の渋滞が発生しやすい現状が改善されることとなりますので、通行車両の利便性等に大きく寄与するものと考えております。
このほかにも道路整備事業費・道路排水施設整備事業費として、市内道路の改良、舗装修繕、排水工事などを進めることにより、歩行者や通行車両の安全確保等に努めてまいります。
次に2つ目の『安全で安心な街』のための主な施策についてでございます。
まず防犯体制の強化策として、八街駅南口に設置予定の防犯ボックスにつきましては、平成28年度に施設の設置に係る予算をご承認いただいたところでございまして、現在、平成29年4月の開設に向けて準備を進めているところでございます。駅南口への防犯ボックス開設によりまして、駅北側にある交番と連携を図ることにより、八街駅周辺一帯の一層の安全・安心の向上が図れるものと期待をしているところでございます。
防災対策の充実・強化策として、市役所庁舎の改修等につきましては、すでに議会において説明したところでございますが、平成29年度予算では、第1庁舎の耐震改修工事の設計と、第2庁舎の教育委員会の事務室移転に係る予算を計上いたしました。近い将来発生が懸念されている首都直下型地震等に対応するため、庁舎の耐震化を実施し、防災拠点としての機能強化を図ってまいります。
また、災害対策基本法に基づく国の防災対策に関する基本計画である防災基本計画等が修正されたことを踏まえて、本市の地域防災計画を見直す必要が生じたことから、平成29年度予算に地域防災計画修正に係る経費を計上いたしました。
先にも触れましたが、地域の防災は広域による連携も大変重要であると考えております。具体的な検討はこれからでありますが、引き続き広域連携も視野に入れて、安全で安心な街づくりを進めてまいります。
次に3つ目の『健康と思いやりにあふれる街』のための主な施策についてでございます。
子育て支援にかかる平成29年度の新規事業として、病気の回復期で保育所などに通うことができず、また保護者の仕事の都合等で家庭での保育が困難な場合に、お子さんを専用施設で一時的にお預かりする「病後児保育事業」や、核家族化の進展等により保護者の病気等、身近に頼る人がなく預けたくとも預ける場所がない家庭を支援するため、一定期間、養育・保護を行う「子育て短期支援事業」実施することといたしました。
待機児童解消対策として、平成29年度に開園予定の小規模保育事業所の施設整備に対して、経費の一部を補助することにより、子育て支援環境の充実を図ってまいります。小規模保育事業所の開設により、0歳児から2歳児まで、19名の待機児童が解消される予定でございます。
現在、地域に暮らす人たちの介護予防や日々の暮らしを様々な側面からサポートする地域包括支援センターを1か所、市役所内に設置・運営しています。高齢者の暮らしを地域でサポートするための拠点として、介護だけでなく福祉、健康、医療など様々な分野から総合的に高齢者とその家族を支える機関として、大変重要な役割を果たしておりますが、平成29年度は南部地域にも地域包括支援センターを開設し、南部地域の皆様のより身近な窓口として高齢者の相談対応等を行い、高齢者支援体制の充実を図る予定でございます。
また、健康づくりの支援策として、国民健康保険に加入されている市民の皆様の負担軽減を図るため、脳ドック受診時における費用の一部助成を新規に開始いたします。
次に4つ目の『豊かな自然と共生する街』のための主な施策についてでございます。
住環境の整備として、平成29年度では、将来にわたる市営住宅の適正な維持管理を目指し、対処療法的な保全・修繕ではなく、予防保全的な管理や改善の実施等長期的な維持保全活動を行うことにより、安全で快適な住環境を確保し、長寿命化による更新コストの削減につなげるため、市営住宅長寿命化計画の策定を予算計上いたしました。
また、将来にわたる八街市水道事業の健全な財政運営を目的に営業対策費補助を大幅に拡充することにより、経営基盤の強化を図ることといたしました。
資源循環型社会の構築に向けて、ごみの減量化や資源の有効利用の推進と市民のリサイクル意識の向上を図るため、資源ゴミを適正に収集した団体等に奨励金を交付するリサイクル推進費を引き続き計上し、廃棄物の減量化等を推進してまいります。地球温暖化防止、生物多様性保存等に効果の高い営農活動に取り組む農業者に対して支援し、農業が本来有する自然環境機能を維持・増進を図るための環境保全型農業直接支援対策事業費につきましても、引き続き予算計上いたしました。上砂地区の流末排水路の整備を進め、排水機能の向上を図ることにより農地等の環境保全も進めてまいります。このほか公共下水道の普及や小型合併処理浄化槽の普及による公共用水域の水質汚濁防止、不法投棄の防止に向けた環境づくりなど、豊かな自然と共生する環境保全施策を引き続き推進してまいります。
次に5つ目の『心の豊かさを感じる街』のための主な施策についてでございます。
学校教育の充実についてでございますが、今日、タブレット端末を教育現場に導入する教育機関が急速に増えてきています。本市におけるICT教育には、従来、コンピューター室に備えおかれたデスクトップ型パソコンで授業を行ってきましたが、パソコンの更新時期を迎えたことにより、ICTの特徴をより活かした学習を可能とするため、機能的に優れ軽量で持ち運びも可能なタブレット端末に更新し、児童・生徒の教育環境の充実を図ってまいります。
平成29年度は市内小中学校13校のうち7校を更新し、残り6校につきましては、既存パソコンの更新時期を勘案し、同様にタブレット端末に移行できるよう検討してまいりたいと考えております。
八街市の学力は県内平均を下回っており、学力の底上げは本市義務教育における非常に重要な課題となっております。そこで、中学1、2年生を対象として、学校や学年全体の学力の底上げを図るという観点から、今までの学習のつまづき点をなくす復習重点型の学力テストを導入するための予算を計上いたしました。
また、私の公約の重点項目の一つである市内小中学校の空調設備の整備でございますが、平成29年度から2か年をかけて川上小学校にエアコンを導入するため、新年度予算では設置工事に係る設計業務を計上いたしました。今後も順次、各小中学校にエアコンを導入し、学習環境の整備を進めることによりまして、学校生活やスポーツを通じて豊かな心を育む教育を進めてまいります。
次に6つ目の『活気に満ちあふれた街』のための主な施策についてでございます。
先ほども触れましたとおり、地域の賑わいを取り戻すためには、本市の喫緊の課題であります人口減少対策とともに、農・商・工業のバランスのとれた産業の活性化と雇用対策が必要不可欠でございます。地域資源を活かした産業振興策として、平成27年度から開始し、大変好評を博した八街市農業体験ツアー事業につきましては、八街市のPR効果も大きいことから、引き続き平成29年度においても実施してまいります。
農業に興味のある都市部の方を対象とした、本市の農業を実際に体験してもらう農業体験インターンシップ事業については、千葉大学園芸学部との連携など、平成29年度では、さらに対象範囲を拡大して実施したいと考えております。これは千葉大学の学生が、単位を取得できるカリキュラムの一つとして、インターンシップ事業を取り入れてもらうことにより、本市農業を知ってもらうための機会づくりになることを期待するものであり、今後、千葉大学側と協定締結に向け、準備をしてまいります。さらに、市民の雇用対策や税収増につなげるため、広域連携の一環として引き続き酒々井インター周辺活性化協議会において周辺活性化対策を検討いくほか、企業の市内誘致の促進につきましても、未だ実現には至っておりませんが、今後、積極的に働きかけをしてまいりたいと考えております。
観光対策では、平成29年度は商工課を観光商工課に名称変更し、八街市の観光振興に一層努めてまいります。
このほか、農業後継者対策事業費、商店街振興事業費、商工業振興費につきましても、引き続き新年度予算に計上し、各産業の振興を図ってまいります。
次に7つ目の『市民とともにつくる街』のための主な施策についてでございます。
市民社会の成熟化に伴い、行政に頼るだけでなく、自分たちのまちは自分たちでつくっていこうという市民意識が高まってきています。
また、地方分権の流れにより、行政には地域特性を活かした施策を展開し、その中では、市民と一緒にまちづくりに取り組んでいく、新しい形の行政運営が求められています。社会状況の変化などから、これからのまちづくりは、市民個人や行政だけでなく、多様な担い手が協働しながら、みんなで力を合わせて行っていく必要があります。
このようなことから、本市では一層の市民協働を進めていくため、平成29年度に(仮称)市民協働推進課を設置して、市民協働によるまちづくりの様々な取り組みを積極的に進めてまいります。平成29年度予算では、市民協働についてわかりやすく説明したパンフレットを作成し、市民協働について一層の周知をしつつ、市民の皆様の理解を深めてまいります。また、ふるさと応援寄附金につきましても、今後、さらに八街市特産品のPRを兼ねて、多くの方から八街市のまちづくりを応援していただけるよう一層の努力をしてまいります。
最後に8つ目の『市民サービスの充実した街』のための主な施策についてでございます。
平成29年度の新規事業として、八街市公式ホームページのリニューアルを行うための予算を計上いたしました。本市のホームページにつきましては、議会や市民の皆様からもっと見やすく使いやすいホームページにしてほしいとの要望を受けております。昨年4月に施行された障害者差別解消法等においても、高齢者や障害者を含むすべてのウェブ利用者に配慮した環境の整備を求められているところでもあることから、平成29年度中に市ホームページのサイト構造の見直しなど、リニューアルに向けた作業を実施いたします。
また、広報やちまたにつきましては、主に新聞折込により各ご家庭に配布しているところでございますが、ご案内のとおり、新聞未購読世帯への対策は、本市における懸案となっておりました。議会において様々なご意見を頂戴しているところでございますが、広報やちまたを新聞折り込みで配布できない家庭に対する対策として、スマートフォンの専用アプリを使用して閲覧できる広報やちまたの電子配信の予算を計上しました。これによりまして広報やちまたや議会だよりなど、市政情報を幅広く周知することが可能となることから、市民と行政が正確な情報を共有できるようになるものと期待しているところでございます。
以上、平成29年度の主な施策につきまして説明させていただきました。
先にも触れましたとおり、平成29年は本市の市制施行25周年にあたります。
市制施行以降、市の最上位計画である八街市総合計画等を基に八街市のまちづくりを進めてまいりましたが、四半世紀が過ぎた現在、残念ながら市民の皆様から充分満足いただけるだけのまちづくりができたとは考えておりません。
しかし、私は市長として、不十分な点は認識しつつ、今後、将来に向けてどうしたら市民の満足度を上げていけるのか、そのためには何が必要で、八街市を次の世代に引き継ぐため何を優先していくのか、限られた予算の中での困難な選択ではございますが、将来を見据えたまちづくりは、私たち今の市政を預かる者の責務でもあると考えております。今から10年、20年先の八街市のために今から種をまき、着実に前進させていかなければならないと考えております。
以上、市政運営に関する私の所信の一端につきまして、ご説明させていただきました。ここに改めまして、市民の皆様並びに議員各位の一層のご理解とご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げまして、平成29年度の市政の運営方針といたします。