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今年は、私の市長4期目の折り返しの年であるとともに、総合計画2025の初年度となる年でございますので、改めまして、活気あふれるまちづくりを着実に進めてまいりたいと、決意を新たにしたところでございます。
本市では、2015年度から2024年度までの10年間を計画期間とした「八街市総合計画 2015」を策定し、将来都市像である「ひと・まち・みどりが輝くヒューマンフィールドやちまた」の実現に向けて計画的にまちづくりを進めてまいりました。
この間、国の人口減少と同様に、本市においても人口減少、少子高齢化が進展し、これらを原因とする生産年齢人口の減少、地域経済の衰退、地域活力の低下などさまざまな影響が危惧され、また、令和元年房総半島台風等の大規模自然災害や新型コロナウイルス感染症のまん延などによる安全・安心意識の高まりやデジタル技術を活用した変革の推進など社会環境は大きく変化しています。
このような社会環境の変化や新たな行政課題、高度化・多様化する市民ニーズに的確に対応し、本市が将来に渡って持続的に発展していくためには、次世代を担う若年・子育て世代が住みやすい環境の整備や、産業振興などによる雇用の確保などを進め、さらに市民一人ひとりが、心身ともに生涯にわたって、安全に安心して、健やかに暮らすことができるまちづくりを、市民と行政が力を合わせて推進することで、人口減少の抑制を図ることが必要となっております。
そこで、本市が抱える様々な課題を乗り越え、より魅力あるまちづくりを総合的・計画的に進めるための指針として、本年4月を始期とする「八街市総合計画2025」を策定いたしました。
総合計画2025に掲げる将来都市像「緑豊かに心豊かに健やかに、ともに支えあい安心して暮らせる八街」の実現に向け、着実に各種施策を推進するとともに、健全財政の堅持につきましても、早急に取り組んでまいります。
令和7年度の予算編成に際しては、現下の厳しい財政状況を全職員が共通認識し、総合計画や総合戦略の施策評価の内容はもとより、市民ニーズの的確な把握や客観的な根拠に基づきながら、直面する課題解決に向けて、事業の費用対効果や優先度の検証を徹底的に行い、聖域を設けることなく全ての施策を対象に見直しを行うほか、財源確保については、国・県などの動向を確実に把握したうえで予算要求に反映させるなど、次の世代に過度の負担を先送りしない、持続可能な財政運営に努めることを念頭に、職員一人ひとりが主体的に創意工夫と柔軟な発想をもって取り組むことといたしました。
また、重点施策として、「人と人がつながり、安全・安心に暮らせるまちづくり」、「住みたい」「訪れたい」と感じるまちづくり」、「人と産業を育み、安定した雇用を創出するまちづくり」、「結婚・出産・子育ての希望をかなえ、誰もが活躍するまちづくり」の4つの基本目標を定め、各種事業を推進するとともに、その予算化に当たっては、市民ニーズの把握、責任分野・役割分担の明確化などについて十分な検討を行うこととし、新規・拡充事業の財源は、既存事業や制度見直しにより創出することといたしました。
さらに、現在の財政状況を考慮すると、計画等に位置付けられた事業であっても、内容変更や実施時期の先送りも視野に入れなければならない状況にあることから、財源を投入すべき事業の取捨選択にあたっては、その緊急性、必要性、後年度におけるランニングコスト等の検討を徹底し、事務事業レベルで優先度を設定の上、財源の最適配分を図ることとし、これまで以上に歳入歳出の収支均衡の堅持を強く意識しながら、将来に向け健全な財政基盤の確立を図ることとし、人口減少社会が進展する中にあっても、質の高いサービスを提供できる予算編成を行いました。
令和7年度の主要事業の概要につきまして、総合計画における8つの街づくりの分野に沿ってご説明いたします。
まず始めに、一の街「便利で快適な街」の主な施策についてでございます。
重点施策の一つでございます「通学路の交通安全対策」といたしまして、県が実施する吉倉交差点の改良事業に伴い通学路安全対策として市道114号線・115号線の不動産鑑定等を実施するほか、五区20号線においては自転車の安全確保策として路面に矢羽根を表示、市道210号線では歩道整備工事を継続、また、舗装修繕工事計画に基づく修繕工事や通学路安全プログラムなどによる通学路安全対策工事を実施いたします。
また、近年の異常気象による雨水冠水対策といたしまして、大関区における水路の改修工事や、長谷地区における冠水対策のための雨水調整池用地の購入など、計画的に道路冠水の軽減と市民の安全の確保に努めてまいります。
そのほか、実証運行として開始しております乗り合いタクシー「チョイソコやちまた」の本格運行に向けての利用者アンケートを実施するなど、誰もが利用しやすい持続可能な公共交通体系の構築に努めます。
次に、二の街『安全で安心な街』の主な施策についてでございます。
防犯・交通安全対策といたしまして、新たな防犯カメラの設置を行うほか、引き続き、防犯ボックスを活用した、市民の方々や自治会、関係機関等が連携した防犯対策を推進するほか、自転車乗車用ヘルメット購入への助成や交通事故の危険性が高い箇所にカーブミラーの設置、交通安全に係る啓発活動など、交通安全の推進に努めてまいります。
そのほか、自主防災組織の設立支援や、避難所への資機材の整備、防災訓練の実施など、市民の皆さまが安全で安心して暮らせる街づくりを推進してまいります。
次に、三の街『豊かな自然と活力あふれる街』の主な施策についてでございます。
基幹産業である農業の振興を図るため、次世代を担う新規就農者に対し、就農直後の経営発展のために必要な機器・施設の導入への助成や、地域計画等に位置づけられた農業者の農業経営の改善・発展を図るため、融資機関からの融資を活用して行う、農業機械等の整備への助成のほか、循環型社会の推進を図るため、家庭用リチウムイオン蓄電池システムなどを設置された方々への助成や、消費生活トラブルの対策強化を図るため、消費生活センターの機器の更新を行うなど、各産業の力強い発展を支援する取組みを行います。
そのほか、各種イベントの開催や、民間団体によるイベント開催支援、私のトップセールスによる地元産品のPRの推進など、まちに賑わいをもたらす各種施策の推進を図ってまいります。
次に、四の街『健やかに成長できる街』の主な施策についてでございます。
妊娠・出産・子育て支援を図るため、母子手帳の電子化を図るほか、帯状疱疹ワクチン接種や、造血細胞移植後の定期接種ワクチンの再接種費用への助成、成人歯科検診の実施など、住みなれた地域で生涯にわたり、いきいきと暮らすことのできる施策を推進するほか、待機児童の解消を図るため、民間保育園の整備費用への助成や、朝陽保育園の屋根改修工事を実施するほか、引き続き、18歳までの医療費助成など、安心して子育てができ、子どもたちが健やかに育つ環境整備に努めてまいります。
次に、五の街『心の豊かさを感じる街』の主な施策についてでございます。
教育分野では、実住小学校や八街中学校等の照明のLED化に係る設計など、快適な教育環境の推進を図るほか、今後の学校のあり方を検討する「地域懇談会」を開催するなど、長期的な視点を踏まえ、学校教育を取り巻く課題解決にも取り組んでまいります。
また、引き続き、通学の安全確保を行うため、スクールバスの運行や民間路線バスによる通学者への通学費の助成、小中学校の水泳事業の質の向上等を図るため、水泳事業の民間委託を行うとともに、地域と一体となって子供たちを育む「地域とともにある学校づくり」を推進するため、地域の方々や保護者などから構成される「学校運営協議会」を、すべての小中学校に設置するほか、中学校の部活動を地域に移行するためのモデル事業を実施し、地域に移行するための様々な課題の把握や効果検証等を行うなど、少子化の中でも、将来にわたり中学校の部活動が行える機会の確保に努めてまいります。
また、新年度も、市内小中学校に通う第3子以降の児童・生徒の学校給食費の無償化を実施するほか、食材料費の高騰が長期化していることから、新たな保護者負担を増やすことがないよう、賄い材料費の一部を市の予算で対応するよう、予算措置したところでございます。
次に、六の街『思いやりにあふれる街』の主な施策についてでございます。
少子高齢化が進む中、高齢の方々の活躍が求められていることから、保健事業や介護予防の一体的な実施や、人間ドックの受検費用、各種予防接種費用への助成などを行うほか、新規事業として、補聴器購入への助成を実施するなど、高齢者が生きがいを持ち、安心して元気に暮らせるよう、生きがいづくりの支援を行ってまいります。
また、障がいのある方が、自分らしく、自分の意思に基づき、住み慣れた地域で安心して生活できるよう、障がい者福祉サービスや、補装具費用の助成などの障がい者自立支援給付事業の実施、グループホーム運営に対する助成や、医療費や交通費に対する助成のほか、交流・相談の場の提供など、必要な予算を措置したところでございます。
次に、七の街『市民に寄り添うやさしい街』の主な施策についてでございます。
市民の利便性の向上を図るため、引き続き、マイナンバーカードを活用したコンビニでの証明書交付サービスや、市公式LINEを活用し、住民票や税証明書の請求、各種健康診査の予約などのオンライン手続きを行うほか、窓口サービスにつきましても、質の向上を図るなど、市民の皆様にとって、効率的で利便性の高い窓口サービスの提供に努めます。
そのほか、国民皆保険制度の要となります「国民健康保険」につきましては、保険給付事業や、生活習慣病防止を目的とした特定健康診査を実施するなど、健康の維持・増進に取り組んでいまります。
最後に、八の街『ともにつくる持続可能な街』の主な施策についてでございます。
少子高齢化・人口減少が進む中で、持続可能なまちづくりの実現には、自助、共助、公助の考えのもと、さまざまな活動主体が、分野や世代を横断して連携・協力する協働の推進が不可欠でございます。
このようなことから、市民活動との連携・支援や、コミュニティ活動の支援を行うほか、まちづくりに活かせる地域資源を発掘・育成し、有効活用するための場や機会の提供を行ってまいります。
そのほか、中央公民館などの公共施設予約のオンラインの手続きなど、市民の利便性向上と行政事務の効率化を図るための経費を計上するほか、携帯電話事業者と連携し、スマートフォンの基本操作を中心に学ぶ、「スマホ教室」を開催するなど、すべての市民がデジタル化の恩恵を受けられるよう、セキュリティ対策の強化を図りながら、市民の方々のためのデジタル化を推進してまいります。
また、本市の財政状況は、人口減少や少子高齢化の進展などに伴う市税の伸び悩み、扶助費の増加などにより、非常に厳しい状況となっていることから、収入に見合った支出を基本とする財政構造に変革する取組みにつきまして、全庁一丸となった取組みを進めてまいります。
令和7年度は、先に申し上げましたとおり、総合計画2025の初年度ともなる重要な年となっております。
市政運営に当たりましても、私の市政運営の基本理念であります「市民の皆様との協働による街づくり」を実践するため、市民の皆様との対話を大切にして、市政に取り組み、安心して住めるまちづくりの政策を実現すべく、誠心誠意取り組んでまいります。
ここに改めまして、市民の皆様並びに議員各位の一層のご理解とご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げまして、令和7年度の市政運営方針といたします。
近年、全世界で猛威を振るっておりました新型コロナウイルス感染症につきましては、市民や事業者の皆さまの感染症対策のご努力によりまして、昨年は、一定の収束を迎え、各種イベントも開催されるなど、地域に笑顔が戻った一年となりました。
しかしながら、本年1月1日には、能登を震源といたします「令和6年能登半島地震」が発生いたしました。改めまして、お亡くなりになった方々、ご家族の皆さまに謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災されました皆さまには、心よりお見舞い申し上げます。
市民の皆さんの命と暮らしを守り、持続可能な行財政運営を行うことは、私に課せられた大きな責務でございます。
引き続き、安全で安心して暮らすことのできるまちを作り上げるため、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えておりますので、市民の皆さま、議員の皆さまにはご理解・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
本市では、市の最上位計画である「八街市総合計画2015」をもとに、街づくりに取り組んでおります。
今年度におきましては、市民の皆さまから要望の多い、国道409号の住野十字路交差点改良事業は、順調に事業が進んでおり、本年3月末におおむね完了の予定となっております。住野十字路は、近隣市町へのアクセスの要となっており、市民の皆さまの利便性が向上に繋がるとともに、新たな地域の活性化につながるものと期待しているところでございます。
そのほか、昨年10月から、予約型のりあいタクシー「チョイソコやちまた」の実証運行を開始したほか、妊産婦への経済的な支援の充実を図る「妊婦支援給付金支給事業」や、第3子以降の小・中学校の給食費の無償化など、各世代のニーズに応じた施策を実施しているところでございます。
令和6年度は、「総合計画2015」の最終年であり、市の将来像である「ひと・まち・みどりが輝くヒューマンフィールドやちまた」の実現に向けた取組の総仕上げを行う重要な年となります。同時に、今後10年間の街づくりの指針となる次期総合計画の策定を行う年でもあります。
令和6年度におきましても、本市を取り巻く状況は依然として厳しい状況でございますが、都市基盤、教育、防災・防犯、交通安全といった、基本となる行政サービスを低下させることなく、デジタル社会への変容、多様化・複雑化する市民ニーズに対応しつつ、持続可能な社会の構築、互いに人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向けまして、「八街市総合計画2015」に基づき、各種施策を着実に推進し、「安心して住めるまちづくり」を進めてまいります。
令和6年度の予算編成にあたっての基本的な考え方を申し上げます。
現在の本市の財政状況を申し上げますと、子どもを育む環境づくりや高齢者等への施策の拡充などに伴い、扶助費などの義務的経費が増加傾向にあり、投資的経費では、老朽化が進んだ公共施設等の更新や長寿命化を行うに当たり、多額の財政負担が見込まれる状況でございます。
一方、行政のデジタル化や脱炭素化対策など、新たな課題に即した行政サービスへの変革が求められており、社会経済活動はコロナ禍以前の状況に戻りつつありますが、エネルギーや食料品をはじめとしたさまざまな分野にわたる物価高騰や円安等の影響も長期化しており、この先の状況の見通しを立てることは大変難しくなっている状況であることから、これまでの以上に歳入歳出の収支均衡の堅持を強く意識しながら、将来に向け健全な財政基盤の確立を図る必要がございます。
こうした点を踏まえまして、令和6年度の予算編成におきましては、市民ニーズの的確な把握や客観的な根拠に基づきながら、直面する課題解決に向けて、前例にとらわれず歳出全般にわたり見直しを行うとともに、職員一人一人が主体的に創意工夫と柔軟な発想をもって取り組むこととし、「通学路交通安全対策」、「こどもを育む環境づくりの充実」、「行政デジタル化の推進」、「脱炭素化対策の促進」の4つを、令和6年度の重点施策と位置付け、人口減少社会が進展する中にあっても、質の高いサービスを提供できる予算編成を行いました。
令和6年度の主要事業の概要につきまして、総合計画における8つの街づくりの分野に沿ってご説明いたします。
まず始めに、一の街「便利で快適な街」の主な施策についてでございます。
重点施策の一つでございます「通学路の交通安全対策」といたしまして、東吉田区の市道210号線における交差点改良の詳細設計業務を実施するほか、八街南中学校の前面道路であります市道216号線に矢羽根の表示を行い、自転車の安全な通行を促し、自動車ドライバーに対しても、車道上の自転車通行位置を知らせることで、道路の安全性の向上を図ってまいります。
また、近年の異状気象による雨水冠水対策といたしまして、調整池に貯まった雨水を効果的に配水するため、西林区や沖区の調整池に水中ポンプを設置するほか、泉台団地内にある幹線水路の清掃経費を計上するなど、計画的に道路冠水の軽減と市民の安全の確保に努めてまいります。
そのほか、国道51号及び佐倉インターチェンジへのアクセスの向上につながる事業でございます、県道神門八街線から佐倉の工業団地へのバイパス整備事業につきましては、新年度におきましては、排水路設計、不動産鑑定の実施に伴う市負担分の費用を計上しております。
今後も市民生活や産業活動を支える道路等につきましては、交通需要や渋滞箇所を把握する中で、計画的な整備を進めてまいります。
次に二の街『安全で安心な街』の主な施策についてでございます。
防災・減災対策といたしまして、防災公園としての機能を持つ「けやきの森公園」の防災力の強化を図るため、隣接する土地の購入経費を計上するほか、災害時の早期開設の避難所となっております「用草公民館」へのエアコン設置経費を計上しております。
また、現在、県による新たな土砂災害警戒区域の指定手続きが進められており、本市南部地域に土砂災害警戒区域の追加が見込まれております。このため、土砂災害ハザードマップを新たに作成し、土砂災害の危険性がある区域と避難行動に役立つ情報を市民の方々へ提供し、日頃からの備えと防災に対する意識を高めていただけるよう、情報提供を行ってまいります。
そのほか、見通しの悪い交差点など、交通事故の危険性が高い箇所にカーブミラーの設置を進めるほか、中学生の交通事故防止と自転車の重大事故防止のため、スタントマンによる自転車事故再現を行いながら、交通安全意識の向上を図る「スケアード・ストレイト交通安全教室」の実施や、飲酒運転の根絶に向けた啓発活動を行うなど、市民の皆さまが安全で安心して暮らせる街づくりのための経費を計上しております。
次に三の街『健康と思いやりにあふれる街』の主な施策についてでございます。
保育の向上を図るため、保育園における登園管理システムの導入やWi-Fi環境の整備など、Ict環境の構築を図る経費を計上するほか、学校外に設置しております児童クラブ、2施設につきまして、照明のLED化の予算を計上するなど、保育環境の向上と保護者の負担軽減を図ってまいります。
また、敬老事業の見直しを行い、米寿を迎える88歳の方々と100歳を迎える方々に対し、「長寿のお祝い」といたしまして、祝い金を贈呈する経費を計上しております。
そのほか、今年度から新規事業として実施しております、市外への通院や出産に係る交通費等を助成する「妊婦支援給付金給付事業」や、18歳までのお子様の医療費を助成する「子ども医療費助成事業」に係る経費を計上するなど、子育て支援関連予算にも重点的に配分を行っております。
次に四の街『豊かな自然と共生する街』の主な施策についてでございます。
一般廃棄物として定義されている「ごみ」と「生活排水」に関する処理・処分に関し、基本的な方向性を定めます「一般廃棄物処理基本計画」の策定に係る経費を計上しており、その中におきまして、次期ごみ処理施設の整備等に係るコストなどの比較検証を行うほか、本計画の中で食品ロス削減推進計画につきましても、同時に策定を行うものでございます。
そのほか、「八街市環境基本条例」に基づき、環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための計画となります「八街市環境基本計画」の策定を行い、併せて、地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく「地球温暖化対策地方公共団体実行計画(区域施策編)」、気候変動適応法に基づく「気候変動適応計画」を包括したものを策定するものでございます。
また、省エネルギー設備等の導入を促進するため、家庭用リチウムイオン蓄電池システムや電気自動車などを設置、購入された方々への助成事業であります「住宅用設備等脱炭素化促進事業費」を今年度と同額、予算計上するとともに、子ども達の環境意識の向上を図るため、地球温暖化対策をテーマとした「やちまた環境フェア」を実施するなど、ソフト・ハードの両面から、地球温暖化対策の推進と電力の強靱化を進めてまいります。
次に5の街『心の豊かさを感じる街』の主な施策についてでございます。
教育分野では、現在の各家庭における洋式トイレの普及やバリアフリーの視点から、すべての小中学校のトイレの洋式化につきまして、計画的に順次進めているところでございますが、今年度は、八街中学校のトイレの洋式化を行っており、3月末には完了する予定でございます。新年度は、八街南中学校のトイレ洋式化を計画しているほか、交進小学校及び八街北中学校の校舎のLED化を計画するなど、快適な教育環境の推進を図るための経費を予算計上しております。
そのほか、小中学校の水泳事業の質の向上等を図るため、新規事業といたしまして、水泳事業の民間委託を行い、天候に左右されずに安全に計画的に実施できるよう、必要経費を計上するほか、通学の安全確保を行うため、スクールバスの運行を実施するとともに、新規事業といたしまして、民間路線バスによる通学者の負担軽減を図るため、通学費の助成を行うための経費を計上しております。
また、地域の方々や保護者などから構成される「学校運営協議会」を設置し、学校と地域の方々などが力を合わせ、子どもたちのより良い環境づくりに取り組む「地域とともにある学校」の実現を目指し、新年度は、八街北小学校をモデル校として実施するほか、中学校の部活動を地域に移行するためのモデル事業を実施し、地域に移行するための様々な課題の把握や効果検証等を行うなど、少子化の中でも、将来にわたり中学校の部活動が行える機会の確保に努めてまいります。
また、新年度も、市内小中学校に通う第3子以降の児童・生徒の学校給食費の無償化を実施するほか、物価高騰による食材料費の高値状態が長期化していることから、新たな保護者負担を増すことがないよう、賄い材料費の一部を市の予算で対応するよう、予算措置したところでございます。
次に六の街『活気に満ちあふれる街』の主な施策についてでございます。
本市の基幹産業である農業につきまして、農業従事者の高齢化、後継者不足が課題となっていることから、新規就農者等への営農支援、栽培技術の情報提供など、ワンストップで支援を行う「八街市農業者支援センター」を開設することとし、農業が抱える様々な課題の解決への支援を行います。
また、本市でも、ハクビシンやアライグマなどの有害獣類による農作物被害が確認されていることから、農地の保全を図るため、農業者が新規に電気柵を設置した場合、その一部を助成するとともに、地域住民による「鳥獣被害対策実施隊」の運営費用を助成するための経費を計上しております。
そのほか、本市の恒例イベントとなっております「八街落花生まつり」でございますが、今年度は、熊谷千葉県知事にもご来場いただき、盛況のうちに開催することができました。新年度も、味・生産量ともに日本一の八街産落花生の産地として、市内外から多くの方にご来場いただけるよう、実施してまいります。
また、落花生まつりの会場ともなっております、「八街駅北口市有地」でございますが、賑わい創出と駅周辺の活性化を図るため、「八街駅北口市有地」をイベント広場として整備することとし、必要となる設計業務の経費を計上しております。
今後も様々な活動や機会を通じて、魅力溢れる八街市のPRに努め、地域経済の更なる活性化に取り組んでまいりたいと考えております。
次に七の街『市民とともにつくる街』の主な施策についてでございます。
これからの街づくりには、市民、市民活動団体、事業者など、本市に関わるすべての方々が、互いに連携・協力して様々な課題に取り組み、少子高齢化・人口減少社会に対応した、「協働」による持続可能な街づくりが不可欠な状況でございます。
このようなことから、今年度、多様化する地域課題を解決していくため、市民協働推進課内に新たにまちづくりをコーディネートする専門職員を配置し、あらゆる活動主体が参画しながら、街づくりに取り組むことのできる体制づくりに努めたところでございますが、新年度におきましても、必要経費を計上するとともに、街づくりの活動や地域資源に関する情報をお知らせする「ニュースレター」を新たに発行するなど、市民と行政など本市に関わるすべての人々が協力・連携し、住み続けたいと思える街づくりを推進してまいります。
最後に8の街『市民サービスの充実した街』の主な施策についてでございます。
市民の利便性向上と行政事務の効率化を図るため、今年度、市公式Lineを活用し、住民票の写しや税証明書の請求、各種健康診査の予約などをスマートフォンなどからオンラインで申請し、必要な手数料等の支払いもオンライン決済することができるシステムの運用を開始したほか、中央公民館やスポーツプラザなどの公共施設の予約について、オンラインで予約ができる「公共施設予約システム」を導入するなど、来るせずに、24時間いつでも手続きができるよう、Dxの推進を図っているところでございますが、新年度では、パスポートの申請・受取について、紙の申請書による申請では、申請時とパスポートの受け取り時の2回窓口へお越しいただく必要がございますが、「オンライン申請」を導入することにより、窓口にお越しいただくのは原則として受け取り時の1回となるなど、「スマート市役所」の構築を目指し、新年度におきましても、必要な予算を計上しております。
そのほか、スマートフォンなどに不慣れな方もおられることから、携帯電話事業者と連携し、スマートフォンの基本操作を中心に学ぶ、「スマホ教室」を開催するなど、「誰一人取り残さない」デジタル化の実現に向け、すべての市民がデジタル化の恩恵を受けられるよう、心配される情報漏洩などに対するセキュリティ対策の強化を図りながら、市民の方々のためのデジタル化を推進してまいります。
令和6年度は、先に申し上げましたとおり、総合計画2015の最終年、総仕上げの年ともなる重要な年となっております。
市政運営に当たりましても、私の市政運営の基本理念であります「市民の皆さんとの協働による街づくり」を実践するため、市民の皆さんとの対話を大切にして、市政に取り組み、「安心して住めるまちづくり」の政策を実現すべく、誠心誠意取り組んでまいります。
ここに改めまして、市民の皆さん並びに議員各位の一層のご理解とご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げまして、令和6年度の市政運営方針といたします。
昨年11月の市長選挙において、皆さんのご支援をいただき、4期目の市長の任に就くこととなりました。4期目のスタートに当たり、今後の市政運営につきまして、昨年12月議会で所信を表明したところでございますので、詳細については省かさせていただきますが、私の市政運営の基本理念は、市民の皆さまの声を拝聴し、市民の皆さまと協働してまちづくりを進めていくことでございます。今後の4年間におきましても、この考えのもとに、引き続き市民のためのまちづくりを進めてまいりたいと考えておりますので、市民の皆さま、議員の皆さまにはご理解・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
本市では、市の最上位計画である「八街市総合計画2015」をもとに八街市の産業の振興、人口減少対策、魅力発信、地域の活性化など、故郷八街のまちづくりに取り組んでおります。現在、八街市総合計画に基づき2020年から2024年の後期基本計画(第2次八街市まち・ひと・しごと創生総合戦略)に基づき、引き続きまちづくりを進めてまいります。
令和5年度の市政運営を行うにあたり、重点施策として、「新型コロナ感染症対策」、「通学路の交通安全対策」、「子育て支援策」、「Dxの推進」、「脱炭素価の促進」の大きく5つの施策による市政運営を行ってまいります。
本年も昨年と同様、長期化するコロナ禍に加えて、ロシアのウクライナ侵攻に端を発した物価の高騰、地域経済の低迷など本市を取り巻く状況は依然として厳しいものでありますが、持続可能な社会の構築、魅力溢れるまちづくりに向けて、「八街市総合計画2015」をもとに、着実に各種施策を推進することによりまして、将来都市像としての『ひと・まち・みどりが輝くヒューマンフィールドやちまた』の実現に向けて取り組んでまいります。
次に、令和5年度の予算編成にあたっての基本的な考え方を申し上げます。
令和5年度の予算編成については、感染症によって生じる社会変容への対応や地球温暖化の影響と言われております気候変動による自然災害への備えを確実に進めながら、現状の行政サービスを維持・向上させ、さらなる市政発展を目指し、八街市総合計画2015に掲げた各施策を着実に推進するほか、時代に即した施策についても取り組んでいくことから、これらの財政需要に柔軟に対応していくため、予算編成の原則を遵守することを念頭に、創意工夫による歳入確保に一層努めるとともに、限られた財源の中で歳出全般に渡る見直しや積極的な改善を全庁一丸で徹底的に行い予算編成を進めてまいります。
また、各施策を推進するにあたっては、現時点で優先すべき課題として、令和4年度に位置づけた「新型コロナウイルス感染症対策」、「通学路の交通安全対策」、「子育て支援策」に新たな政策課題となっている「Dxの推進」、「脱炭素価の促進」を追加しこれらを令和5年度の重点施策といたします。
こうした点を踏まえまして、令和5年度の予算は、限られた財源を有効に活用するため、施策の厳選化と重点化を徹底し、歳入に見合った規模の通年型予算として編成をしたところでございます。
今後とも、自主財源の確保や予算の効果的な配分と執行に努め、経常収支比率など各種財政指標に注意しつつ、将来にわたり持続可能な財政運営を行ってまいりたいと考えております。
令和5年度の主要事業の概要につきまして、基本構想の8つの街づくりの分野に沿って説明いたします。
まず始めに、一の街『便利で快適な街』のための主な施策についてでございます。
誰もが乗りやすい地域公共交通の確立を目指し、市内の交通空白地帯を解消するとともに、持続可能な公共交通体系として構築することを基本方針に掲げ、高齢者のみならずすべての市民の方にご利用いただける新たな公共交通として、「デマンド型乗り合いタクシー」の実証実験を令和5年10月より市内全域を対象区域として運行してまいります。
その他、児童生徒が安全安心に通学することが出来るよう市内3箇所の交差点改良の詳細設計を実施するほか、自転車の通行位置と方向を明示して、自転車の安全な通行を促す矢羽根を設置し、自転車利用者だけでなく、自動車ドライバーに対しても、車道上の自転車通行位置を知らせる法定外の路面表示を実施します。
その他、子どもたちが安全に通学できるよう、通学路等の交通量を抑制するためには、幹線道路の整備も重要でございます。現在、県で実施しております国道409号と県道富里酒々井線の交差する住野交差点改良工事につきましては、地元区や関係地権者の皆さん方のご理解ご協力により事業が円滑に進められております。
また、令和4年1月27日付けで国から事業認可されました県道神門八街線から佐倉の工業団地へのバイパス整備事業につきましては、八街都市計画道路3・4・3号八街神門線から佐倉計画道路3・4・20号岩富海隣寺線に接続し、国道51号及び佐倉インターチェンジへのアクセスの向上につながる事業であり、事業計画区域の用地測量の実施に伴う市負担分の費用を計上しております。
今後も市民生活や産業活動を支える道路等につきましては、交通需要や渋滞箇所を把握する中で、計画的な整備を進めてまいります。
次に二の街『安全で安心な街』のための主な施策についてでございます。
交通事故のない安全で安心なまちづくりを進めるため、見通しの悪い交差点など、交通事故の危険性が高い箇所に曇りづらい高機能カーブミラーを設置するほか、中学生の交通安全意識の向上及び自転車による交通事故を抑制するため「スケアード・ストレイト交通安全教室」の実施、更には通学路にドライバーへの注意喚起として、効果的な路面標示を実施して児童生徒の登下校時の安全性の向上を図ります。
また、災害対策として、現在、県による新たな土砂災害警戒区域の指定手続きが進められており、本市に土砂災害警戒区域の追加が見込まれております。このため、土砂災害ハザードマップを新たに作成し、市民の皆さまに平時から土砂災害に関するリスク情報を提供するとともに、土砂災害からの避難に関する情報をわかりやすくまた、適切な行動をとることができるように情報提供を行ってまいります。
次に三の街『健康と思いやりにあふれる街』のための主な施策についてでございます。
子育て支援にかかる令和5年度の主な新規事業でございますが、各保育園での使用済み紙おむつの保管について、自動密閉式のおむつボックスを導入することで、おむつを圧縮してラミネート処理するため、匂い漏れや雑菌の繁殖を防止し、感染拡大を予防します。
また、保育園の待機児童解消のため、新たに私立小規模保育事業所の新設に係る施設整備費を補助し、保育施設の充実を図ります。
その他、妊娠・出産した女性に出産育児関連用品の購入費の助成や子育て支援サービスの利用負担軽減を図ることを目的とした「出産・子育て応援給付金」を給付いたします。さらに市外に通院や出産時等に係る交通費を助成し、妊婦やその家族の経済的負担を軽減いたします。
現在、生活保護受給者の医療扶助については、自治体が発行する医療券及び調剤券を医療機関に提示することとなっておりますが、マイナンバーカードを利用したオンライン資格確認を導入し、生活保護受給者の利便性の向上を図ります。また、AIを活用したサービスを利用し、生活保護世帯のケースワーク業務の負担を軽減いたします。
次に四の街『豊かな自然と共生する街』のための主な施策についてでございます。
近年、地球温暖化の影響と言われております異常気象による自然災害が頻発しており、地球温暖化対策は世界的な社会問題となっております。このことから市民の皆さんにもエネルギーや環境問題に関心を持っていただくため、地球温暖化対策の学習会を開催し、地球温暖化対策の啓発を図ります。 さらに省エネルギー設備等の導入を促進するため、新たに補助対象設備に定置用リチウムイオン蓄電池システム、家庭用燃料電池システム、電気自動車、V2H充放電設備を加え地球温暖化対策の推進を図るとともに電力の強靱化を進めます。
その他、公園の照明灯のLED化を図り、環境に配慮すると共に経費の削減を図ってまいります。
本市の豊かな自然に囲まれた良好な自然環境を将来にわったて保全し、次の世代にしっかりと継承していくため、総合的な保全対策を進め、自然との共生を目指してまいります。
次に五の街『心の豊かさを感じる街』のための主な施策についてでございます。
まず、学校教育施設の整備についてでございますが、二州小学校沖分校の浄化槽の老朽化に伴い新たに浄化槽を更新するほか、災害時の指定避難所となっております八街中央中学校の屋内運動場については、築50年が経過しており、長寿命化改良事業係る設計業務に要する費用を計上しております。
中央公民館につきましては、館内の照明設備をLED化し、環境に配慮すると共に省電力化による経費の削減を図ってまいります。
スポーツプラザ、中央公民館などの施設の利用方法は、これまで事務室窓口での申請が必要となっておりましたが、利用者する方が24時間365日いつでも予約が出来るように新たにシステムを導入し、市民の利便性向上及び業務の効率化を図ってまいります。
昨今の不安定な社会情勢に伴う、急速な物価高騰により、経済的に負担の大きい子育て世帯を支援するため、市内小中学校に通う第3子以降の児童・生徒の学校給食費を無償化いたします。
その他、物価高騰による食材料費の高値状態が長期化する可能性が高く、学校給食への影響が避けられなくなっており、新たな保護者負担を増すことがないように安定した学校給食を維持するため、賄い材料費の一部を補助いたします。
次に六の街『活気に満ちあふれる街』のための主な施策についてでございます。
本市では、タヌキ、ハクビシン、アライグマなどの有害獣類による農作物の被害が確認されており、被害が拡大していくと営農意欲の減退にもなりかねない問題となります。
また、近年、本市においてもイノシシの目撃情報が寄せられており、有害鳥獣被害を防止するため、令和3年12月に「八街市野生鳥獣被害防止対策協議会」を設立し、有害鳥獣の被害防止対策に努めてまいりました。
令和5年度には、新たに農業者自身による有害獣被害対策といたしまして、農業者が新規に電気柵を整備した場合に資材購入費に対して補助金を交付し、有害鳥獣からの農作物被害をなくし、農業経営者を支援してまいります。
その他、新規事業ではございませんが、昨年、4年ぶりの開催となりました「八街落花生まつり」につきましては、味・生産量ともに日本一の八街産落花生の産地として、市内外から多くの方にご来場いただき、用意した落花生が直ぐに売り切れてしまうほど盛況でございました。また、当日は、職員が落花生をモチーフにデザインしましたイベント用の法被を市民の皆さまに初披露させていただいております。令和5年度は、昨年の落花生まつりを検証し、反省を踏まえた上で、さらに内容の充実を図って開催するための予算を計上しております。
今後も様々な活動、機会を通じて、魅力溢れる八街市のPRに努め、コロナ禍によって長く停滞しておりました地域社会、地域経済の更なる活性化に取り組んでまいりたいと考えております。
次に七の街『市民とともにつくる街』のための主な施策についてでございます。
現在、全国的な少子高齢化の進展により、核家族化や単身者世帯が増加するなど社会構造の変化に加えて、長期化する新型コロナウイルス感染症の拡大による外出自粛や外食の減少、在宅勤務やオンライン授業の増加などの原因により、人と会う機会が減り、人と人との繋がりの希薄化が進行し、地域コミュニティの維持や存続が危ぶまれており、地域による助け合いの機能が衰退してきております。
このような社会状況の中で、従来型の行政による社会サービス提供のあり方だけでは対応が難しくなってきており、持続可能な社会を築いていくため本市では、市民と行政など八街市に関わるすべての人々が協力・連携し、住み続けたいと思えるまちづくりに取り組む「協働のまちづくり」を推進してまいりました。
令和5年度につきましては、多様化する地域課題を解決していくため、市民協働推進課内に新たにまちづくりをコーディネートする専門職員を配置し、あらゆる活動主体が協働できるまちづくりに取り組むことの出来る体制を整えるための予算を計上しております。
市では、今後も住み慣れた地域で自分らしく生活していける安全・安心なまちづくりを実現するために、市民の皆さんが積極的にまちづくりに関わっていただきたいと考えており、そのための仕組み作りを積極的に進めてまいります。
最後に八の街『市民サービスの充実した街』のための主な施策についてでございます。
本市では、昨年の組織改編に併せて、行政手続きのオンライン化、自治体のシステムの標準化・共通化等を通じて、行政手続きの効率化を図るため、システム管理課内にデジタル推進室を新たに設置し、全庁的な業務の改革に取り組むべき作業を進めてまいりました。
令和5年度は、住民票の写しや税証明書の請求、各種健康診査の予約などをオンラインで申請し、必要な手数料等の支払いもオンライン決済することができる「スマート市役所」の実現をめざし、各種手続きの電子申請システムの導入及び電子決済を導入することにより市民サービスの向上を図るとともに業務の効率化を進めてまいります。また、併せて電子申請の方法など、市民に対する周知にも努めてまいります。
その他、全庁的なデジタルトランスフォーメーションの推進体制を構築していくにあたり、デジタル人材の育成を図るため、職員研修の充実や、システムの導入により、心配される情報漏洩などに対するセキュリティ対策も併せて強化してまいります。
令和5年度予算は、私の市長4期目の集大成とも言うべきまちづくりに向けたスタートとなる大変重要な予算編成だと認識しております。
私は市長として市政運営の舵取りをする立場となってから、市政運営に当たっての基本理念は、市民の声を拝聴し、それを市政に活かす市民のためのまちづくりを進めてまいりました。今回の市長選挙において、私が思い描く理想像「安心して住めるまちづくり」を念頭に市民の皆さんにお約束をいたしました政策を実現すべく誠心誠意取り組んでまいる所存でございます。
政府はこのほど、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けを5月8日から季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げることなどを決定いたしており、まさにこれから八街市が再びコロナ前の元気な街に戻るために
私は、市長として活気溢れるまちづくりに全力で取り組んでまいります。
ここに改めまして、市民の皆さん並びに議員各位の一層のご理解とご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げまして、令和5年度の市政運営方針といたします。
昨年、一旦は、落ち着いたと思われた新型コロナウイルス感染症ですが、新たな変異株であるオミクロン株の出現により、年明けから感染者が急拡大し、その影響は全国に及び、感染者数が急激に増加しております。
令和4年2月10日、政府は、13都県に適用しているまん延防止等重点措置を2月13日から3月6日までの3週間延長すると発表いたしました。
本市におきましても、「県における基本的な考え方」に基づき、市民の皆さんには、これまで休業要請など社会経済活動の自粛や感染リスクが高い場所への外出・移動の自粛、マスクの着用や手洗いの実施、21時以降、飲食店の利用自粛など感染防止対策にご協力をいただいておりますこと心より感謝申し上げます。今後も予断を許さない状況に変わりはございませんので、引き続き感染拡大の防止対策に更なるご協力をお願い申し上げます。
また、新型コロナワクチンの追加接種につきましては、感染拡大防止及び重症化予防の観点から、現在、医療従事者の方、高齢者施設の入居者及び従事している方の追加接種を進めており、2月6日から高齢者の方への先行接種を開始したところでございます。
今後も3回目のワクチン接種を着実に進めていくため、八街市医師会、歯科医師会の皆さんのご協力をいただきながら、これまでの経験を活かしてスピード感を持って円滑なワクチン接種に取り組んでまいります。
併せて、無料Pcr検査につきましては、現在、市内3箇所の薬局等で感染リスクが高い環境にある等のため感染不安を感じる無症状の方に対して実施しております。Pcr検査は、日常生活や経済社会活動における感染リスクを引き下げるための有効な手段となりますので、感染の不安を抱える市民の皆さんに積極的にご利用いただきたいと思います。
長期化する新型コロナウイルス感染症の影響により、国内の地域経済、産業は、深刻な打撃を受けております。市長として、市民の皆さんが安全・安心に暮らせるようにすることが使命と考えておりますので、今後も国、県と連携して、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策と地域経済活動の両立に全力を尽くしてまいります。
最後に令和4年1月19日本市の農場で発生した「高病原性鳥インフルエンザ」につきましては、千葉県による殺処分及び消毒作業などの防疫措置が、1月24日に完了し、本日2月15日0時に県による移動制限が解除いたしましたことをご報告いたします。
本市では、市の最上位計画である「八街市総合計画2015」をまちづくりの指針として定め、様々な施策を総合的・計画的に取り組んでおります。2020年を初年度とする後期基本計画に基づき、昨年は、児童館の開館、老人福祉センターのリニューアルオープン、八街バイパスの全線開通、八街市結婚新生活支援事業、小中学校の屋内運動場トイレ洋式化整備等を実施いたしました。
また、年間を通じた新型コロナウイルス感染症対策や飲酒運転を原因とした通学路での児童の死傷事故を受け、通学路の安全対策、飲酒運転の根絶への取り組みを進めてまいりました。
令和4年度は、新型コロナウイルス感染症対策、通学路の安全対策、子育て支援の充実を重点的に進めるとともに、防災拠点となる庁舎をはじめ、公立保育園、幼稚園の照明器具をLED化するSdgsの推進、将来の街づくりに役立てる佐倉インターチェンジに接続する道路整備や住野交差点の改良など、様々な取り組みを積極的に進めてまいります。
また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、テレワークを導入する企業等が増えており、働き手の移住先や企業の移転先として地方が見直されています。これらの環境の変化を的確に捉え、東京への通勤圏内にあり、成田空港や酒々井プレミアムアウトレットモールへの良好なアクセスに加え、農業を基幹産業とする自然豊かな恵まれた立地条件を活かし、子育て世代をターゲットとした若い世代の移住・定住先として、新たな八街市の魅力を発信し、地方創生を加速化させてまいります。
今後も総合計画に掲げる8つの政策目標をもとに、将来都市像である「ひと・まち・みどりが輝く ヒューマンフィールドやちまた」の実現のため、計画的にまちづくりを推進してまいります。
次に、令和4年度の予算編成にあたっての基本的な考え方を申し上げます。本市の令和2年度における財政調整基金残高は約16億5千万円で、前年度と比較し約6億減、地方債残高は約181億1千万円で、前年度と比較し約7千万円の増となりました。また、経常収支比率については、95.6%で、3年連続で95%を超え、財政構造の硬直化が進んでいます。
令和3年度においても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、市税の減少が見込まれるなど、歳入面において厳しい状況が続く一方で、歳出面においては、感染症拡大防止に役立てる事業費はもとより、高齢化の進展により社会保障関係費や公共施設の老朽化対策、交通安全対策、デジタル変革への加速、地方創生の推進、防災・減災対策などが拡大しております。
令和4年度予算につきましても、長期化する新型コロナウイルス感染症の影響により、経済の先行きは不透明であり、また、新たな行政需要として、ごみ焼却施設基幹的設備改良事業費や北総中央用水土地改良事業の償還費など、昨年同様の厳しい状況が予想されておりますが、八街市総合計画2015に掲げる将来都市像の実現に向け、各施策を着実に推進するとともに、将来にわたり持続可能な財政運営を行っていくために、これまで以上に慎重な事務事業の見直しを含めた積極的な改善を行い、市民サービスを低下させることなく安定した市政運営を行うことを基本的な考え方として予算編成をいたしました。
それでは、令和4年度の重点施策として進めてまいります主な事業の概要につきまして、ご説明いたします。
令和4年度につきましては、将来都市像を実現するための具体的な施策である基本構想の8つの街づくりの分野毎に様々な事業を計画的に進めてまいります。各事業のなかで特に「新型コロナウイルス感染症対策」、「通学路交通安全対策」、「子育て支援対策」の3つを重点施策と定め取り組んでまいります。
まず1つめに、「新型コロナウイルス感染症対策」でございます。
我が国で新型コロナウイルス感染症の最初の感染者が確認されてから2年が経過いたしましたが、新たな変異株であるオミクロン株の出現により、感染者数が急激に増加しており、未だ予断を許さない状況でございます。
新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、収入が減少し生活に困窮する世帯に対しては、これまで緊急小口資金等の特例貸付を行ってきたところでございますが、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化するなかで、総合支援金の再貸付が終了するなどにより、利用できない世帯等に対し、就労による自立支援を図るため、また、それが困難な場合には円滑に生活保護受給に繋げるために自立支援金の支給を行う費用を計上いたしました。
また、ファミリーサポートセンター、児童クラブ、保育施設、中央公民館、図書館、スポーツプラザ等を利用する子ども達や保護者、職員等への新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐため、消毒液やパーテーション等の感染症対策用品の購入費用や検診時の感染を防ぐための消毒液の購入費用、また、落花生まつりやピーナッツ駅伝などのイベント開催時の感染拡大を防ぐための消毒液等の購入費用などを計上いたしました。
さらに市立保育園や小学校の和式トイレを洋式化とすることにより感染症の拡大防止を図ってまいります。
今後も市民の皆さんの命と暮らしを守る各種施策につきましては、継続して実施してまいります。
また、新型コロナワクチン追加接種につきましても、接種日時を指定して接種券の発送を順次進めており、指定期日より先行して接種を希望する方には2月6日から先行接種を開始したところでございます。
3回目のコロナワクチン接種を希望する市民の皆さんに対し、早くに接種ができるよう、今後も関係機関と連携して接種体制の強化に努めてまいります。
2つ目に「通学路交通安全対策」についてでございます。
昨年、本市で発生した大変痛ましい事故を受け、保護者や地域の方のご意見も伺いながら市教育委員会、学校管理職、佐倉警察署、県印旛土木事務所、市関係職員が連携して、「抜け道」や「見通しが良い道」なども対象とした緊急一斉点検を実施した結果、危険箇所としてあげられた150箇所につきましては、昨年より外側線やグリーンベルトの新規設置や引き直し、注意喚起看板の設置など、子どもたちが安全・安心に登下校できるよう安全対策を進めているところでございます。
令和4年度は、昨年に引き続き児童・生徒が安全安心に登下校できるよう、通学路の安全を確保するため、通学路の歩道整備、道路改良工事など道路整備に係る費用を計上したほか、ランドセルカバーなどの交通安全対策用消耗品の購入費用や交通事故防止施設等の整備として交通事故の危険性が高い箇所に注意喚起看板設置、カーブミラーの設置費用などを計上いたしました。
また、速度規制の検討、横断歩道や信号機の設置、道路や踏切の拡幅、交差点改良など警察署やJR、地権者との協議などが必要となるものにつきましても、整備計画を立て、しっかりと進めてまいります。
八街市の未来を担う子ども達の安全安心のため、今後も着実に通学路の安全対策を進めてまいります。
更に朝陽小学校では、事故後の子どもたちへの心理的ケアのためのスクールバスの運行を継続いたします。また、市内小学校で唯一、5年生から自転車通学を行っていた二州小学校につきましてもスクールバスを継続して運行する費用を計上し、安全対策の手段として、その運行の効果や可能性について引き続き検証してまいります。
通学路を含めた市内の道路安全対策を推進するにあたっては、昨年9月に設置した「八街市道路安全対策推進協議会」において、ETC2.0のデータを活用した交通実態分析や交通安全対策の検討など、千葉工業大学創造工学部都市環境工学科の赤羽教授や国土交通省関東地方整備局 千葉国道事務所 小島所長をはじめとするアドバイザーから必要な指導や助言をいただきながら道路の安全対策を着実に進めてまいります。
飲酒運転による事故の根絶に向けた取り組みについては、昨年、9月1日に「八街市飲酒運転根絶宣言」を行い、八街市全体で「飲酒運転をしない・させない・許さない」という飲酒運転根絶の気運の醸成を図り、ドライバーの交通マナーの向上に努めてまいりました。
令和4年度につきましても飲酒運転根絶に係るチラシ、ステッカー、懸垂幕等の作成やアルコールが運転に及ぼす影響や重大事故に直結する危険性などの周知を図り、飲酒運転の根絶を目指します。
飲酒運転は、「故意」であり、自分の意思や周囲の人の協力で防ぐことができるものです。繰り返しとなりますが「飲酒運転をしない・させない・許さない」という強い信念のもと、佐倉警察署や市民の皆さんのお力をいただきながら飲酒運転根絶に向けた取り組みを進めます。
そのほか市民の皆さんの経済活動を支える交通アクセスの整備は、大変重要な要素の一つと考えており、現在進めております住野交差点改良工事におきましても令和5年度中の完了を目途に整備が進められており、加えて佐倉インターチェンジにアクセスする道路整備につきましても千葉県印旛土木事務所と連携し、関係者のご理解・ご協力をいただきながら着実に進め、市民の皆さんの利便性の向上を図ってまいります。
3つ目に「子育て支援策」についてでございます。
昨年4月に本市初の子育て支援の拠点として、児童館「ひまわりの家」が中央公園の隣接に開館するとともに、老人福祉センター「ゆうゆう」がリニューアルオープンいたしました。両施設は、八街市社会福祉協議会を指定管理者と定め、民間による施設の管理運営によって、中央公園を核とした新たな賑わいの場として、子ども達とお年寄りの異世代間交流が行われるなど、これまでにない柔軟な施設の運営が行われております。
令和4年度につきましては、少子化による人口減少に歯止めをかけていくため、安心して子育てができる環境づくりを進めます。
そのひとつとして、子育て家庭の仕事と子育ての両立を支援するため、保育施設等の待機児童解消対策を進めてまいります。昨年4月に私立八街泉こども園が開園したことに伴い、年度当初の待機児童数はゼロとなりました。
しかしながら、家族形態の変化による核家族化の進展や、女性の社会進出が増加する中で、今後も保育を必要とする家庭の増加が見込まれるため、新たに小規模保育事業所1園の施設整備事業費を計上し、保育枠の拡大を図り、子育て家庭の支援を進めます。
また、小学生の子を持つ保護者が安心して就労出来るよう、児童クラブの施設整備費を計上いたしました。これまで学校から離れた場所に設置されておりました八街児童クラブ、八街北児童クラブを実住小学校、八街北小学校八街東小学校内に移設、増設してまいります。更に八街北児童クラブの定員の増を図るなど、児童の放課後の生活の場として、その健全な育成を図るとともに保護者が安心して子育てが出来る環境づくりに努めます。
併せて、国の制度を活用して、私立保育園、私立こども園、放課後児童クラブ等に勤務する職員の処遇改善を図り、保育士不足等の解消に努めます。
コロナ禍において、家庭で過ごす時間が多くなり、児童虐待の増加が心配されておりますことから、児童虐待の未然防止、再発時の迅速かつ適切な対応により、子ども及び家庭を総合的に支援するため児童相談システムの導入費用を計上いたしました。
また、子どもが心身ともに健全に成長するよう、子どもとその家庭、妊産婦等を対象として、地域の実情の把握、相談対応、調査、継続的支援等を行い、必要なサービスへ繋ぎ、切れ目のない支援を行うため、「子ども家庭総合支援拠点」の整備費用を計上いたしました。
小さなお子さんの弱視の治療は、早期に始めるほど効果が高いと言われておりますが、自身の見え方をうまく伝えられないことがあるため、3歳児健康診査時に視覚異常を早期に発見し適切な治療につなげられるよう、屈折検査器具を購入する費用を計上し、弱視児の早期発見に努めます。
これら3つの重点施策に取り組みつつ、令和4年度は、行政サービスの向上と効果的な行政運営を目指して、市民の皆さんにわかりやすく、効率的な組織体制を図るため、組織の見直しを実施します。
まず、庁舎1階の来る者の多い市民課、課税課、納税課、国保年金課を市民部に改めるとともに来る者の動線を考慮し、窓口の配置換えを行います。
総合保健福祉センター1階には、社会福祉課、障がい福祉課、高齢者福祉課を「福祉部」に、子育て支援課と健康増進課を「健康子ども部」に改め、課の配置換えを行い窓口のワンストップ化を目指します。
また、システム管理課内に「デジタル推進室」を設置し行政デジタル化を加速させるため、デジタル社会の実現に向けた行政のオンライン化・デジタル化を進め、市民サービスの向上を推進します。
さて、八街市は、平成4年4月に県下30番目の市として誕生し、本年は、4月に市制施行30周年を迎える節目の年となります。
しかしながら、本市を取り巻く環境は、急速な少子高齢化の進展や気候変動による大規模な自然災害に加え、新型コロナウイルス感染症の蔓延など、これまでに経験したことのない多くの課題に直面しております。
このような厳しい状況ではございますが、今後も市長として多くの市民の皆さんの声を拝聴し、これまでの重点施策を着実に前進させ、市民の皆さんに寄り添った事業を積極的に実施していくことで、住んでよかったと思えるまちづくりをしっかりと進めてまいりますので、改めて市民の皆さん並びに議員各位の一層のご理解とご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げまして、令和4年度の市政運営方針といたします。
昨年、中国で発生した新型コロナウイルス感染症は、瞬く間に全世界に拡散し、日本国内にも多くの感染者が発生いたしました。この新型コロナウイルス感染症の大流行により、本市においても多くの感染者が発生するとともに、市民生活や経済活動に大きな影響を及ぼし、市民の皆さんには大変なご不便をおかけしているところでございます。
この間、新型コロナウイルスの感染により、お亡くなりになりました方に対して、心からのご冥福をお祈りいたしますとともに、感染された方の早期の回復をお祈り申しあげます。
新型コロナウイルス感染症の全国的な感染の急拡大から、国では年明けに千葉県を含む一都三県に対して緊急事態宣言を発出し、その後、対象地域を拡大して各種対策を実施してまいりました。緊急事態宣言後、感染者は減少傾向にありましたが、未だ感染者数の水準が高く、医療の逼迫状況は続いていたことから、2月7日を期限としていた緊急事態宣言は延長され、現在に至っています。
市民の皆さんには「自分の命を守る、大切な人の命を守る」ため、引き続き感染予防対策の徹底についてご協力いただきますようお願い申し上げます。
さて、今年は、私の市長3期目の折り返しの年でございます。10年一昔と申しますが、この間を振り返りますと本当にあっという間の出来事だったと感じています。私は10年前に公正無私な市政運営の実践と、八街市に住んで良かったと思えるまちづくりに全力で取り組むことをお約束しました。この間、私の目指すまちづくり実現のため、市民の皆さん、議員の皆さん、そして市役所職員など多くの方に支えられ市政運営にあたってまいりました。私は、これまでの皆さんのご支援に感謝しつつ、引き続き市民生活を最優先とした市政運営とまちづくりを、しっかりと進めていくことがそのご恩に報いることだと考えています。
初心を忘れることなく、先人が築きあげてきた八街の歴史とその魅力、伝統を継承し、すべての方々にわがまちへの誇りと愛着を深めていただけるよう、私は市長として、これからも現在・未来への責任を果たしてまいります。そして、安全・安心、豊かさ・幸せを実感できるような故郷八街に向け、全力で市政運営に取り組んでまいります。
人口減少・少子高齢化、厳しい財政状況、何よりコロナ時代の新たな日常の中、市長として培った経験を糧に、市民目線を忘れることなく、市民のニーズに応じたきめ細かな施策を行うことで、市民の皆さんとともに、この難局に立ち向かってまいります。今後も一人ひとりの市民の声を大切にしたまちづくりを進めてまいりたいと考えておりますので、何卒、これまでと同様、市民の皆さん、議員の皆さんのご理解・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
本市では、市の最上位計画である「八街市総合計画2015」をまちづくりの指針として定め、様々な施策を総合的・計画的に取り組んでおります。昨年度までの前期基本計画期間に実施いたしました主な事業としては、八街バイパスの一部開通、朝陽小学校前交差点改良、JR榎戸駅橋上駅舎・自由通路供用開始、国道126号沖入口交差点改良、八街駅南口防犯ボックスの設置、災害時における物資供給等に関する協定の締結、市内防犯灯のLED化、ファミリーサポートセンターや親子サロン「ひまわり」の開設、川上小学校や実住小学校、朝陽小学校での児童クラブの開設、小規模保育所開設支援、高齢者外出支援タクシー利用助成事業、空き家リフォーム工事補助事業、小中学校空調設備整備、千葉大学や千葉工業大学との教育等に関する協定の締結、農業体験インターンシップや農業体験ツアーの実施、落花生まつりの開催、トップセールスによる地元産品のPR、協働のまちづくり条例の制定、知っ得・納得やちまた出前講座の実施、市役所でのパスポート申請等の開始、市議会インターネット中継の開始など、市民生活に関連した多くのまちづくりに係る事業をバランスよく実施することができました。一方で、本年度から始まりました後期基本計画策定時における意向調査では、これからのまちづくりに必要な視点として、「安心して暮らせること」「交通の便利なこと」「経済発展などによる活力のあること」に対して、多くの市民の皆さんから期待が寄せられたところでございます。
後期基本計画の初年度である本年度には、児童館の建設、老人福祉センターの大規模改修、八街南中学校屋内運動場大規模改修、小中学生に対する一人1台タブレットの整備、高校生等までの医療費助成、妊婦および小学2年生までのインフルエンザワクチン接種に対する助成、八街バイパスの整備など、多くの事業を実施しているところでございますが、今後もまちづくりのテーマと定めた8つの政策目標をもとに、将来都市像である「ひと・まち・みどりが輝く ヒューマンフィールドやちまた」の実現のため、計画的にまちづくりを進めてまいります。
また併せて、この後期基本計画では、人口減少対策など重点的に推進する施策を「第2次八街市まち・ひと・しごと創生総合戦略」として位置づけ、各種施策を推進してまいります。
本市は、東京近郊にありながら他の地方都市と同様、少子高齢化が進行する中で人口減少も進んでいます。このようななか、国の地方創生の動きや、コロナ禍により働き方やライフスタイルが見直され、地方への移住が増加していることを好機として、東京の通勤圏内にあることなど有利な立地条件を活かしつつ、本市の持続的な発展に繋げていかなければなりません。
後期基本計画は、人口減少対策等も含めた本市のまちづくりを総合的に推進するための計画であり、一方で総合戦略は、人口減少、地方創生に焦点化した計画となっています。総合戦略には、若者が働き、交流し、そして子どもを産み育てていくことに、期待と喜びを感じられるまちづくりの推進などを掲げております。
このように、後期基本計画と総合戦略は密接に関連していることから、後期基本計画の重点施策を総合戦略として位置づけることにより、重点的・効果的に取り組もうとするものでございます。
次に、令和3年度の予算編成にあたっての基本的な考え方を申し上げます。 本市の令和元年度における財政調整基金残高は約22億5千万円で、前年度と比較し約3億5千万円の減、地方債残高は約181億8千万円で、前年度と比較し約6億5千万円の増となりました。また、経常収支比率については、95.5%で、2年連続で95%を超え、財政構造の硬直化が一層進んでいます。令和2年度においても、これまでに過去最高となる総額約100億円の補正予算を編成し、コロナ感染症対策など市民生活および中小企業等の支援を行った結果、財政調整基金の取崩額が約10億円となり、今年度の基金残高は、前年度からさらに減少する見込みとなっています。
今後におきましても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、市税の減少が見込まれるなど、歳入面において厳しい状況が続く一方で、歳出面においては、小中学校空調設備整備事業や北総中央用水土地改良事業の償還費、老朽化が進む公共施設の改修費など、新たな行政需要が見込まれるため、さらに厳しい財政運営が予想されます。
総務省は、昨年末の地方財政対策において、令和3年度は新型コロナウイルス感染拡大による税収の減少など厳しい自治体財政に配慮し、地方交付税の出口ベースで前年度を0.9兆円上回る17.4兆円の額を確保いたしました。しかし、地方税の減少に加え、高齢化による社会保障費の伸びや、防災・減災対策の推進などに伴い地方の歳出が拡大する中、本市のような財政基盤の脆弱な地方自治体では、不足する財源を補うため臨時財政対策債などの地方債の発行に頼らざるを得ないことから、地方債残高の増大に伴う後年度負担の増加が憂慮されるところでございます。また、今後におきましても、新型コロナウイルスの影響により経済の先行きは不透明で、税収の回復が遅れれば、本市の財政を取り巻く環境はさらに厳しさを増し、財政運営の硬直化が一層深刻になることが予想されます。
このように令和3年度予算については、これまでに経験したことのない厳しい環境下において、八街市総合計画2015に掲げる将来都市像の実現に向け、各施策を推進していかなければなりません。併せてコロナ禍における「新たな日常」を意識した取り組みとともに、将来にわたり持続可能な財政運営を行っていくために、これまで以上に再考と選択を徹底し、事務事業の見直しを行うことで、市民サービスの維持・充実を図ることを基本的な考え方として予算編成を行いました。
それでは、令和3年度の主要事業の概要につきまして、基本構想の8つの街づくりの分野に沿って説明いたします。
まず始めに、『便利で快適な街』のための主な施策についてでございます。
本市におけるまちづくりでは、ソフト・ハードを含めた様々なメニューで各種施策を進めていく計画でございますが、その中でも市民生活や経済活動を支える交通アクセスの整備は、大変重要な要素の一つと考えております。 また、市民の皆さんからも道路整備は非常に強い要望があるところでもございますので、まちづくりのうえで優先度・重要度の高い事業として位置づけてきたところでございます。
本市は北総台地の中央に位置し、東西南北に幹線道路が通っており、県内幹線道路網の結節点として重要な場所に位置しています。しかし、残念ながら主要幹線道路の整備は進んでおらず、市内各所で慢性的な渋滞が発生しています。このような中において、本市市街地の渋滞緩和のため計画された八街バイパスは、未整備であった国道409号から大木地先までの約500メートルの区間が、いよいよ本年3月末に供用開始となります。このことによりまして、国道409号や県道千葉・八街・横芝線などを利用していた車両の通行が分散され、市内の渋滞緩和に大きな効果が現れるものと考えておりますし、八街バイパスの沿道沿いに新たな開発が促されるなど、土地利用の可能性が拡がることにより、本市の活性化に繋がるものと期待しているところでございます。
今後は、次の道路整備計画として、本市から西側方面に向かう佐倉インターチェンジにアクセスする道路の整備を進めてまいります。また、住野交差点及び吉倉交差点につきましても、千葉県印旛土木事務所と連携し、関係者のご理解・ご協力をいただきながら、改良事業を推進することによりまして、市内全体のバランスのとれた道路整備に努力してまいりたいと考えております。
一昨年の台風15号など一連の災害時では、本市の基幹産業である農業に甚大な被害を及ぼすとともに、停電が長期かつ広域的に発生し市民生活に大きな影響を及ぼしました。特に本市南部地域は、倒木による多数の電線の破断等により電気の復旧が遅れ、地域住民の皆さんに大変なご不便をおかけしたことはご案内のとおりでございます。この災害の教訓をもとに、既に今年度補正予算において一部着手しているところでございますが、新年度予算では、災害時における市道沿いの電線被害の原因となる高木を伐倒するなど、森林の樹木環境を改善し、被害の未然防止を図ることを目的に、市道沿い森林の環境整備事業を拡充して実施することといたします。
八街駅北口の市有地についてでございますが、本年度に実施したサウンディング型市場調査を踏まえ、令和3年度では、市民と行政の協働や民間活力の導入など、市の財政状況も検討したうえで、多角的な視点から利活用の具体的な検討をしてまいります。
次に2つ目の『安全で安心な街』のための主な施策についてでございます。
近年、台風、地震などの自然災害や火災等の様々な災害が多発しており、特に異常かつ複雑な動きをみせる台風、突発的・局地集中的なゲリラ豪雨など、過去には経験したことのない災害が発生しています。また近い将来、南海トラフ地震や首都直下型地震など、さらに大規模な災害が発生する可能性も高いとされています。地域の安全・安心を守るためには、地域住民の自助・共助の意識とともに、地域防災の中核を担う消防団を中心とした、地域における防災力の充実強化が極めて重要であると考えております。
災害が激甚化・頻発化する中、国では地方自治体が防災・減災・国土強靱化対策に取り組むことができるよう、緊急防災減災事業などの事業の拡充と事業期間の延長を決定したうえで、防災対策の充実を図っています。
本市においても過去に、東日本大震災や令和元年房総半島台風等の災害を経験しました。この教訓を生かし地域防災力の強化を図るため、令和3年度も引き続き自主防災組織の設立を促進するとともに、消防団の充実を図ってまいります。特に地域防災活動の担い手である消防団員の確保とその処遇改善につきましては、過去に幾度も本市議会でも取り上げられているところでございます。今年度は消防団員に対して、火災出動手当を増額したところでございますが、今後も地域防災力を維持・強化していくため、消防団員の確保は大変重要な課題だと認識しております。国では、消防団員の処遇改善に向け、検討会を発足させたとのことでございますので、本市におきましてもこの検討結果を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えております。
次に3つ目の『健康と思いやりにあふれる街』のための主な施策についてでございます。
本年4月、いよいよ本市初の子育て支援の拠点として、児童館が開館を迎えます。また、老人福祉センターにつきましても、施設全体のバリアフリー化など大規模改修を終えた新たな高齢者の憩いの場、集いの施設として再スタートすることとなります。これらの施設のスタートとともに、南部老人憩いの家の管理も含め、3施設に指定管理者制度を導入することとし、指定管理者は、八街市社会福祉協議会に決定しております。市社会福祉協議会には、民間の効率的で柔軟な施設運営とともに、老人福祉センターと児童館が近距離に立地することから、両施設の連携を図った事業の展開など異世代間交流等も期待しているところでございます。
従来、千葉県では重度の強度行動障害のある方への支援については、集団ケアを前提として県立施設で受け入れておりました。しかし、障害の特性などにより個々に応じたきめ細かなケアを行い、個人個人に合った暮らしを確保するという観点から、県内の各地域において必要な支援を受けられるよう、地域の民間施設で分散して受け入れるため、市町村と連携した支援システムを構築することといたしました。このことから、本市におきましても、重度の強度行動障害のある方が、民間の施設等を利用する際に、必要な支援が受けられるよう、新年度予算において支援員の追加配置に対する助成にかかる経費を計上いたしました。
待機児童解消対策でございますが、現在運営している私立明徳やちまたこども園に加え、本年4月1日から私立八街泉幼稚園が私立八街泉こども園に移行されることとなったことから、新年度予算では、認定こども園2園への運営支援経費を計上いたしました。私立八街泉こども園の開設によりまして、0歳児から5歳児まで、48名の児童に対して新たに保育の場を提供することが可能となるものでございます。
新生児聴覚スクリーニング検査についてでございますが、この検査は難聴の有無を発見するために、生後早期に行う聴覚検査でございます。先天性難聴は千人に1人から2人の割合で出現すると言われております。聴覚障害のあることに気づかずにいますと、ことばの発達が遅れたり、コミュニケーションがとりにくいなどの支障が生ずることから、通常の診察に加え、聴覚スクリーニング検査を行い適切な支援をすることによって、赤ちゃんの言語の発達を助けることができます。新生児の聴覚障害の早期発見と子育て世代の経済的な負担を軽減するため、新年度予算に検査費用の助成にかかる経費を計上いたしました。
骨髄移植ドナー等への助成についてでございますが、この制度は既に多くの自治体において導入しているところでございます。患者に適合するドナーが見つかったとしても、実際に移植となると、ドナーは入院や通院に多くの時間を割く必要が生じるため、このことが働きながらドナー登録している人には高いハードルとなって、結果的に骨髄等の提供を断念するケースが多いのが現状でございます。このことから、骨髄等を提供する本人や休暇を与える勤務事業所に対し、経済的な負担の軽減と休暇を取りやすい環境を整備することにより、移植の推進およびドナー登録の増加を図るため、新年度予算にその助成に係る経費を計上いたしました。
新型コロナ感染症にかかる対策でございますが、新年度予算では庁舎の感染症対策として、消毒液やパーテーションの購入にかかる経費を計上いたしました。また、小中学校・幼稚園・保育園等につきましても、国の学校保健特別対策事業費補助金、保育対策総合支援事業費補助金などを活用し、各施設の感染対策用の消耗品等の購入費用を計上いたしました。
市民の皆さんの命と健康、暮らしを守る各種対策につきましては、令和2年度では予備費や補正予算により対応したところでございますが、切れ目なく継続して実施する必要があることから、今後も国や県と連携しつつ、必要な対策を実施してまいります。
新型コロナウィルスのワクチン接種がいよいよ間近に迫ってきています。ワクチン接種に係る業務は、各自治体が主体となって実施することとされていることから、本市でもコロナワクチン対策チームを立ち上げ、ワクチンが確保でき次第、早くに市民の皆さんに提供できるよう準備しているところでございます。
次に4つ目の『豊かな自然と共生する街』のための主な施策についてでございます。
平成15年に建設したクリーンセンター焼却炉は、経年により老朽化が進んでいることから、各所の劣化とともに突発的な事故のリスクが高まっています。万一事故が起きますと、場合によっては施設の長期的な使用停止を余儀なくされることもあり、その場合、本市のゴミ処理及び市民生活に大きな影響を及ぼすことにも繋がりかねません。このことから、周辺地区の皆さんのご理解のもと、この施設の長寿命化総合計画に基づき、令和3年度から3カ年をかけて焼却炉の大規模改修を実施することといたしました。改修後の焼却炉は、燃焼効率を高め二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を抑制するなど、周辺に配慮した地球環境に優しい焼却炉とする予定でございます。
「水銀による環境の汚染の防止に関する法律」により、一般照明用の高圧水銀灯については、令和2年末をもって製造等が禁止となりました。このことから、本年度は八街中央公園の照明をLED化したところでございますが、令和3年度につきましても、引き続き環境に配慮した低炭素社会を推進するとともに、省電力化により経費を削減するため、森のいずみ公園、芝のまきば公園ほか、7つの公園及び中央公民館大会議室の照明をLED化するための予算を計上いたしました。また、交進小学校では、環境省の二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金を活用し、浄化槽の全面的な改修を実施いたします。
菅首相は、先の所信表明演説の中で、「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体として実質ゼロにし、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言しました。本市におきましては、今後も環境に配慮した施設の整備とともに、里山の保全や再生、森林や緑地など緑の保全と創出につとめ、温室効果ガスの排出量削減や吸収源対策などに取り組くむことにより、Sdgsの推進やカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に向けて努力してまいります。
市営住宅についてでございますが、老朽化が目立つ笹引団地の将来的な廃止のための方策として、現居住者に対し、朝陽団地への転居をお願いしているところでございます。令和3年度では、転居の意向を示している5世帯につきまして、受け入れる朝陽団地を修繕するため予算を計上いたしました。
流末排水施設の整備でございますが、令和3年度では一区地先の用地を買収し、大雨時における雨水の貯留施設として、調整池の整備を進めてまいります。今後も引き続き、浸水被害を防止するため、地権者等の協力を得ながら計画的に排水対策を実施してまいります。
次に5つ目の『心の豊かさを感じる街』のための主な施策についてでございます。
市制施行30周年を記念し、八街の開拓の歴史を広く周知するため「(仮)古写真にみる八街の150年」記念誌を発刊いたします。この記念誌は、「八街」が発展していく姿を写真で掲載したもので、50年後、100年後の未来に繋がる、歴史的な記録物として貴重な財産になり得るものと考えております。八街市が今日に至るまで、先人達の営為によって発展してきた「八街」の歴史を目に見える形で残していくことは、大変意義深いことだと考えております。
本年夏に開催が予定されています東京オリンピック・パラリンピックにつきまして、本市出身で出場が内定している空手組手の植草歩選手、パラバドミントンの里見紗李奈選手に対して、市民全体で応援するためにパブリックビューイングの予算を計上いたしました。昨年はコロナ禍によりオリンピック等が止む無く延期となりましたが、今年は無事開催されることを願うとともに、開催されたあかつきには二人がオリンピック・パラリンピックの舞台で大活躍できるよう、市民の皆さんと共に精一杯の応援をしてまいりたいと考えております。
次に小出義雄杯八街落花生マラソン大会についてでございます。昨年度は大雨の影響により中止、本年度はコロナ禍の影響により延期となりましたが、来年度こそは必ず開催すべく、令和3年度の当初予算に必要な経費を計上いたしました。実行委員会や市民の皆さん、議員の皆さんのお力添えをいただき、大会を成功させたいと考えておりますので、皆さんのご協力をお願いいたします。
学校給食センターの給食設備機器について、長年使用している第一調理場の揚げ物機及び第2調理場の食器洗浄機が老朽化しているため、新しい機器に交換するための予算を計上いたしました。
子どもの教育・学習環境の整備についてでございます。本年3月から、児童生徒に一人1台のタブレット端末を配備し、様々な教育活動にIct機器を活用した授業がスタートいたします。令和2年度からは、小学校におけるプログラミング教育が必修化されており、子どもの情報活用能力や論理的思考力を育成するうえで、Ict教育の環境整備は非常に重要なものであると考えております。Ict教育の充実により、最新の情報や動画等を活用した調べ学習、大学や企業と連携した遠隔学習など、子どもたちの学力・学習意欲の向上に役立てる新しい学びの推進が期待されています。
中央グラウンド南側のブロック土留めでございますが、経年と樹木の成長などにより崩壊の危険性があることから、この危険性を解消し歩行者等の安全を確保するため、土留めの改修に向けた実施設計に係る予算を計上いたしました。
次に6つ目の『活気に満ちあふれる街』のための主な施策についてでございます。
山林は、木材生産だけではなく、二酸化炭素の吸収・貯蔵、土砂の流出・崩壊防止、水質浄化などの多面的・公益的な機能を有しており、また、多種多様な動植物の生育の場でもあります。本市におきましても、市内面積の約15.8%が山林であり、山林の持つこれらの機能を効果的に発揮させるためには、適切な管理が必要不可欠でございます。しかし、本県に広く植栽されている山武杉林は、後継者不足により山林の手入れが行き届かないことなどと相まって、スギ非赤枯性溝腐病が蔓延して風折れ等の被害が多発するなど、山林の有する公益的機能が低下しています。また、一昨年の台風15号等では、杉の倒木等を原因とした停電で大きな被害を受けたのは記憶に新しいところでございます。このことから、荒廃を防ぎ山林の再生や被害の未然防止を図るため、非赤枯性溝腐病の被害を受けている山武杉の伐倒、植栽等にかかる経費の一部に対し補助するための予算を計上いたしました。
本市を含めた千葉県北部に広がる優良畑作地帯等に対し、利根川に水源を求めて、農業経営の安定と近代化を図るために計画された北総用水土地改良事業は、事業着工以来30年あまりの期間を経て、今年度をもって国営事業の完了を迎えます。本事業は、揚水機場2箇所、調整水槽19箇所を新設し、パイプラインによって地域に送水を行うもので、令和3年度から施設整備に要した費用の償還が始まることとなったことから、新年度予算に初年度の償還額を計上いたしました。
まちに賑わいをもたらす産業の振興策として、本市の特色を活かし、地域イメージを向上させる地域資源の活用や発掘、地域ブランドの普及促進に努めてまいります。昨年はコロナ禍により開催できなかった落花生まつりにつきまして、改めて内容も充実させて賑わいのあるイベントとして開催できるよう、令和3年度予算に必要な経費を計上いたしました。
また、「八街産落花生」につきましては、7年目となります昨年も、秋篠宮家に献上したところでございます。
本市のもう一つの名産品である生姜を活用した「八街生姜ジンジャーエール」は、先に千葉県庁職員が選んだ「大切な人に贈りたい 千葉県グルメギフト」アンケート調査で、飲料品部門1位を獲得いたしました。「八街生姜ジンジャーエール」は、新たな地域ブランド品として認知度も高まっており、口いっぱいにひろがる生姜のフレッシュさとさわやかで自然な甘みなど、八街産生姜の美味しさを引き出した「大人の清涼飲料水」として好評も得ています。また、昨年11月からはサクマ製菓とのコラボで、缶入りの「八街生姜ジンジャーエールドロップス」の販売も開始いたしました。
今後も様々な活動、機会を通じて、本市農産物をはじめ八街市のPRに努め、まちに賑わいをもたらす産業の振興等に取り組んでまいりたいと考えております。
次に7つ目の『市民とともにつくる街』のための主な施策についてでございます。
行政が中心となって担う公共サービスの内容は、公平・平等の観点から、画一的に行うことを基本とするため、ともすると行政の肥大化とともにムダも多くなりやすい傾向にあります。一方で、住民のニーズが多様化・複雑化するなか、市民満足度を上げるためには、よりきめ細かな対応が必要となるなど、社会の変化に伴って、行政における公共サービスだけでは地域の課題に対応することが難しくなっています。人口減少・少子高齢化の進展とともに厳しい財政状況下において、持続可能なまちづくりを実現させていくには、従来からまちづくりを担ってきた区・町内会や、各種団体、事業者そして市民の皆さんなど、地域で生活するすべての人々と行政が、今まで以上に連携を深めながら、地域の課題に取り組んでいくことが求められています。「自分たちでできることは自分たちで」を基本に、それぞれが役割分担し、対等な立場で協力しあう「協働のまちづくり」が必要となっています。
協働のまちづくりを推進するためには、市民の皆さんの主体的な活動が不可欠でございます。本市では、市民の皆さんがまちづくりに関する仕組みや制度あるいは生活に役立つ、知って得する知識について学べるように、職員が各地に出向いて「知っ得・納得やちまた出前講座」を実施しているところでございます。そのほか地域で活躍している人の交流や、地域の課題について情報を共有する場として「地域力向上スクール」を開催し、地域の皆さんが主体的に地域づくりについて考える機運を醸成するとともに、地域の中心となってリーダーシップを発揮できる人物や、コーディネート能力のある人材の発掘等に繋げてまいりたいと考えております。
最後に8つ目の『市民サービスの充実した街』のための主な施策についてでございます。
市政の基本方針の中でも申し上げましたとおり、後期基本計画では、重点的に推進する施策を「第2次八街市まち・ひと・しごと創生総合戦略」として位置づけております。進展が心配される人口減少問題や地域経済衰退の打開など、まち・ひと・しごとの創生と好循環の確立を目指し、各種施策を進めてまいります。
新年度予算では、移住定住促進事業として、市のPRパンフレットを作成いたします。現状の冊子作成から5年が経過し、掲載情報の変更や在庫も残り少なくなってきたことから、新たに5万部を作成し、市のPRに活用いたします。
現在、多くの自治体が人口減少に苦慮しており、我がまちへの移住促進は地域活性化の最大の課題として捉えています。特に若者世代の定住人口の確保が喫緊の課題となっており、近年、各自治体とも移住促進や定住支援、子育て支援等の分野において様々な施策を展開し、併せてまちの魅力発信に努力しています。本市におきましても、移住・定住の候補地として多くの方に選んでいただけるよう、市の魅力発信に努力しているところでございますが、さらに八街市内への移住・定住を促進するため、新婚世帯に対し1世帯あたり30万円を限度として、新居の家賃や引越費用等の支援をすることといたしました。
また、結婚を希望する若者への支援として、異性と出会う機会づくりを目的としたセミナーやイベントを開催する予算を計上いたしました。イベントにつきましては、すでに継続して実施しているところであり、一定の成果も上がっております。社会人になると仕事場以外での男女の出会いは、なかなかないというのが現状でございます。結婚は望んでいるものの、異性と出会う機会がないことから結果的に未婚・晩婚が増加し、地域産業の後継者不足、地域の少子・高齢化、人口減少に繋がっています。このセミナーやイベントを機会に、今後も市内の男女を含め多くのカップルが成立し、結婚に至ることを期待しているところでございます。
コンピュータやネットワークなどの情報通信技術を活用することにより、電子自治体の構築を進め、市民の負担の軽減や利便性の向上、行政事務の簡素化・合理化などを図り、効率的な自治体運営の実現を目指します。
住民票や印鑑証明等の各種証明書の発行などの窓口サービスは、市民にとって最も身近で最も多く利用するサービスでございます。令和3年度では市民サービスの向上と窓口の混雑緩和を図るため、マイナンバーカードを用いて、最寄りのコンビニエンスストア等で各種証明書の発行ができるよう、本年10月の開始に向けて準備を進めてまいります。
以上、令和3年度の主な施策につきまして説明させていただきました。
コロナ禍の影響により、年末年始は帰省の自粛を求められたことから、今年の正月はステイホームのため家族と会えず、寂しい正月を送られた方も多かったものと思います。さらに昨年の4月に引き続き、本年1月8日から、千葉県を含む一都三県に対して緊急事態宣言が発令されたことから、各種イベントも制限され、毎年恒例であった成田山の節分会の豆まきも縮小して開催されました。
節分の日には、古くからの風習で、魔除けとして柊の枝に鰯の頭を刺した柊鰯を戸口に立てて、「鬼は外、福は内」と声を出しながら福豆を撒いて、邪気を祓い、年齢の数だけ豆を食べる習わしがあります。八街市では大豆に代えて落花生を撒くご家庭もありますが、もともと節分の「鬼は外」の鬼とは疫病などのことで、病魔を外に追い払う意味だということでございます。私も今年は豆をまいて、コロナ感染症という鬼を追い出し、八街市に福が来るよう祈願いたしました。
まだ寒い日が続いていますが、館山市や南房総市など花卉栽培が盛んな房州では、すでに露地物の花が咲いていて、春の薫りに満ちています。陽の伸長とともに桃の節句も間近に迫り、冬に籠もっていた虫たちも外に這い出る準備をしているものと思います。本市でも春はそこここに感じることができます。そして春の訪れとともに、もうすぐ令和3年度の新たなまちづくりがスタートすることになります。
令和3年度も引き続き、コロナ対策とともに後期基本計画に基づいたまちづくりのための各種施策を着実に進めていかなければなりません。これからも本市のまちづくりを皆さんとともに進めてまいりたいと考えておりますので、ここに改めて市民の皆さん並びに議員各位の一層のご理解とご支援を賜りますよう、心からお願い申し上げまして、令和3年度の市政運営方針といたします。