令和6年度（2024年度）の下水道事業会計の決算

令和6年度（2024年度）は、水洗化人口18,244人、年間有収水量159万8,818立方メートル、主な建設改良事業として雨水整備事業費126万5千円、汚水整備事業費1億478万2千円を業務の予定量として事業を行ってまいりましたが、その実績は、水洗化人口は前年度と比較して274人（1.5％）増の18,566人、年間有収水量は前年度と比較して1万1,424立方メートル（0.7％）増の162万4,393立方メートル、雨水整備事業費の決算額は2,451万9千円（税込み）、汚水整備事業費の決算額は1億3,736万2千円となりました。

また、年間汚水処理水量は前年度と比較して15,180立方メートル（0.8％）減の190万8,419立方メートル、有収率は前年度と比較して1.2ポイント増の85.1％、水洗化率は前年度と比較して0.8ポイント増の95.7％となりました。

• 令和6年度（2024年度）の決算書 [PDFファイル／819KB]

​収益的収入・支出の状況

下水道使用料や雨水処理負担金など、地方公営企業の経営に伴い生じる収益的収入の令和6年度決算額は税込みで7億5,657万6千円となり、そのうち下水道使用料は2億5,045万4千円（全体の33.1％）、一般会計補助金は1億6,836万9千円（全体の22.3％）、長期前受金戻入は3億532万7千円（全体の40.4％）となりました。

一方、下水道施設の維持管理費や汚水処理費、固定資産の減価償却費や前年度以前に借り入れた企業債の利子など、地方公営企業の経営に伴い生じる収益的支出の令和6年度決算額は税込みで7億1,809万2千円となり、そのうち職員給与費は5,980万2千円（全体の8.3％）、減価償却費は4億5,101万8千円（全体の62.8％）、支払利息は3,874万2千円（全体の5.4％）となりました。

※職員給与費には児童手当を含んでいます。

収益的収入

区分	令和6年度	令和5年度	増減額	増減率
第1款　下水道事業収益	756,576千円	870,085千円	△113,509千円	△13.0％
第1項　営業収益	311,360千円	314,191千円	△2,831千円	△0.9％
第2項　営業外収益	445,210千円	551,155千円	△105,945千円	△19.2％
第3項　特別利益	6千円	4,739千円	△4,733千円	△99.9％

収益的支出

区分	令和6年度	令和5年度	増減額	増減率
第1款　下水道事業費用	718,092千円	714,358千円	3,734千円	0.5％
第1項　営業費用	671,372千円	656,221千円	15,151千円	2.3％
第2項　営業外費用	46,650千円	49,269千円	△2,619千円	△5.3％
第3項　特別損失	70千円	8,868千円	△8,798千円	△99.2％
第4項　予備費	0千円	0千円	0千円	ー

［令和6年度の収益的収入・支出の決算状況］（単位：千円）

減価償却費（げんかしょうきゃくひ）と長期前受金戻入（ちょうきまえうけきんれいにゅう）

下水道管きょなど長期間にわたって使用する固定資産を取得した場合、その取得に要した費用は、固定資産を取得したときに一括して計上するのではなく、その固定資産を使用する期間にわたって分割して計上していきます。この分割した費用を減価償却費（げんかしょうきゃくひ）といいます。

同じように、下水道管きょなど長期間にわたって使用する固定資産を補助金などを受け入れて取得した場合、補助金などの受入れによる収益は、補助金などを受け入れたときに一括して計上するのではなく、その補助金などを財源として取得した固定資産を使用する期間にわたって分割して計上していきます。この分割した収益を長期前受金戻入（ちょうきまえうけきんれいにゅう）といいます。

一見すると面倒な会計処理を行っているようにも見えますが、このように期間損益計算を行うことで、一事業年度中の収益の発生とその収益を得るために要した費用を対応して認識し、その期間の経営成績を的確に把握することができるようになります。

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下水道使用料の状況

令和6年度（2024年度）の年間汚水処理水量は190万8,419立方メートル（25ｍプール（縦25ｍ×幅12ｍ×深さ1.2ｍとして換算）で約5,301杯分）で、前年度と比較して1万5,180立方メートル減少しました。また、下水道使用料の算定対象となる年間有収水量は162万4,393立方メートルで、前年度と比較すると1万1,424立方メートル増加し、年間有収水量を年間汚水処理水量で割り返した有収率は、前年度と比較して1.2ポイント増の85.1％になりました。

一方、下水道使用料の収入額は2億2,769万8千円（税抜き）（税込みは2億5,045万4千円）となり、前年度の2億2,584万円（税抜き）から185万8千円増加しました。

［過去10年間の下水道使用料、汚水処理水量、有収水量の推移］（単位：万立方メートル［左軸］、百万円［右軸］）

1. 令和元年度（2019年度）以前の下水道使用料は税込み、令和2年度（2020年度）以降の下水道使用料は税抜きです。

使用料単価と経費回収率

汚水処理に要する経費は、原則として下水道を使用された方にご負担いただく下水道使用料で賄います。その下水道使用料の総額を年間有収水量で割り返したものを使用料単価、汚水処理費の総額を年間汚水処理水量で割り返したものを汚水処理原価、使用料単価を汚水処理原価で割り返したものを経費回収率といいますが、令和6年度（2024年度）におけるこれらの値は次のようになりました。

使用料単価、汚水処理原価及び経費回収率

	令和6年度	令和5年度	増減
使用料単価	140.17円／立方メートル	140.02円／立方メートル	0.15円／立方メートル
汚水処理原価	141.09円／立方メートル	142.86円／立方メートル	△1.77円／立方メートル
経費回収率	99.4％	95.7％	3.7ポイント

また、過去10年間の使用料単価、汚水処理原価、経費回収率の推移は次のとおりです。（単位：円／立方メートル、％）

1. 令和元年度（2019年度）以前の使用料単価、汚水処理原価は税込み、令和2年度（2020年度）以降の使用料単価、汚水処理原価は税抜きです。

資本的収入・支出の状況

下水道施設の建設改良費や前年度以前に借り入れた企業債の元金償還金に充てるための企業債や国庫補助金などの資本的収入の令和6年度決算額は税込みで2億4,531万6千円となり、そのうち企業債は1億4,150万円（全体の57.7％）、一般会計補助金は4,109万9千円（全体の16.8％）となりました。

一方、下水道施設の建設改良費や前年度に借り入れた企業債の元金償還金などの資本的支出の令和6年度決算額は税込みで4億5,120万7千円となり、そのうち雨水処理施設の建設改良費は2,451万9千円（全体の5.4％）、汚水処理施設の建設改良費は1億3,736万2千円（全体の30.4％）となりました。

資本的収入

区分	令和6年度	令和5年度	増減額	増減率
第1款　資本的収入	245,316千円	204,293千円	41,023千円	20.1％
第1項　企業債	141,500千円	74,800千円	66,700千円	89.2％
第2項　他会計補助金	41,099千円	39,626千円	1,473千円	3.7％
第3項　補助金	51,000千円	77,676千円	△26,676千円	△34.3％
第4項　負担金	11,717千円	12,191千円	△474千円	△3.9％

資本的支出

区分	令和6年度	令和5年度	増減額	増減率
第1款　資本的支出	451,207千円	533,147千円	△81,940千円	△15.4％
第1項　建設改良費	187,434千円	256,687千円	△69,253千円	△27.0％
第2項　企業債償還金	263,773千円	276,460千円	△12,687千円	△4.6％

［令和6年度の資本的収入・支出の決算状況］（単位：千円）

資本的収入の不足額は当年度利益剰余金などで補てんしました

資本的収入の2億4,531万6千円から資本的支出の4億5,120万7千円を差し引くと2億589万1千円の資金不足が生じますが、この資金不足は次のように補てんしました。

資本的支出の補てん財源等

補てん財源等	金額
当年度分消費税及び地方消費税資本的収支調整額	9,504千円
当年度分損益勘定留保資金	124,274千円
繰越利益剰余金処分額	39,313千円
補てん財源合計	173,091千円
令和5年度・令和6年度同意企業債による令和6年度措置額	32,800千円
補てん財源等合計	205,891千円

令和6年度（2024年度）に実施した主な建設改良工事など

• 汚水枝線整備工事
  汚水管きょを0.4キロメートル布設し、その結果、汚水管きょの総延長は112.5キロメートルとなりました。また、処理区域面積（公共下水道（汚水）に接続可能な区域の面積）は、前年度から5ヘクタール増加して464ヘクタールとなり、処理区域内人口（公共下水道（汚水）に接続可能な区域内の人口）は前年度から128人増加して19,395人となりました。
  ※1ヘクタール＝100ｍ×100ｍ＝10,000平方メートルです。
• 大池調整池整備工事
  文違地先に設置した大池調整池の整備に伴う管理用道路などの工事を行い、大池排水区の浸水被害の防止を図りました。
• マンホールポンプ交換工事
  全部で18基あるマンホールポンプのうち、老朽化した2基を新品に交換しました。
• マンホール蓋交換工事
  老朽化したマンホールの蓋19枚を新品に交換し、下水道施設の長寿命化を図りました。

[晴天時の大池調整池（左）と降雨時の大池調整池（右）の様子]

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有形固定資産減価償却率と管渠老朽化率

令和6年度（2024年度）における下水道管きょなどの償却資産の減価償却の状況を示す有形固定資産減価償却率は、前年度末と比較して3.0ポイント増の15.5％となりました。また、法定耐用年数を経過した下水道管きょの延長の割合を示す管渠老朽化率は、前年度と変わらず0.0％でした。

これらの値は、いずれも高いほど、下水道管きょなどの施設の老朽化が進んでいることになります。

［過去10年間の有形固定資産減価償却率、管渠老朽化率の推移］（単位：％）

1. 有形固定減価償却率、管渠老朽化率は、下水道事業に地方公営企業法の財務規定等を適用した令和2年度以降について算出しています。

令和6年度（2024年度）の損益計算書

令和6年度（2024年度）の損益計算書は次のようになり、総収益の7億3,362万7千円から総費用の7億225万3千円を差し引いた3,137万4千円が当年度純利益になります。なお、損益の計算は消費税を除いた税抜きの金額で行います。

令和6年度（2024年度）の損益計算書（税抜き）

営業収益	288,604千円
営業費用	657,178千円
営業利益（損失）		△368,574千円
営業外収益	445,017千円
営業外費用	45,011千円
経常利益（損失）		31,432千円
特別利益	6千円
特別損失	64千円
当年度純利益（純損失）		31,374千円

1. 損益計算書の詳細は、こちらをご覧ください。 [PDFファイル／17KB]

令和6年度（2024年度）の貸借対照表

令和6年度（2024年度）末の貸借対照表は次のようになり、令和5年度（2023年度）末と比較すると、資産合計は2億1,586万5千円減の121億7,111万7千円に、負債合計は2億5,863万4千円減の111億6,372万1千円に、資本合計は4,276万9千円増の10億739万6千円になりました。

令和6年度（2024年度）末の貸借対照表

固定資産	12,049,912千円	負債合計	11,163,721千円
	（△211,982千円）		（△258,634千円）
流動資産	121,205千円	（うち企業債）	3,321,080千円
	（△3,883千円）		（△50,173千円）
（うち現金・預金）	69,330千円	資本合計	1,007,396千円
	（△4,951千円）		（+42,769千円）
資産合計	12,171,117千円	（うち利益剰余金）	201,324千円
	（△215,865千円）		（△307,086千円）

1. （　）内は、令和5年度（2023年度）末からの増減額です。
2. 貸借対照表の詳細は、こちらをご覧ください。 [PDFファイル／30KB]

令和6年度（2024年度）のキャッシュ・フロー計算書

令和6年度（2024年度）のキャッシュ・フロー計算書は次のようになり、令和5年度（2023年度）末と比較すると、資金残高は495万円減少しました。

令和6年度（2024年度）のキャッシュ・フロー計算書

業務活動によるキャッシュ・フロー	146,829千円
投資活動によるキャッシュ・フロー	△101,606千円
財務活動によるキャッシュ・フロー	△50,173千円
資金増加額または減少額	△4,950千円
資金期首残高	74,280千円
資金期末残高	69,330千円

1. キャッシュ・フロー計算書の詳細は、こちらをご覧ください。 [PDFファイル／28KB]

企業債の現在高

令和6年度（2024年度）は、下水道施設の建設改良費や過去に借り入れた地方債の償還金の財源として企業債を2億1,360万円（令和5年度（2023年度）の建設改良費に充てるための7,210万円の借り入れを含みます。）借り入れた一方、過去に借り入れた企業債を2億6,377万3千円償還した結果、当年度末における企業債現在高は前年度末から5,017万3千円減少し、33億2,108万円になりました。

［過去10年間の企業債現在高の推移］（単位：百万円）

未処分利益剰余金の処分

令和6年度（2024年度）の損益計算の結果生じた未処分利益剰余金2億132万4千円は、議会の議決を経て次のように処分し、将来の資本的支出の財源不足に備えます。

令和6年度（2024年度）末の未処分利益剰余金の処分状況

当年度末残高	201,324千円
議会の議決による処分額／減債積立金への積立て	△70,687千円
条例による処分額	0千円
処分後残高	130,637千円

なお、この未処分利益剰余金の処分案は、令和7年9月市議会定例会に提案します。