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高温に対する農作物等の技術対策(9月)について

印刷用ページを表示する更新日:2024年9月4日更新 <外部リンク>

 令和6年9月2日、気象庁から高温に関する早期天候情報(関東甲信地方)が発表されました。それによると、関東甲信地方の向こう2週間の気温は暖かい空気が流れ込みやすいため高く、8日頃からはかなり高くなる可能性があり、農作物への影響が懸念されます。
 千葉県農林水産部より、下記のとおり「高温に対する農作物等の技術対策(9月)」が送付されましたので、ご活用ください。
 なお、作業時は熱中症等に十分留意し、こまめな水分補給と休憩、暑い時間帯の作業は避けるなどの対策の実施を併せてお願いいたします。                                                                                

1 水稲

・登熟期の高温や水不足は、減収と白未熟粒の多発生による品質低下の原因になる。米粒の充実と品質向上のために出穂後25日までは水が必要であるため、出穂2週間後までは湛水管理(水が不足する場合は間断かんがい)、出穂2週間後から出穂25日後までは間断かんがいを行う。特に、遅植えや晩生品種が水不足にならないよう適切な水管理を行う。
・高温により、登熟が早まり収穫適期が想定より前倒しになる心配がある。昨年発生が散見された、胴割粒や茶米の多発は刈り遅れが要因で、品質・食味の低下を招く。また、例年より葉色が薄い場合や水が不足しているほ場は特に成熟期が早まる可能性があるため、刈り遅れにならないように注意する。
・生籾を3時間以上炎天下に放置すると品質が低下するため、収穫後は速やかに乾燥作業を始める。特に高水分では品質の低下が著しくなるので、収穫は雨や朝露で濡れていない時に行う。

2 大豆

・開花期以降に水分が不足すると、落花・落莢や不稔莢が発生して収量が低下するので、高温に加えて1週間以上降雨が無くほ場が乾燥する場合はかん水が必要になる。
・高温傾向が続くことから、害虫の発生に注意する。ハスモンヨトウについては発生予報でやや多いとされていることから、特に注意する。

3 落花生

・高温条件では茎腐病や白絹病が多発しやすくなる。発病株を見つけたら、抜き取って処分し、薬剤防除を行う。なお、白絹病が発生している場合はかん水により拡大するので、かん水前に発病株を抜き取る。
・高温が続いており、特に砂地の地域では収穫期が早まる可能性があるので、収穫適期を逃さないように早めに試し掘りをする。

4 施設共通

・施設内の気温を下げるため、ハウスの内張りまたは外張りに遮光資材を展張するか、遮光塗料(農業ハウス用遮光塗料)を吹き付け塗布する。ただし、遮光期間や展張時の天候により、施設内の光量が低下し、作物の種類によっては収量や品質の低下を招くこともあるので注意する。
・循環扇・換気扇を設置し、施設内の空気を循環させる。

5 野菜

・敷わらや反射フィルムなどを用いて土壌水分の蒸発を防ぐとともに、地温上昇の防止に努める。
・かん水は、日中の高温時を避け、早朝や夕方行うことが望ましい。
・かん水の目安は、黒ボク土では4~6日おきに20mm(生育初期)~30mm(生育盛期)、砂壌土では3~4日おきに10~20mmとする。
・かん水の目安は、土壌水分30~40%(pF2.3~2.5)とする。

(1)施設野菜

トマト促成栽培及び抑制栽培
高温による土壌の乾燥や水不足によって、活着不良、生育不良、着果不良、尻腐れ果などの障害果が発生しやすくなり、チョウ目害虫の多発生や高温を好むスリップス類によって媒介されるトマト黄化えそウイルスなどのウイルス病が発生しやすくなる。
(1) 活着不良、生育不良、着果不良などの対策
・定植後に芯の部分(生長点)が萎れそうな時は、速やかにかん水して活着を促す。
・活着後、日中萎れる場合は葉水をかける。
・強日射時は遮光などを行い、ハウス内温度の上昇を抑える。ただし、曇天及び高温の場合は徒長防止のため過度な遮光は避ける。
(2) 尻腐れ果など障害果対策
・土壌水分の不足は尻腐れ果の発生を助長するので、適正なかん水により根部形成を促す。(目安:かん水開始点は、1段果房肥大期まではpF2.4を目安とし、1回あたり20mm程度、それ以降はpF2.3を目安とし、週3回程度、5~10mmをかん水する)。
・尻腐れ果の発生が予想される場合は、予防的にカルシウム剤の葉面散布を行う。
(3) 病虫害対策
・防除指針に基づいて、オオタバコガ、トマトハモグリバエ、スリップス類(ネギアザミウマ、ミカンキイロアザミウマ)、コナジラミ類(ウイルス病対策を含む)などの防除に努める。

キュウリ抑制栽培
高温による土壌の乾燥や水不足によって、活着不良、生育不良が発生しやすくなるとともに、キュウリ黄化えそウイルスによる黄化えそ病の症状が激しくなる。
(1) 活着不良、生育不良などの対策
・本ぽは、定植前に100mm以上のかん水をして下層土壌の含水率を高めておく。
・定植後に敷わらなどを行い、土壌水分の蒸発防止と地温の上昇を抑制して、活着を促進させる。
(2)キュウリ黄化えそウイルスなどのウイルス病対策
・防除指針に基づいてアブラムシ類、スリップス類、コナジラミ類の防除を行う。

(2)露地野菜

ショウガ
・高温による土壌の乾燥や水不足によって、地上部の生育抑制や地下部の肥大不良が起きやすくなる。
・ほ場が乾燥する場合、根ショウガでは9月上旬まで、1回約20mmのかん水をする。
・根茎腐敗病が発生した場合は、かん水により被害が助長されるので、病株を抜き取ってからかん水する。
・敷わらを行い、乾燥を防止する。

サトイモ
・高温による土壌の乾燥や水不足によって、生育不良が生じ減収する。
・中生(蓮葉系)~晩生(土垂系)品種の子イモ、孫イモの芽なし(芽つぶれ症)、ひび・われなどの品質低下が起きやすくなる。
・5日に1回程度、約20mmのかん水を行う。また、中耕培土は根を傷めないようにかん水してから行う。かん水を開始したら、収穫まで継続してかん水する。
・ハダニ類・アブラムシ類・ハスモンヨトウなどの害虫が発生しやすくなるため、防除指針に基づき適期に害虫の防除を行う。

ヤマトイモ
・高温による土壌の乾燥や水不足によって、収量・品質の低下、ハダニ類の発生が起きやすくなる。
・新いも肥大期に入っており、極端な土壌の乾燥と過湿を避け、1回あたり20~30mm程度のかん水を行う。
・かん水によりハダニ類の発生を抑制できる。

サツマイモ
・高温による土壌の乾燥や水不足によって、形状不良による品質低下が発生しやすくなる。
・日中、葉の萎れが激しい場合は、10mm程度のかん水を行う。
・コガネムシ類、ハスモンヨトウやアワダチソウグンバイなどが発生しやすくなるため、防除指針を基に適期に害虫の防除を行う。

キャベツ・ブロッコリー
・育苗期には適宜かん水し、白寒冷紗で常時被覆して日除けを行う。黒、シルバーなど遮光率の高い寒冷紗を用いる場合は、日照不足による軟弱徒長苗になりやすいので、被覆は10時から15時までとし、朝・夕は寒冷紗を除去する。
・定植は、適度な土壌水分のある降雨後か雨の予想の前に行う。活着までに乾燥する場合はかん水する。
・ヨトウムシ類、コナガなどが発生しやすくなるため、防除指針を基に適期に害虫の防除を行う。

秋冬ニンジン(夏まき)
・高温及び播種後本葉2葉期までの極端に多い土壌水分条件により、胚軸の裂開に起因するエクボ症の発生が助長される。発芽促進のかん水を重点に行い、本葉発生後のかん水は多すぎないように注意する。また、播種後3~4週間頃の2~3葉期に胚軸が直接高温に当たらないよう培土を行うとエクボ症の発生を防ぐことができる。

6 果樹

ナシ
ア かん水
・本年は一定の降雨があり、また、収穫前の品種は成熟期にあたることから、基本的にかん水は必要ないと考えられるが、10~15日間まとまった降雨がない場合は20~30mmのかん水を行う。ただし、乾燥しやすい砂質土の場合は5~7日間降雨が無い場合、15mm程度のかん水を行う。
・園が乾燥する前にかん水を行う。乾燥しやすい園や、若木や苗木など根が少ない樹、樹勢が低下した樹では特に留意する。
イ 病害虫防除
・カメムシ類の発生が平年より多く、また、例年よりも早く9月上旬ごろから果樹園へ飛来する可能性がある。カメムシの活動が活発となる日没後に園内を見回り、飛来を確認した場合は防除指針に従って防除する。
ウ 「新高」「あきづき」の収穫時における対応
・「あきづき」の熟期が前進する恐れがあるため、果皮の着色程度と果肉の熟度を確認し、適期収穫を心がける。
・「新高」の日焼け果(みつ症)は、高温や土壌の乾燥、果実への強い日射などにより発生しやすくなる。
・有袋栽培では、早めに(9月上旬から)袋を破って着色を確認し、収穫開始が遅れないようにする。
・成熟が早い樹冠外周部の果実は、早めの収穫を心がける。
・みつ症果の中には、外観からはわかりにくいものもあるので選果を慎重に行う。

ブドウ・カキ・ウメ
・敷わらや敷草、かん水を行う。「ナシ」のア かん水に準ずる。​

7 花き

露地切り花(小ギク等)
・敷わらまたはマルチなどにより土壌水分の蒸発防止と地温の上昇抑制に努める。
・キク類は干害を受けやすいので、葉の萎れに注意し、週に1回程度10~20mmのかん水を行う。特に粘質田や転換畑では根の張りが浅くなっているため、被害が大きくなりやすいので注意する。
・ハダニ類、スリップス類などが発生しやすくなるので、防除指針に基づき防除する。

植木
・樹種により干害を受けると落葉することがあるので、かん水可能なほ場では約10日に1回20~30mmかん水する。特にツツジ類は根が浅いので注意する。
・水量が確保しにくい場合は、樹の周りに土を盛り、効率良くかん水する。

8 畜産

(1)家畜管理
・1回の飼料給与量を少なくして回数を増やす。
・早朝や夜間の涼しい時間帯での飼料給与を行う。
・畜体への散水・散霧により体感温度を下げる。
・細霧装置は湿度50%以上で体感温度が上昇するので注意する。
・常に新鮮な水が飲めるよう、水圧の確保や水槽の清掃を行う。
・密飼いを避ける。
・暑熱ストレスを受けやすい高泌乳牛や分娩予定牛、子牛は牛舎内の涼しい場所に移動させる。
・発汗等でミネラルが失われるため、ミネラル類を多めに給与する。
・高温下では酸化ストレスが亢進するため、ビタミン類を給与する。
・採食や反芻に伴う唾液の分泌が少なくなるため、重曹などの緩衝材を給与してルーメン内pH低下を抑える。
・窒素代謝には多量のエネルギーを必要とし乳牛の体温上昇につながりやすいため、タンパク質は過剰給与しない。
・品質の低下した粗飼料はルーメン内での熱生産量が多くなり体温が上昇するので、手に入る粗飼料の中で良質な粗飼料を高泌乳牛に給与する。
・ルーメン内での熱生産量が少ない油脂や脂肪酸カルシウムを高泌乳牛に給与する。
・牛体の毛刈りや汚れ落としにより熱放射を促進させる。
・異常家畜の早期発見、早期治療に努める。

(2)畜舎管理
・屋根への遮熱塗料や石灰等の塗装、散水、断熱材の設置により畜舎内温度を下げる。
・西日が当たる側に植樹、遮光ネット、よしず、寒冷紗等で直射日光を軽減させる。ただし、枝等の剪定を適宜行うなど、風通しにも配慮する。
・換気扇、送風機は羽根の掃除や注油、ベルトの張り直しを行い、効率を上げる。
・扇風機やダクト等では、首から肩付近に向けて直接畜体に風が当たるよう送風する。牛の体感温度は風速2m/秒で約8度下がる。(体感温度=気温‐6×√風速(m/秒))
・畜舎回りの除草や空気の流れを遮るものを除去し風通しを良くする。
・給餌機や給餌ライン、飼槽を点検・清掃し、飼料の腐敗とカビ発生を防止する。
・温湿度計等で日頃から畜舎内の環境をチェックする。

(3)飼料作物
・トウモロコシ・ソルガムで病害虫の発生が著しい場合は早期に刈り取る。
・牧草は過度の低刈りや短い間隔での刈り取りを避け、草勢を維持させる。
・作業時期が早まる可能性を考慮し、準備を始める。​

9 お問い合わせ

「高温に対する農作物等の技術対策(9月)」に関するお問い合わせは、千葉県印旛農業事務所改良普及課までお願いします。

 電話:043-483-1128

 

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