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台風通過後の農作物等の対策について

印刷用ページを表示する更新日:2024年8月17日更新 <外部リンク>

令和6年8月16日から17日にかけて、台風7号に伴う大雨、暴風による被害発生のおそれが高まっています。
つきましては、別添「台風7号による被害の事後対策について」(令和6年8月15日千葉県農林水産部担い手支援課作成)を参考に台風通過後の対策をお願いいたします。
なお、農作業及び農地・農業用施設の見回りを行う前に気象情報を十分に確認し、安全を確認の上、人命を最優先に行動してください。また、向こう2週間の気温はかなり高くなることが見込まれていることから、作業時は熱中症等に十分注意し、こまめな水分補給と休憩、暑い時間帯の作業は避けるなどの対策の実施を併せてお願いいたします。 

台風による被害の事後対策について

果樹

  ​1. ナシ

  • 落果した果実は早めに処分する。
  • 枝折れが発生した場合は、その基部から切除し、切り口にトップジンM ペーストを塗布する。
  • 強い風雨により炭疽病の発生が助長されることが予想されるため、防除指針に従い殺菌剤を散布する。

  2. イチジク、キウイフル-ツ、ブドウなど

  • 葉の損傷の激しい園では、防除指針に従い殺菌剤を散布し、病害感染を予防し 葉を健全に保つようにする。
  • 傷害果等は早急に園外に持出し処分する。

  3. 果樹全般

  • 樹が倒伏したものは、無理のない範囲で徐々に起こし、土寄せし支柱を立てる。
  • 園の排水を心がけ、滞水した場合は速やかに排水を図る。
  • 多目的防災網の防風ネットが破損した園では、ただちに修理し、次の災害に備える。
  • 収穫期を控えた果樹は、農薬散布を実施する場合は特に収穫前使用基準に注意する。

水稲

  1. 倒伏、冠水による穂発芽等の品質低下を防止するため、速やかに排水する。
  2. 倒伏した稲は、穂発芽等が懸念されるため、多少早めでも収穫するよう努める。
  3. 滞水期間の長いほ場や冠水したほ場の稲は、他ほ場の稲とは区別して収穫、乾燥し、全体の品質を下げないようにする。
  4. 穫を始める前に水田内に流入物がないか安全をよく確認してから実施する。
  5. 降雨直後に刈り取った場合や倒伏した稲は籾水分が高いため、速やかに乾燥機に張り込む。また、籾水分のばらつきが大きい場合は胴割粒発生防止のため、数時間、通風のみで乾燥してから火力乾燥を行う。
  6. 稲刈り後のほ場で稲わらが吹き寄せられ、一部分に堆積した場合は、可能な限り散らすか、ほ場外に持ち出してから耕うんする。稲わらの分解を早めるため、 腐熟促進剤等を利用し、耕うんは浅めに行う。

大豆

  1. 湿害を回避するため、水田転換畑等では、排水溝を確実に排水路につなげる事や、畦畔を切る等で一刻も早く排水を図る。また、土中の水分を低下させ根腐れを防ぐために、排水路の水位が下がり次第、暗渠の栓を開放し、排水を図る。
  2. 茎葉の損傷や浸水による植物体の衰弱により、紫斑病などの病害が発生しやすくなっているので、防除指針に従い殺菌剤を散布して病気の予防に努める。
  3. ヨトウムシ等の害虫が発生しやすい時期であるため、通常どおり防除を行う。

施設等

  1. 破損した場合は、速やかに補修を行う。
  2. ハウス内に雨水が流入した場合は、水が引いた後にベッドを整形するとともに 中耕する。
  3. 多湿により病気が発生しやすくなるので、防除指針に従い殺菌剤を散布する。根の活性が低下するなど薬害が発生しやすい状態にあるので気をつける。
  4. トマトでは、ハウス内が冠水した場合、速やかに土壌が乾くよう排水を促す。根が弱ることで萎れがみられる場合は、遮光や葉水(日中のみ)を行い、萎れを抑える。
  5. 停電などにより天窓の開閉が困難な場合、閉めたままではハウス内気温が上昇 するため、遮光ネットを展張するなどして降温に努める。また、天窓を開放した ままの場合、降雨の吹込みによる汚れや病害の発生が懸念される。手動でもできる限り開閉調節を実施する。
  6. 電源復旧により漏電火災が生じる可能性があるので、急な復旧に備えて ブレーカーを落とし、通電前後に電気設備の点検を行う。
発生が予想される病害​
施設野菜  
 イチゴ  炭そ病 等
 トマト  すすかび病、葉かび病、疫病 等
 キュウリ  べと病 等
 インゲン  菌核病、灰色かび病 等
 共通  細菌性病害
施設花き  
 シクラメン  炭そ病、灰色かび病、葉腐細菌病 等
 ベゴニア  斑点細菌病 等

露地野菜

  1. 土砂が流入したほ場では次作に向けて流入土が作土と混ざるように深耕する。 また、堆肥等の施用により物理性の改善を図る。
  2. 栽培中の作物では、土壌の表面が乾いてきたら、追肥用化成などを用いて追肥を行い、軽く中耕を行うことにより、生育の回復を促す。
  3. 排水路等が埋まった場合は、手直しをする。
  4. ネギは畑に入れるようになったら、白絹病、軟腐病の薬剤防除を行う。ネギが襟首まで埋まった場合は、早急に掘り出す。また、土寄せした土が崩れて土壌が固まっている場合は、株元の土壌を三角ホー(草なぎ)などで崩し、生育の回復を促す。
  5. ニンジン、ダイコン、コカブ・コマツナ等で発芽前の種子が流されたり、発芽直後で損傷の激しい場合は、速やかにまき直しを行う。
  6. 冠水したほ場のサツマイモは、掘り上げた後、軒下等に仮置きし、何個かイモを切断・加熱するなどして腐敗や内部褐変、傷みがないか確認してから出荷する。
  7. 貯蔵や予冷中の一時的な停電により、腐敗や傷みが発生している可能性があるため、品質をよく見極めてから出荷する。
  8. 栽培中の作物には下記表の病気が発生しやすいので、防除指針に従い殺菌剤を散布し病気の予防に努める。根の活性が落ちるなど、薬害が発生しやすい状態にあるので気をつける。
発生が予想される病害​
 キャベツ  べと病、菌核病、黒腐病 等
 ブロッコリー  軟腐病、花蕾腐敗病、べと病 等
 ダイコン  黒腐病、黒斑細菌病等
 ネギ  白絹病、軟腐病、べと病、葉枯病 等
 ニンジン  黒葉枯病 等
 サトイモ  疫病 等
 ヤマトイモ  葉渋病、炭そ病 等
 葉菜類  べと病 等
 共通  細菌性病害

施設・露地花き

  1. 風により折れた枝や株は整理し、倒伏した切り花類は枝の曲がらないうちに無理のない範囲で早く立て直し土寄せする。
  2. 茎葉の折損部からの病害侵入を防ぐため、防除指針に従い殺菌剤の散布を行う。
  3. 育苗中のものや定植直後のもので冠水強風被害を受けた場合、速やかに汚れを 洗い流し、回復に努める。なお、回復の見込みがない場合は、除去し、苗があれば定植し直すか、再度播種準備を行う。
  4. 数時間滞水した苗物や鉢物は、速やかに汚れを洗い流し、その後乾燥ぎみに管理する。また、多湿により病気が発生しやすくなるので、防除指針に従い殺菌剤を散布する。
  5. 施設花きの場合、台風前後の密閉によりハウス内の湿度が上昇するため、病害の多発生が懸念される。開花前であれば、必ず殺菌剤等を数回散布する。
  6. 遮光資材等で被覆し、強い光から植物を守る。
  7. 花き電照栽培等では、電照やタイマー、冷蔵庫など電気設備の再点検を行う。(特に停電後の通電時)
  8. 生育停滞がみられる場合、根傷みが懸念されるので、草勢を回復するため、液肥の葉面散布等を行う。液肥を潅注する場合は濃度を下げる。
  9. 潅水不足によって、葉の黄化や下葉の枯れ上りが発生する可能性が高いので、 できる限り早めに潅水を実施するとともに、黄化葉を除去し、新葉の発生を促し、 灰色かび病の発生を防ぐ。
  10. 植木類
  • 台風で倒伏しているものは、立て直し生育を確保する。
  • 生育を回復させるためにリン酸やカリの多い緩効性肥料(140日タイプ)を 施用するか、液肥を葉面散布する。
  • 特に苗木類に対して乾燥害を防ぐために、日陰地への移動や遮光資材がある 場合、遮光を行い乾燥障害を最小限にする。
  • 今後、樹勢の低下により細菌病、糸状菌病等の病害が発生しやすくなるため、防除指針に従い薬剤を散布し病気の予防に努める。

落花生

  1. 圃場が冠水した場合は、莢の腐敗を防ぐために速やかに排水する。
  2. 強風による株の振動や大雨による流水のため、莢が地上に露出することがある。時間がたつと変色莢になるため、必要に応じて培土により土中に埋め戻す。
  3. 「ナカテユタカ」や「Qなっつ」などの立性品種は倒伏しやすいため、倒伏した場合は必要に応じて株を立て直す。

畜産

  1. 畜舎及び家畜
  • 停電、漏電により電源が消失した際は、電源復旧時に漏電による感電、火災が発生しないようブレーカーを遮断し、通電前後に電気設備の点検を行う。また、タイマーや温度設定がリセットされている可能性があることから設定を確認する。
  • 畜舎、牧柵、防鳥ネット等の施設に破損、汚損がないか確認し、必要に応じて補修、洗浄、消毒を行うよう努める。飲水に適した水の給与や飼養家畜の健康観察など、家畜伝染病予防法(昭和26年法律第166号)に基づく飼養衛生管理基準に沿った衛生管理を徹底し、家畜の伝染性疾病の発生予防措置を講じるよう努める。
  • 倒伏の影響等により、品質が低下した飼料を給与する場合は、栄養価、嗜好性等にも配慮し、家畜の生産性が低下することのないように注意する。
  • 保管している飼料が冠水等の被害を受けた場合には、当該飼料の家畜への給与は中止する。

 2. 飼料作物及び稲わら

  • 冠水や浸水等の被害を受けたほ場においては、速やかな排水に努めること。
  • 収穫期前の飼料作物は、降雨によるほ場の軟弱状況を十分確認し、今後の機械による収穫作業に向けてほ場の地盤固めに努める。
  • 収穫期にある飼料作物は、天候の回復後に収穫を行うよう努め、トウモロコシ等の長大作物が倒伏した場合は、品質低下を防ぐため、天候の回復後、速やかに収穫を行うよう努める。
  • 稲わらの収穫を行う場合は、天候の回復後、乾燥させた後、土汚れ等が無い ことを確認した上で飼料に用いるよう努める。​ 

参考資料

台風7号による被害の事後対策について [PDFファイル/171KB]

台風に対する農作物等の技術対策(8月) [PDFファイル/246KB]

千葉県農業用ハウス災害被害防止マニュアル [PDFファイル/12.27MB]

 ※ ファイルサイズが大きいので、PC等にダウンロードして御覧ください。

千葉県農業用ハウス災害被害防止チェックシート集 [PDFファイル/662KB]

千葉県庁ホームページ<外部リンク>

台風の被害を受けたときは

 台風通過後は、十分に安全確保を行ったうえで、早急に施設を見回り、破損個所等があった場合は、被災したことを証明するため被害写真の撮影をお願いします。

台風の被害を受けたときは [PDFファイル/812KB]

被害状況を確認する写真について [PDFファイル/6.88MB]

農業用施設の被害状況(記録用紙) [PDFファイル/367KB]

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