八街は落花生の郷。日本有数の生産量と味を誇っています。
落花生は、夏に黄色い花を咲かせます。
その花がしぼんだ後、地中にもぐり込み、実となるのです。
秋になると地中で育った豆を掘りかえし、
畑に積み上げてひと月ほど乾燥させます。
その一風変わった光景は落花生の野積(ぼっち)と呼ばれ、
人々に親しまれています。
農産物の変遷
 明治3年の入植以来、自然の猛威にさらされ、樹木も水もない過酷な土地のなかで開墾は困難を極めました。当時の農業は、そば、麦、陸稲などの粗放農業のため、農業収入は乏しく、原野に自生する柴栗、きのこ、山菜類の採取に頼る暮らしでした。
 明治30年、総武鉄道が開通すると八街は、周辺農村の物資や農産物の集散地として躍進しました。
 また、麦、さといも、大豆、サツマイモ、トウモロコシなどの穀類の収穫量が著しく増加し、八街は農産物の大生産地となりました。
 明治の始め、隆盛を誇ったものにお茶があります。季節になると、何百という茶摘女がさっそうとしたいでたちで山野を埋め、実に壮観だったということです。明治の後半にはお茶に代わり養蚕が盛んになりました。
 大正時代からは野菜栽培による利潤の調節が行われ、昭和に入ってからは、特にその傾向が強くなり、昭和30年ごろには穀類に代わり、すいか、白菜、にんじん、しょうが、だいこんなどの作付面積が増えました。八街のすいかは、落花生とともに全国的に有名です。
 昭和24年ごろには日本一の生産を誇った落花生の栽培は、長年にわたる連作障害と価格の不安定から、昭和30年以降は作付が年々減少しています。それに代わって生産され始めたものが、しょうがでした。
 このほか、昭和30年代には、メロン、レタス、ピーマン、キャベツ、カリフラワーなど、洋菜を含めた野菜の生産が盛んになり、都内をはじめ、周辺都市への野菜の供給地として確固たる地位を築き、現在に至っています。
八街落花生の歴史
 千葉県に落花生が入ってきたのは、明治9年のことです。草深村(成東町)の牧野萬右衛門が、神奈川県で種子を入手して、自分の畑にまいたのが、千葉県の落花生栽培第1号とされています。明治11年には、県令(知事)の柴原和からすすめられた鎌数村(旭市)の金谷惣蔵が、栽培を始めるとともに、人々にもすすめました。当時の農民のほとんどは「花が地上に咲き、実が地下に実るというのは縁起が悪い」と嫌がったということですが、金谷惣蔵は献身的にその普及・奨励に努めました。
八街に落花生が導入されたのは明治29年ごろで、文違区、住野区で栽培されたのに始まるといわれています。八街は周辺の土壌が落花生の育成に最適といわれ、農家の人々の献身的な努力とあいまって、落花生栽培は明治末期から急速に発展し、大正初期には特産地となりました。
 昭和24年には耕作面積が全耕地の約80%を占め、日本一の生産を誇りました。また、昭和28年には、全農家数中、落花生栽培戸数は95%を占めるほどでした。
 現在、生産量県内第1位の座は譲りましたが、常にトップクラスの生産量を誇り、品種の改良・加工方法の改善などを通じて、八街の落花生は日本一と称賛されています。
日本で唯一の落花生指定試験地
 昭和33年、千葉県農業試験場落花生育種研究室(農林省指定落花生育種試験地)が八街市に移転し、落花生の品種改良に取り組んでいます。
 平成13年に千葉県農業総合研究センター育種研究所畑作物育種研究室「落花生試験地」と改称されましたが、現在も日本唯一の落花生専門の試験研究機関(農林水産省落花生指定試験地)として品種改良の試験を行っています。おいしさ、栽培のしやすさを第一に、付加価値の高い魅力的な品種の育成を目指しています。

落花生はやちまたのヒット商品

 落花生は、自然食品として、また、健康食品としておやつやおつまみに、そして料理にと幅広く親しまれています。一般に大粒種はさやいり、味付、バターピーナッツとして消費され、小粒種は製菓原料として消費されています。
 また、調理加工には落花生豆腐、落花生あえ、落花生味噌、ピーナツクリーム、ピーナツバター、落花生せんべいなどがあります。
 「千葉半立(ちばはんだち)」は数多い品種の中でも落花生の王様。風味・コク・味とも一番で、消費者から高く評価され愛されています。八街で最も多く作られているのが「ナカテユタカ」。作るのが易しく、早生種で千葉半立より15日ほど早く収穫できます。落花生試験地が育成した新品種「郷の香(さとのか)」は、ゆでた落花生の食味と風味を長期間にわたって保持し、大量流通させることを目的に開発されたもので、これをレトルト加工した、ゆで落花生が誕生しました。
 八街市優良特産落花生推奨協議会では味が良く、品質の高い八街産落花生を全国の消費者に向けてPRしています。
 「ピーちゃん」「ナッちゃん」と名づけた市のイメージキャラクターが各種イベント会場や市の行事に登場して、落花生のPRに大活躍しています。

<<Back   Next >>

Contents

Top